葬儀屋日記 byノブアキ

つれづれなる葬儀屋さんの日記です

信じられない話し

2008年11月27日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
ある葬儀屋さんは

「ウチはネットには葬儀一式50万円って載せてるけど
実際にはそんな金額で出来るわけ無いじゃん

なんだかんだで200万円は貰わないとね」と言って居たそうな

50万円で出来ないのは僕もわかりますが
そこでお客さんを釣るような、50万円の金額は一体なんなのだろうと思います

商いっていうのは、信頼に基づいて
安心して物が買えるのが、日本の商いの道だったはずなのに
そういうのを守れない人が増えてきてしまいました

ネットで安いからと飛びつくと要注意なんてところもあります
皆様お気をつけください


戒名のセンス

2008年11月14日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
筑紫哲也さんの、葬儀でいろんな記事で
本当に沢山の人から愛され、尊敬された人だなあと思います

歳をとり、現役を去り
過去の人となってだんだんとみんなの記憶から薄れていって
静かに去る人生も良いのだけれど

いかりや長介さんや、筑紫さんのように
亡くなる間際まで輝いて生きれるというのは
人に何かを伝えて、人の心を動かして生きている人にとっては
良いことなんじゃないかと思います

さて今回の筑紫さんの戒名(法名)ですが

無量院釈哲也

多分読み方は、ムリョウインシャクテツヤ

釈の一字があるので、宗派は浄土真宗

浄土真宗では無量というのは
無量壽如来(阿弥陀如来別名)で

無明の現世をあまねく照らす光の仏とされ、浄土真宗の一番の仏様であり

無明の現世をあまねく照らす光なんていうのは、
ジャーナリストとしての筑紫哲也さんにはとてもピッタリな
法名だと思います

なかなか粋なお坊さんだなあと、素敵に思いました






筑紫哲也さんが逝去されました

2008年11月07日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
筑紫哲也さんといえば、NEWS23でしたね
学生のころ、受験で時事問題何かに答えるために欠かさず見ていました

ジャーナリズムって言う空気をまとっていて、尚且つどっかかわいいおっちゃんで
好きでした

個人的なことなんですけど、人がお亡くなりになったときには
残念です、無念ですとは言いたくないんですね

お疲れ様です、いい人生でしたね

と・・・声をかけてあげたいと思います
代わりを務められるように、ものずごい難しい道でも
その人を超えていけるように、生きてる僕たちは自分の道でチャレンジしていくのが

つながる、生きてるということなんでしょう

身内さんでしっかり、お葬式して

みんなでちゃんとお別れをして送り出しすことになると思いますんで
筑紫さんに、批判されないように

真っ当な世界を作りますよう
片隅ですががんばりますんで、安らかにお眠りください
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081107-00000583-san-soci



葬儀の会葬マナー

2008年11月07日 | つれづれ日記
葬儀の会葬マナーという言葉があります

まったく厄介なものですが、やはり誰しもお葬式で失敗したくないものです

こういう形になっていますよとマナー本や雑誌の特集では行われますが
こういったものは、形と理由といった両側面から理解する必要があります

そうしないと、お葬式に行って

「焼香は何回?焼香は何回?」と怪しい質問をするへんな人になってしまいます

この礼で行けば、お焼香の意味と形ですね
お焼香はご霊前におまいりするために、身を清めるためにするものです
(諸説ありますが、一般の人はこの理解でOK)
ですから、香りの良い煙さえ出ていれば、お焼香は何回でもかまわないのです

人がたくさん来ているときは、「お焼香は一回でお願いします」と
葬儀屋さんが叫んでいるときもあるし

なにも言われなければ通常は三回行います
みんなが三回やっていても、べつに一回だって二回だってかまいません
涼しい顔して退出すれば特に気にする人もいません

そんなもんです・・

ちゃんと香を焚いて、故人に向かって合掌して頭を下げる

本質的にはそれだけのことなんです
他の人達、喪主とか、お坊さんとか、来賓とかそういった人に頭を下げてお辞儀するのは

いわゆるおまけなんですね


そこさえ、わかっていれば

後は周りの空気とあわせるだけです

ね、そんなに難しいもんじゃありません


聞く技術

2008年11月05日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
葬儀屋にとって、聞く技術は
ものすごい重要な技術になる

僕の場合は、心理学をかじっていたこともあって
ロジャースの来談者療法なんてのを中心に技術的には作りこんでいる

葬儀の仕事は精神的に病のある人を受容・治療することが目的ではないので
あくまで副次的な技術だということを、我々葬儀屋はわきまえて
いなかればならない

が、一部落ち着いてもらったり
関係性を作らなければいけない場面もあり

そういった、カウンセリング的な側面も葬儀屋としては
持っていたほうが仕事は信頼されやすいものである

カールロジャースという心理学者が提唱した治療法で
カウンセラーは、クライアントの言うことに自分の意思を挟まず
本人の言いたいことを、繰り返し、明確化、無条件での受容をすることに
よりクライアントは自分の力で問題を乗り越えて行くといった
心理療法であるわけです

当然葬儀の現場でも、それはダメです、そうじゃありません、いけません
などと連呼する担当者には信頼関係を築けるわけも無く

こと、感情面での表現には一旦無条件での同意をすることが
とても重要であるわけです

ただし、環境的に出来ないことの要望に関しては
受け止め、繰り返すに止めないと

あとで言った、言わないの問題になり
そこに葬儀屋としては難しいところがあるわけですので
そういう部分は技法を使いながらも各自工夫をしてもらうように
しています

お客さんの感情的な表現には、まず同意

そうですね。 ○○なんですね。といった言葉を使用しながら
相手の感情をさえぎらないようにするのが重要です

また、相槌なども普段より多めに使うと
相手の感情は、開放されやすくなるので

うんうんと声を出したり。なるほど・・と声に出してみたり
こちらが相手の事を否定しないと言うメッセージを返し続けることが
重要です

姿勢のポジションはやや前向き
相手に興味をもって接するようにします

後ろに沿ってはいけませんが、他のときと違い相手を凝視しないように
気をつけます

解釈の違いで不信感を与えないように
なるべく相手の使用する言葉に近い言葉(もしくはそのまま)で
返答、回答を行います

何よりも、気をつけることは
共感しなければならないのだが
相手の感情を受容する立場にあり、軽々しい憐憫や同情をかけないこと


と言うのが、まぁ基本概念の骨子になります
マニアックシリーズでした


お粗末