葬儀屋日記 byノブアキ

つれづれなる葬儀屋さんの日記です

世の中のルール

2005年06月09日 | 葬式豆知識

ある方が、葬儀業界がこれだけ不透明なのだからきちんとした基準で
新しい葬儀紹介業をはじめたいということで、僕のところにやってきました
 
説明するまでもないとおもいますが、葬儀屋さんの紹介業というのは
消費者の代わりに葬儀屋さんから相見積もりをとったり、いい葬儀屋さんを
紹介しますよといった仕事です


その彼は、まだまだ葬儀の世界は成熟していので
まだまだ伸びるはずだと、そして自分はいい葬儀屋さんを
探して、お客さんに喜ばれる仕事をしたいといっていました

志はとっても立派です
 
でもその手の話しは慣れているので、一応その彼にも聞いてみました
 
『それで、あなたは実際に自分で葬儀屋さんをした経験はあるんですか?』
 
彼は、とまってしまって。ちょっとフリーズって感じでした
 
『いえ…、私は第三者として消費者の代表で…』と答えました。

聞けば、彼はネットの広告会社にいて、システムや発案などを担当していたようです
 
彼は、『葬儀業界の不透明性が云々…』といってましたが、彼からは
何も葬儀に対する経験も実体験もないそうです
なんというか机上の空論というやつで、いい葬儀屋さんていうのがいったい
何ができていればいい葬儀屋さんなのか、理解できていないのです。 

先ほどの葬儀紹介業の説明をもう一度見て欲しいのですが、これはあくまでも
 
『一般の人が』『手間を省くだけ』ための手法なんです。

ただその手間を省く過程で、「お金」のことぐらいしか情報がなくなってしまうんですね
その葬儀屋さんが信用できるかどうかっていうのは、「その人が信用に足りるかどうか
を見る」ってことですから

めんどくさくても、心配でも人任せにせず自分で葬儀屋さんに触れ合う必要があるとおもいます
素人さんが適当に取った、内容で「いいですよ、悪いですよ」なんて事を判断したって
なんの意味も出てきません

見積もりをとったり、相談する過程で。

その相手の葬儀屋さんが「自分にとって、信用できるか」それを自分の心で判断して
初めて、安心して葬儀を任せられます。

大体、その業界の素人さんの紹介で10%~15%の手数料をとられるというのが
冷静に考えれればおかしな話しです。

家の見積もりをとったり、引越しの見積もりを取ったりするときにも
最終的に判断するのはお客さんですし、見積もりなんか自分で取れるものですから
自分でとって判断すればいいと思います。

うまい言葉を並べて、「いい葬儀屋さんがわかる振りをする素人さん」っていうのは
詐欺同然ですね。

いいお葬式をしたいのであれば、その葬儀屋さんが自分に合っているのかどうか
自分で判断すればいいと思います。人任せでいい葬儀が降ってわくなんてことが
あるとは思えません 

踏み出す勇気は要りますが、事前相談なんていうのは少しやってみれば
話す内容も、チェックすることも見えてくるものです。自分で葬儀屋さん選びをしている人は
葬儀紹介をするひとに払う10%~15%のマージン分いい葬儀をしています

しかも、自分で選んだんですから
紹介業者さんに選んでもらった葬儀屋さんよりも、安心して
イザというとき任せられる訳です

世の中のルールなのかもしれませんが
楽な方には、価値のあるものはないという昔の人の言葉を思い出します

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