7月5日、民団愛知県本部5階大ホールでも、下記と同じ講演会が開催された。
参加者は少なく、半分以上が日本人であったとのこと。
愛知県での主催は、「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」になっていて、民団愛知は、会場を無料で貸したばかりでなく、支部から団員あてにFAXを送信するという全面協力ぶり。
問題は、なぜ愛知県でも急きょ開催されることになったかというと、領事館からの強い要請があったからということだ。 そもそも今回の一連の企画自体が、大使館によって企画されて、東京や大阪そして名古屋の民団がそれに協力を求められて従ったということだ。
『生活者団体』といい、祖国の平和や統一問題に目をそむけてきた民団が、大使館に言われたからと言って、このような人権に名を借りた極めて反北的な政治的な集会を行うことに、今更ながら、絶望感を持たざるを得ない。
…………
http://www.mindan.org//shinbun/news_bk_view.php?page=1&subpage=3640&corner=3
北韓問題で特別講演会 3日=大阪、6日=東京 2009-07-01 民団主催
北送者2世の脱北者で、現在「朝鮮日報」政治部記者として、また北韓民主化委員会運営委員長、北韓戦略センター代表として活躍している姜哲煥氏による特別時局講演会が、3日に民団大阪府本部5階大ホールで、6日には東京港区南麻布の韓国中央会館8階大ホールで、それぞれ開かれる。
講演会のテーマは、金正日国防委員長の健康悪化の中での核再実験強行・ミサイル発射および3代権力世襲問題で改めて注目されている「北韓の実情について」(大阪)と「北韓の人権問題と未来および北送同胞の実態」(東京)。
朝総連を相手取って日本で裁判中の高政美さん(北送脱北者・大阪居住)も講師に。大阪は午後4時から、東京は午後3時から。
(2009.7.1 民団新聞)
…………・
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会のホームページを見ると、下記の集会も連動して行われていた。 ここでも、民団と統一日報が協賛している。
…………・
http://hrnk.trycomp.net/syukailist.php
7月4日・7日 姜 哲煥氏・高政美氏講演会 開催日時:2009-07-04
姜 哲煥氏・高政美氏講演会 (大阪)
日時 7月4日 午後3時~ 場所 大阪社会福祉会館5階第5会議室(地下鉄谷町線谷町六丁目駅下車) 問い合わせ;電話0729-90-2887(守る会関西支部)
(東京)
☆緊 急 開 催☆北朝鮮の核と強制収容所
日時 7月7日(火) 夜7時から 場所 明治大学リバティタワー10階1103教室
(JR御茶ノ水駅から明大通り徒歩5分)
■参加無料
姜哲煥&高政美講演会
北朝鮮政治犯収容所の体験者であり、朝鮮日報記者でもある 姜 哲煥氏(著書:平壌の水槽ポプラ社)が、最新の北朝鮮情報を織り込みつつ、金正日の陽動作戦にくらまされない、人権の視点から語ります。総連を提訴している脱北帰国者 高政美さんも訴えます。
姜 哲煥(カン・チョルファン)【1968年平壌生まれ。北朝鮮の政治犯強制収容所に9才か ら19才までの間収容される。釈放後92年韓国へ亡命。2000年より韓国の有力紙『朝鮮 日報』記者。韓国で北朝鮮の民主化運動、政治犯収容所廃絶運動を展開中】
高 政美(コ・ジョンミ)【1960年大阪生まれ。63年、帰国運動により北朝鮮に渡る。家族は北朝鮮で迫害を受け、高氏自身も90年代飢餓の時代に北朝鮮体制に根本的な疑問を抱き脱北、2005年日本に戻る。現在、帰国運動の責任を問い朝鮮総連を提訴中】
□共催:北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会/NO FENCE(北朝鮮の強制収容所をなくすアクションの会)
協賛:大韓民国民団・統一日報社 連絡先 守る会 三浦 080 3485 7189 NO FENCE 宋 070-5459-9817
…………
ちなみに、その講演の記録があるのでここに転載する。
…………
NEWS :姜哲煥大阪集会報告(上)核阻止よりも脱北者救援を └ 2009-07-10 14:52
7月4日 姜哲煥、高政美大阪集会報告(上)
帰国事業は誘拐・拉致 7月4日午後3時より、大阪府社会福祉会館にて、守る会関西支部の主催による、姜哲煥、高政美さんの講演会が行われました。
会場は立ち見が出るほどの盛況となり、北朝鮮人権問題に対し関心が高まりつつあることを期待させてくれるものでした(参加者約80名)代表三浦の挨拶と、会場にご参加いただいた八尾市議会議員(次回選挙で国政に立候補予定)の三宅博氏が紹介された後、まず守る会名誉代表の萩原遼氏が、現在の北朝鮮の後継者を巡る報道について批判的に解説しました。
まず萩原氏は、一部報道では金正雲が訪中したとか、また後継者が正式に金正雲に決定したかのような印象がもたれているが、これは誤報である可能性が強いことを指摘。これは長年のジャーナリストとしての直感でもあるけれども、同時に、現在の中朝関係を考えれば、経済的にも安全保障上も中国政府に従属的にならざるを得ない北朝鮮政府が、自分の意志で後継者を決定することがそう簡単に出来るはずはないと語りました。
そして、中国政府側の意向はおそらく親中派でかつ改革解放政策を推進する姿勢がある金正男ではないか、そして北朝鮮側にも、それを受け入れるシグナルが見え始めていると、幾つかの実例を示しつつ解説しました。
萩原氏は、当分後継者問題は混迷に向かうのではないか、また北朝鮮の現在の核開発の姿勢は、むしろ中国側への対抗策の意味合いが強いのではないかと語り、ジャーナリズムは目先の印象操作的な情報や、金正雲の偽(?)写真を大金を払って入手しようとする姿勢を、問題の本質を見失ったものと批判しました。
続いて、大阪在住の脱北者で朝鮮総連を告訴中の高政美(千葉優美子)さんが登壇。まず、自分は帰国運動と言う歴史の証言者としてここにいることを述べた後、朝鮮総連に対する裁判に、いかに守る会関係者が協力してくださっているかについて、一つ一つお礼を述べました。日本全国を回り、当時の事情を知る在日朝鮮人や日本人に聞き取りや資料集めを行ってくださっている山田文明副代表、萩原遼名誉代表、そして自分の証言の整理をしてくれた守る会会員の坂元正三さんらの名前を一人一人挙げながら感謝の意を示した後、この裁判を通じて自分が何を訴えたいのかを語り始めました。
「この裁判では、何よりもまず、帰国事業は、在日朝鮮人に対し、朝鮮総連が、甘言や虚偽の宣伝をして北朝鮮に連れて行った、「誘拐・拉致」に当たることを明らかにしたいのです。一人や二人の人間がこの日本で誘拐されたら、ニュースなどでは大きな騒ぎになるはずです。
しかし、この帰国事業では、93000人の人たちが誘拐され、その家族はお金を何十年にも渡って脅迫されて巻き上げられ敵増した。
この誘拐と脅迫を行ってきたのが朝鮮総連です。朝鮮総連を通じたここ日本からの北朝鮮への送金は、身代金ともいうべきものなのです。」 「北朝鮮では、この様な送金を国家的支援などと読んでいますが、その様な『支援』を在日が行ってきたにも拘らず、在日帰国者、日本人妻は、誘拐された被害者で、さらに北朝鮮では酷い差別や迫害を受けています。
帰国事業は壮大な拉致、誘拐であったこと、この真実は、私の裁判を通じて必ず明らかになることと思います。」高政美氏はこう述べて簡潔に証言を結びました。今後7月21日、同氏は山田文明副代表と共に、大阪地裁で証言を行います。
ここにも多くの支援者の参集、そして報道機関の報道面でのご協力をよろしくお願いします。
最前線は38度線ではなく中朝国境
続いて、姜哲煥氏が講演。
まず、自分達がかって日本に最初に来日したときから、この守る会には大変お世話になっていること、特に北朝鮮の人権問題全般に対し総合的に取り組んでくださっていることに深い経緯と感謝の意を示しますと述べました。そして、韓国で自分は多くの脱北者たちと交流しているが、北朝鮮は近い将来、ここ5年以内に大きな変化が訪れると考えていると述べました。
「まず現状では、金正日政権は約30万人の軍隊を、38度線ではなく中朝国境方面に配置しています。私は最近南北停戦ラインに取材に行きましたが、38度線では、ここしばらく全く銃声が響いた事はありませんでした。しかし、中朝国境は連日のように今銃声が鳴り響いているのです。実質的にはこの中朝国境こそが北朝鮮との戦いの最前線です。」 「軍人も食糧不足から、賄賂などをもらえれば脱北者に国境を超えさせているので、それを処罰する為にも軍隊だけではなく北朝鮮の保衛部(金正日直属の思想警察:三浦注)が派遣され、脱北者にも、また脱北を助けたものにも、銃弾が浴びせられ、処刑なども行われているのです。」
姜哲煥氏はこう述べ、中朝国境は北朝鮮体制崩壊に向けての導火線の役割を果たすとの見解を示しました。 さらに姜哲煥氏は、現在の北朝鮮には当初90年代初頭に亡命した自分にも信じられなかったほどの規模で、飢餓、恐怖政治が蔓延していると述べ、実際にヨドック収容所内部でしか見られなかったような恐怖政治や飢餓が全社会的に広がっていると述べました。
さらに、食糧配給が停止し、思想教育にも効果が無くなりつつある中、民衆はすでに金正日政権を信用しなくなっており、ただ恐怖政治、銃剣による支配だけがあの体制を支えているのが現在の北朝鮮社会だと述べました。 しかし、同時に、現在の国際社会が行っている核開発への抗議や、核査察などの圧力について、姜哲煥氏は、これはどの程度効果があるかは疑わしいとはっきり否定的に語り、北朝鮮は元々閉鎖社会であり、外部からの閉鎖や制裁以上に効果があるのは、内部に情報を様々な手段を通じて入れることによって北朝鮮国内の民衆を目覚めさせることだと述べ、最も重要なことは国際社会が圧力をかけて中国に脱北者の強制送還をやめさせることだと指摘しました。
同氏は、これは難民条約という中国政府が批准している国際法に違反している行為なのだから、内政干渉には当たらず、日米韓は連帯してこの事を中国に言う当然の権利があること、仮に中国が脱北者の強制送還を停止すれば、少なくとも100万人が脱北する、そしてそれは残りの1000万人の北朝鮮民衆に確実に影響を与え、核問題で北朝鮮に迫るよりも、脱北者を保護することの方が、確実にかの体制を崩壊に導けると述べました。
(続く) NEWS :姜哲煥大阪集会報告(下)人権問題への総合的取り組みを
└ 2009-07-10 15:47
北朝鮮の独裁者を救ったのは韓国政府
姜哲煥氏は続いて、金大中、ノムヒョン時代の韓国を、九〇年代にはすでに崩壊寸前だった北朝鮮を、経済支援でここまで支えてしまったと痛烈に批判しました。黄長ヨフ氏をはじめ、多くの有力な脱北者たちは、90年代末にはもう数年間で北朝鮮は崩壊すると預言していました。
現実にはかの体制は生き延びた為、韓国でも、脱北者の証言など当てにならないと言う意見が出ているが、姜哲煥氏は、これは金大中、ノムヒョン時代に、韓国が何を行ったかを見なければ公正ではないと、以下のように語りました。
「80年代には、韓国政府が、風船を使ってビラを北朝鮮にまくなどを国家的規模で行っていました。九〇年代には飢餓の時代、インスタントラーメンを風船で飛ばすなどのことも行い、北朝鮮民衆にも、また軍隊にすら影響を与え、意識を変えるチャンスもありました。」 「それが、金大中が金正日と会談する準備をする段階で、まず金正日が要求してきたのが、経済支援の要求ではなく、なによりもまずこの様なビラによる宣伝をやめろ、38度線で、電光掲示板で北朝鮮軍兵士に向けて政治宣伝をするのをやめろ、また対北朝鮮のラジオ放送をやめろ、と言うものでした。
金正日は、経済支援の要求の前に、このような韓国側の対北宣伝をやめるように要求し、金正日との会談を実現したい金大中政権はそれをほとんど受け入れたのです。」 こうして北朝鮮に妥協した後、金大中・ノムヒョン時代の10年間、多額の経済支援が北朝鮮に流れ込み、韓国政府は北朝鮮が崩壊しないように支えてきた、まさに金正日と金大中は、同属と言うべき政治家であり、金大中は、「金正日は見識のある指導者」と述べているが、自国民を三百万も餓死させた独裁者をなぜ見識のある人間と呼ぶのか、金大中の意識はおかしいとしかいいようがないと、姜哲煥氏は怒りを込めて金大中を批判しました。
韓国内の左派・民主派の偏向ぶり さらに、金正日政権は現在の李明博政権に対しては絶対に妥協しない方針を決めており、今韓国内の左派、親北派の全てを扇動して李政権を追い詰め、次の大統領選挙で再び親北派の大統領を出現させようと狙っていると同氏は指摘、さらに、現在の韓国国民の意識に対しても批判的に語りました。 「正直私は、今の韓国国民の意識にも多少疑問を持たざるを得ません。
ソウルでは理解できない事件が多すぎます。かって、北朝鮮で同じ民族が、野菜くずを食べることも出来ずに、三百万人も餓死していたときに、一度も抗議デモも起きなかったのに、アメリカ産の牛肉が問題だ、食べられないと言ってデモが起きる。
これは、北朝鮮による長年の工作の活動で、韓国の左派に親北、反米勢力が浸透している結果としか考えられません。」 「この左派勢力は、李明博大統領のおかげで南北関係がうまく言っていないと批判しています。しかも、金大中氏は、正式に国民投票で530万の得票差をつけて当選した李明博大統領を独裁者と読んで批判しました。私は、民主派とか、左派とかいっても、韓国のそれは日本やアメリカの民主派とは全く違う存在としか考えられません。
その一つの証明として、日本やアメリカでは北朝鮮人権法が満場一致で賛成され成立しましたが、韓国では今だそのような法案は制定できないのです。」姜哲煥氏はこのように、韓国の「失われた十年」を痛烈に批判しました。 本来あってはならない後継者の世襲 後継者問題に関しては、姜哲煥氏は本来社会主義、共産主義の理念からすれば、封建社会の理念である権力の世襲などは、資本主義以前のものとしてありえてはならないはずであり、かって金正日が金日成から事実上の世襲を行ったときも、形式的には、金正日が、北朝鮮労働党において、最も優れた能力を持っているからと言うのが建前だったと述べました。
そして、「後継者」を決める時と言うのは、それこそ全国民からの請願を集めるとか、様々な神話造りを広めるなどの下準備が必要で、確かに北朝鮮国内では金正雲が後継者になるらしいという噂は立っているようだが、彼の写真も、また経歴も文書も完全に公開されていないような状態では後継者として決定したとはとても言えない、今北朝鮮が行っているのは、金正日の様態がかなり悪く、後継者問題を巡って政府全体が焦っている証拠か、またこのような噂を流して外国の反応を見ようとしているのではないかと分析しました。
日本政府は人権を突破口に 拉致問題を含む全ての北朝鮮問題の解決を 最後に姜哲煥氏は、日本政府の現在の姿勢に対して、拉致問題が中心になるのは勿論国民をさらわれた立場として当然だが、何よりも、この問題は北朝鮮全体の人権問題の一環として考えるべきではないかと述べました。かって300万人を餓死させ、今もなお30万人を北朝鮮国内の政治犯収容所に閉じ込めている、この様な北朝鮮の現独裁体制の人権問題を解決する、それでこそ、拉致問題も解決されていくのではないかと姜哲煥氏は語り、現北朝鮮独裁体制と真正面から対峙しているからこそ、この守る会という市民団体を自分は感謝し、評価しているのだと述べました。
さらに姜哲煥氏は、日本政府もさらにこの北朝鮮の全体の人権問題に取り組んで欲しい、拉致問題だけを中心にしていけば、逆に北朝鮮から、それを日朝二カ国の問題であるとして逆利用されてしまう危険性もあるのではないかと指摘し、さらに、日本が何よりも中国政府に対し、韓米と協調して圧力をかけ、脱北者の強制送還をやめさせて欲しい。
なぜならば、中国も経済大国である日本の要求にはある程度応じざるを得ないからであり、脱北者を保護することを通じて北朝鮮を崩壊させる方向、さらには北朝鮮のあらゆる人権問題を突破口とすることで、拉致問題を初めとするあらゆる問題が解決される道を日本国が推進して欲しいと、日本への期待を込めて講演を終えました。
…………
ここまで読んだあなた、ご苦労様です。 不愉快で仕方ない方のために、清涼剤を用意しました。 ご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/sanzenri2010/e/6f30bb881a1a4a8adfd97aa940c0d2fe
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます