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続、南北関係の改善に向けて

2014年01月24日 | 三千里コラム

大韓赤十字社の南北離散家族調査センター



1月16日、北は国防委員会の名義で南の政府に対し「重大提案」を行ないました。内容は、旧正月(1月31日)を契機に、①相互誹謗の中断、②軍事的な敵対行為の全面中止、などです。これを受け韓国政府は同夜、「緊急国家安保政策調整会議」を開きましたが、北の提案は「とんでもない偽装平和攻勢。言葉ではなく行動で示せ」と、全的に拒否する立場を確認しました。会議の決定を外遊中の朴槿恵大統領が裁可し、翌日に公表されました。

「国家安保政策調整会議」を主導したのは、統一部長官、大統領府国家安保室長、国防長官、国家情報院長など、対北強硬派の閣僚たちです。重大提案を拒否した背景には、“張成沢処刑を機に北の内部不安は深刻だ。体制崩壊の可能性が高くなった”という彼らの一面的な情勢認識が大きく作用しているようです。

これに対し北は、1月23日付で金正恩・国防委第一委員長の特名による公開書簡を発表しました。書簡は、北の真意を疑い“偽装平和攻勢”と決めつけた南の対応を遺憾とし、「開きもせずに‘大した内容ではない’と良書を放り投げるようではどうするのだ」と、婉曲に批判しています。書簡はまた、文末で「和解と団結の状況を作り出し軍事的な敵対行為を全面中止するとともに、離散した家族親戚の出会いを実現して金剛山観光も再開するなど、南北間の和解と協力を活性化させるのがわれわれの決心だ」と表明しています。

そして翌24日には、朝鮮赤十字社が板門店の連絡チャンネルを通じて「離散家族の再会事業」を提案しました。今の所、南北関係の改善に向けた姿勢において、「北の積極的な攻勢」と南の「懐疑的で消極的な反応」という対比が見られます。相手の真意を疑う前に、虚心坦懐に対話と交渉の席に着くことが肝要な気がします。

以下に、1月24日付『統一ニュース』の記事を要訳します。(JHK)
http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=105811



北、旧正月以降に離散家族の面会を提案

北が、「旧正月以降に離散家族の面会行事を開催しよう」との通知文を、24日午後6時頃、板門店の連絡窓口を介して送ってきた。

統一部によれば、朝鮮赤十字社中央委員会(委員長カン・スリン)は、大韓赤十字社(総裁ユ・チュングン)宛の通知文で、「双方の赤十字実務交渉で合意した通り、離散家族の面会行事を金剛山で開催する。日程は、準備期間を考慮して、旧正月が過ぎた寒さの和らいだ頃、南側が便利な時期に推進すること」を提案した。

また、その他の問題は「板門店の赤十字連絡窓口を通じて協議する」と通知してきた。

これに対し政府は「北側が遅まきながら私たちの提案を受け入れたことを歓迎する。離散家族の面会時期と協議方法など具体的な事項は、追って通知する」と明らかにした。

離散家族の面会行事には、準備期間が約2週間ほど必要である。旧正月以降に開催するなら、北の「光明星節」(2.16)と、南で2月末に始まる予定の「韓米連合軍事演習」を勘案して、来月17日から1週間にわたって開かれるものと推測される。

統一部の当局者は「離散家族の面会行事に関しては、開催場所もまだ決まっていない。準備期間も約2週間が必要だ。しかし、今回の北側の提案は言葉でない、行動を示したものだ」と語った。

先立って朴槿恵大統領は6日、新年記者会見で北側に旧正月を契機として離散家族の面会行事を提案したが、北は祖国平和統一委員会書記局の名で9日、統一部に通知文を送ってきた。「南側で戦争演習が中断なく続いており、もうすぐ大規模な合同軍事演習が始まろうとしている。銃砲弾が飛び交う中で、離散した家族親戚が心安らかに対面することができよううか」と、ひとまずは拒否した。

北の回答に対し政府は、北側が新年辞で明らかにした「南北関係改善の雰囲気づくり」は、「その真意が疑わしい」と反論している。

さらに政府は、朝鮮国防委員会の重大提案と公開書簡に対し“偽装平和攻勢”と規定した。そして、「離散家族の面会行事再開に関し、北は前提条件なしで直ちに呼応しなければならない。約束を守って南北間の信頼が積み重なれば、いかなる問題も議論できないはずがない」と述べ、離散家族の面会に応じるよう促した。

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