NPO法人 三千里鐵道 

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回顧ー「朝鮮半島に平和を!大討論会」  ①

2011年07月19日 | NPO三千里鐵道ニュース
写真ー2011年6月12日・名進研ホール会場のある風景

時の流れは速いもので、恒例の三千里鐡道6.15記念行事を終えて、もう一カ月以上が過ぎてしまいました。
ニュースレター18号にも載せましたが、紙面の関係上具体的な発言内容までは紹介できませんでした。

今後二回に分けて掲載します。 白熱した討論会の模様を、数人の発言内容からお察し下さい。

尚、今回の掲載にあたり、豊川市在住の小原清氏がDVDからの原稿起こしをして下さいました。
写真は、都泰三氏、崔成一氏、共和印刷の植村氏撮影のものを採用しました。

有難うございます。N

心おきなく話し合ってみましょうー都相太理事長挨拶

2011年07月19日 | NPO三千里鐵道ニュース
都相太理事長 挨拶


過去10年間6.15記念日では、韓国や在日の先生方をお招きして、様々な行事を行ってきましたが、今回は在日や日本人の立場からの想いを思いっきりぶつけ合ってみようと、この企画になりました。恐らく結論は出ないと思いますが、心おきなく話し合ってみましょう。

3月11日、東北地方を大地震が襲いました。地震、津波は天災ですが、原発だけは全くの余分でした。学生時代から付き合っている、原発に従事している親友がいます。石川島播磨に勤め、彼の紹介で私も今回被害に遭った女川原発や浜岡原発を見せてもらったことがあります。30数年原発一筋で生きてきた友人に、どう声をかけて良いのか分かりません。
ある学者が、大国になったつもりで文明の進歩をひたすら信じ続けてきた日本国民は、日米戦争に敗北しても、なお目をそらしてきた根本の問題に直面している、と言われました。日本は今後色々な問題に直面することでしょう。

孫正義が震災支援に100億円の寄付をしました。ただ金の額の問題ではなく、孫正義は自然エネルギー構想(電田プロジェクト)を提唱しました。エネルギー問題における価値観の転換を打ち出したのです。
世の中を変えるのは、若者かバカ者、そしてよそ者と言われていますが、在日が日本を変える上で大きな力になるかもしれない、大きな役割を担えるのではないのかと思っています。

6.15宣言以降、三千里鐡道は国の分断について考え、非武装地帯に立って南北を等距離に眺め行動してきました。この立場に立てばやれることが一杯あり、私たちの考えは間違っていなかったと考えています。
現在北の鴨緑江の中州・4㎞四方に特区建設が進んでいます。向こう50年間にわたり、中国に管理権が付与されます。東海岸の元山製鉄所の鉄鉱石採掘権も持って行かれ、中国資本の参入で平壌百貨店の経営にも参加する等の情報に接すると、複雑な心境になります。…我々は南北合わせてたった4キロ、車で行けばわずかな時間で往来できる境界線を、未だ越えられないでいます。
一方で開城工団は元気です。 従業員も去年に比べ4万3000名から4万8000名に、売上高も22億ドルから28億ドルに伸びています。開城で出来て、他では何故できないのでしょう。
アメリカ、EUが食糧支援を言い出しています。しかし、韓国のイミョンバク政権は、強固な姿勢を崩していません。倉庫に眠る備蓄米は、2008年に68万トン、2009年に90万トン、2010年に110万トンと増えています。莫大な倉庫料を費やし、いずれは古米として豚の餌にしかならないのに…。

来年は韓国で総選挙と大統領選挙があります。在日も、韓国籍、旅券、在外選挙人登録の3点を満たせば、投票権が付与されます。登録期間は、来年4月の総選挙は今年11月13日から来年2月11日まで、大統領選挙は来年7月過ぎにまた選挙人登録をします。ことに大統領選挙は毎回、大接戦です。皆さんも、ご自分の選挙権を行使することが大切と考えます。

いずれにしても今日は、南北分断、大地震等など、在日と日本人が腹を割って色んな思いをぶつけ合ってみましょう。康宗憲先生が上手に誘導して頂けると思います。

大討論会のテーマは?ー総合進行役・康宗憲氏

2011年07月19日 | NPO三千里鐵道ニュース
総合進行役・康宗憲氏挨拶


本日の司会進行を務めることになりました康宗憲です。
先ほど、理事長からご挨拶がありましたように、今日は日ごろ皆さんが、朝鮮半島の平和、統一、あるいは、在日同胞として抱えているいろんな問題、そうしたことについて、制限なしに意見を述べ、直接ここで民主主義を実践していく場となればと思っています。

朝鮮のことわざに、「船を漕ぐ漁師がたくさんいると、船は山に登ってしまう」ということわざがありますが、あまり協調性を持たずに言いたいことを言い出すと、どこに行くか分からないという意味だと思います。が、それが山に登ってもいいと思っています。それを再び川に引き戻せばいいわけですから。 山に行ってこの道は間違っていたんだなあと気付くだけでも、意味のあることだと思っています。

政治は誰か特別な人がやることではないと、私は常に思っています。 政治は政治家の占有物ではなく、私たちの一時的な代表として、議会に出た彼らが仕事をしているだけであって、世の中のことに一番関心を持って見守っており、意見を出したいと思うのはそこに住んでいる私たち普通の人間のはずです。今日はその一般の普通の人間として、一番常識的な考えをぶつけて頂きたいと思います。

朝鮮半島の平和が、今日の主題になっております。 何でもいいので話をして下さいというのでは、ちょっと取り止めが無いので、私のほうで4つぐらいにテーマを絞りたいと思います。

まず、第一番目に、現在南北関係が非常に良くありません。去年3月には、南の哨戒艦が沈没しました。それを韓国政府は、北朝鮮人民軍、北の魚雷砲撃によるものだと調査報告書を発表し、(今日の資料にもありますが)イ・ミョンバク大統領は、北を猛烈に批判し、「謝罪をしなさい」、「責任者を処罰しなさい」、対抗処置をとる、全ての南北関係を断絶する、という国民談話を発表しました。これに対して北は、「我々は一切、関与していない」、「それを立証するためにも、合同で調査をしようじゃないか」と提案をしましたが、南は受け入れず、南北の主張が根本から対立しております。この3月の哨戒艦沈没事件を受けて、南北関係は軍事的に緊張が高まる状況になり、その影響で11月には、西側海域の延坪島という島に、朝鮮人民軍が砲撃を加えるという砲撃事件が起きました。 現在、南北関係は非常に悪化しています。
 最初は、「なぜ南北関係はこのように悪化してしまったのか。 どうすれば、以前の政権である金大中政権、ノ・ムヒョン政権のときのように良好な関係に改善することができるのか?」、これが、第1番目のテーマです。

 2番目のテーマは、朝鮮半島は何故こんなにも軍事的な緊張がずーと続くのか。どうすれば平和を達成することができるのか。それが2番目です。朝鮮半島の戦争と平和について、考えていきたいと思います。
 3番目のテーマは、朝鮮半島を取り巻く国際関係について考えたいと思います。先日、北の指導者が、中国を訪問した、そのことに関して、日本のマスコミではいろんな推測がありましたけれども、しかし、あまり的を得たような評論ではなかったと思います。…朝鮮半島の2つの国家が、それぞれどのような国際関係、国際政治を展開してきたのか。 周辺国との関係を平和と統一を想定したときに、どのように設定するのが良いのか、ということが、3番目のテーマです。
 4番目は、では我々在日韓国朝鮮人、在日同胞の立場で、祖国とどのような関係を創っていくべきなのか、平和と統一という問題を想定したときに、祖国との関係はどうあるべきなのか。来年は初めて、韓国籍の保有者は、投票権を行使する機会を持つことができます。 直接、本国の政治に参与する道が開かれた歴史的な転換点に立ちます。そういったことを踏まえて、在日同胞が祖国との関係をどのように創っていけるのかということ。
このような各テーマを、日本との関係を含めて発言して頂きたいと考えています。