国家情報院の'スパイ集団・一進会’捜査、 '反MB勢力' 狙う撃ち
2011-07-28
国家情報院が総選挙と大統領選挙を控えた敏感な時期に、現政権に入って最大規模の‘スパイ集団事件’を捜査、波紋が予想される。
特に国家情報院の捜査は、特別な根拠もなく無理に拡大、人権蹂躪と言論弾圧、野党狙い撃ち捜査の是非を巡って、政治問題化しそうだ。
●国家情報院の‘スパイ集団事件’捜査の動きが明るみになったのは、今月の初めだ。
国家情報院は去る4日、北の対南工作機構という‘労働党225号局’の指令を受けて、長期間韓国で工作したという疑惑でキム・某氏を検挙して自宅を捜索した。 ‘一進会’という名前で知らされた反国家団体の総責任者と言われるキム氏は、IT専門業者を設立運営してきた事業家だ。
同時に国家情報院は、去る4日から6日までキム氏の他に、10人の自宅と職場を急襲捜索した。 捜索にあった者らは、民主党前職党役員、仁川地域の労組幹部、統一団体前会員、キム氏の職場同僚と学校先後輩などだ。
国家情報院はさらに、6日には月刊‘民族21’主幹のアン・ヨンミン氏と、彼の父親のアン・ジェグ前慶北大教授の自宅に対しても捜索を実施した。 当初二人に対する捜査は‘一進会’事件とは別個と言われたが、最近になってやはり‘一進会’関連捜査と確認された。 20日拘束されたユ某氏が‘民族21’の監査を歴任、‘民族21’も北の指令により北の主張を宣伝扇動してきた、というのが国家情報院の核心的主張だ。
さらに国家情報院は、9日ホン・某韓国大学教育研究所企画室長が国家保安法を違反したと、研究所と個人事務室を捜索した。 ‘半額登録金’闘争を政策的に支援してきたこの研究所に対する捜索により、‘半額登録金’闘争に‘親北朝鮮・従北’というレッテルを付けようとしているという疑惑が出された。
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●昨日まで合法だった言論取材、今では対南工作? ...野党弾圧論議まで
また、国家情報院は去る24日現職報道機関幹部のチョン‘民族21’編集局長の自宅と編集局事務室を押収捜索した。 国家情報院は、すでに永らく政府に許可を得て進行してきた海外同胞取材をも「国家保安法を違反」と指定した。
この報道機関編集局捜索は、軍事政権のノ・テウ政権時期の1989年、国家情報院の前身である安全企画部が、いわゆる‘北朝鮮訪問取材事件’を口実にハンギョレ新聞社の編集局を押収捜索してからは、今回が初めてだ。 言論界と法曹界では、編集局長個人疑惑を口実にして、報道機関編集局に公権力を投じて取材したファイルと関連資料を押収したことは、過度な捜査であり公権力乱用だと批判している。
国家情報院は最近仁川(インチョン)地域進歩陣営有力要人らに参考人調査に応じろと通知して事件が全方位へ拡大されているということを確認させた。
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●これまでの捜査の唯一の証拠は、キム某氏のコンピュータ ファイル、しかし本人は黙秘中
現在の国家情報院が捜査を拡大する唯一の根拠は、キム氏に対する捜索過程で押収したデジタル情報、すなわちコンピュータ ファイルだ。
しかし検挙以後キム氏が今まで黙秘権を行使していて、彼のファイルの信憑性も立証されないうえに、たとえ実体があるとしても一個人が一方的に考えた内容を根拠に現職をはじめとする有力な人々を手当たり次第に捜査するのは‘前例がない無理で過度な捜査’というのが弁護士らの指摘だ。
民主労働党は仁川の二人の区庁長をはじめとして自党所属公職者と党役員に対する国家情報院捜査を、‘野党に対する政治弾圧’と規定して全党的に総力対応するという方針を固めた。 これに伴い、27日自党スポークスマンが国家情報院を糾弾する声明を発表、この日就任1周年記者懇談会を行ったイ・ジョンヒ代表も強い語調で国家情報院を批判した。
●‘一進会’事件の捜査対象には、民主党と民主労働党、労組幹部、統一団体前職会員、中小企業代表と会社員、言論人などいわゆる‘反MB連帯’の勢力圏とほとんど正確に一致、この事件の捜査が当初から政治的意図を持っていたという疑惑を呼んでいる。
反MB連帯の中心という野党がどのように対応するのかにより、今回の事件の展開様相が変わるという分析が説得力を持つ所以である。