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☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
<人物>
ジョミー ノア副首相 ジュピターという宇宙の軍を動かせる権限を持っている
キース・アニアン ノアの首相・人類の評議会議長だったが…
ソルジャーズのブルー 人類が作ったブルーのクローン(タイプブルー)
ジョミー 本当はジョミーのクローンではない(タイプイエロー)
『君がいる幸せ』 限りある永遠(limitato etemita)編 二十六話
惑星メサイア・宇宙ステーション(シャングリラ)
事件から一か月。
シャングリラが惑星メサイアに戻ってもジョミーは目覚めなかった。
「ソルジャー・トォニィ」
トォニィに、シドがジョミーの容体を心配して話しかけた。
「ジョミーなら、いつもと変わりないよ」
「そうですか…」
「丁度良かった。シド。君にお願いがある」
「何ですか?」
「シャングリラのキャプテンに戻ってくれないか?」
「え…」
「無理強いはしない。だけど、このシャングリラを任せられるのは君だけだと思っている。ジョミーが君を手放さないなら、その時は僕が頼んでみる。ああ、でも、本当に無理にとは言わない。今は、僕がそう強く願っている事を伝えたい」
「トォニィ…」
「今、眠っているからという訳ではないけど、ジョミーではなく君が決めてくれないかな。僕は君の気持ちに従う」
それだけ言うとトォニィは仕事あるからと戻って行った。
シドは自分がいつかシャングリラのキャプテンに戻る日が来ると思っていた。でもそれは漠然としていて、このままずっとジョミーと一緒に旅をするのも悪くないと思い始めていた。
今回の事件でトォニィが本格的に政界に乗り出し、ミュウの母船であるこの船が今まで以上に必要になるのは目に見えている。
シャングリラのキャプテンに戻る。自分が望んできた事が現実になる。それは嬉しい。だけど、今のジョミーを置いて行っていいのだろうか?
それは不誠実で不義理な事なのではないか?
ジョミーは今、キースを失い。ソルジャーズも側に居ない。たった一人だ。僕まで居なくなっていいのだろうか?
『ジョミーではなく君が決めてくれないか?』
トォニィが言いたい事もわかる。
ジョミーなら、多分僕に戻るように言うだろう…。でも、それでは駄目で、僕の思いを尊重するって事だ。
僕が決めないといけない。だけどいっそ、命令してくれた方が楽だったのかもしれない…。
ずっとジョミーに必要とされたいと思ってきて、今がその時なのに、僕は…迷っている。
「どうすればいいのだろう」
「じゃあ、どうするって言うの?」
ふいに聞こえてきたのはソルジャーズのジョミーの声だった。シャングリラの停泊するデッキで話している。出て行ったトォニィと会ったのだろう。シドはとっさに影に隠れた。
「何もしない。僕たちは知りたいだけなんだ。何故あんなことをしたのかを」
「捕まえてしゃべらせるって、尋問をするって事だよね。簡単に話す訳がない」
「ジョミー。だけど、彼をこのままにはしておけない」
「僕は居所なんかしらない」
「君の為にも、人類の為にも。これは必要な事なんだ」
「だから、知らないんだ。あいつが人を憎んでいるなんて前からわかっていた事じゃないか?」
「僕たちはその意味を知らなければならないんだ」
「僕たちじゃなくて、自分の為じゃないの?」
「違う。僕は、ブルーも君も救いたいんだ」
「今まで知ろうともしなかったのに、何を今さら」
「じゃあ、君に聞く。何故君は今回は僕らに協力したんだ。ジョミーが頼んだからか?それだけじゃないだろう。君は人が死ぬのを嫌い自分を盾にしたよね?あの時と同じように自分を使って戦いを止めようとしたんだろ?」
「!」
ジョミーはトォニィを睨みつけた。
「そ…それは」
「だったら。君はブルーを助けたいんじゃないのか?」
「……」
「ジョミーの代わりにキースの軍と対峙したと聞いた。キースは怖かっただろう。味方なら良いが、あいつは僕でも敵に回したくない」
「…怖かった。怖かったけど…。シドが居た。一人じゃなかった。軍を少しでも僕に引きつけてニュクスから目を逸らすのは僕からやるって言ったんだ。だから」
「でも、それは、キースに罪を犯させないんじゃなくて、キースが罪を犯さなかったらブルーもって事だろ?ブルーも助けて欲しいって思いからじゃないのか?だったら同じだろう」
「助けたい…。助けたいよ。でも、僕にはその方法すらわからないんだ」
「僕も助けたいと思う。僕にも方法はわからない。この気持ちは同じなんだ。それは疑わないで欲しい。それに、ジョミーは拘束でもしない限り目が覚めたらすぐにでも動くだろう。僕はその前に知っておきたいんだ。また何もしないでこのままジョミーを見送るのはもうしたくない。それだけは嫌なんだ!」
「……」
「…トォニィ」
隠れて聞いていたシドは思った。
トォニィも同じ気持ちでいたのだと…。
ソルジャーは強くて、何でも出来て、何でも自分の思い通りになる。そんな存在だと思ってい時があった。「何も出来ないし、弱いよ。同じ人間だもの」とジョミーがよく言っていたのを、本心からは取り合っていなかった。
僕は傍に居て、三人のソルジャーの姿を見ていても、まだどこかで彼らは強いから別格なんだと思っていた。
彼らの苦悩も努力も全て見てきた筈なのに…。
『知っていて何もしなかったのか?』
僕は前にどうしてジョミーばかりそんな目に遭うのだとトォニィに怒りをぶつけた事がある。
あの時、自分の身を斬りながら生き、皆を守るのがソルジャーなんだと、トォニィも思っていたに違いない。
でもそれは間違っているとトォニィは気が付いたんだ。
「こんなんじゃダメだ」と言っているトォニィを見た事がある。
今、僕が二人のソルジャー為に、ジョミーやトォニィに出来る事は何なんだろう?
「だから、知っているのは、多分、キース・アニアンだけだと思う」
ソルジャーズのジョミーがぼそっと言った。
「彼も知らないと言っている」
「記憶を消されて…?」
「多分ね…」
「どうしたら…」
「ソルジャー・トォニィ。僕の所にジョミーが調べていたセドルの情報があります。セドルはキースと通じていました。そこから何かつかめるかもしれませんよ」
シドは二人の前に出て行った。
僕はジョミーを助ける為にトォニィの所へ行きます。
今は、自分が良いと思う方へ。自分の出来る限りの事をしていこうと思うシドだった。
続く
※短くてすみません><
キリが良い所がここしか無かったので、ごめんなさい。
次はバレンタインSPかな?
なかなかHな展開にならない…^^;でも、だからって不本意なのは…。
って事でSPで遊べたらと思っています。
本編はシドの話がもう少しきます。
<人物>
ジョミー ノア副首相 ジュピターという宇宙の軍を動かせる権限を持っている
キース・アニアン ノアの首相・人類の評議会議長だったが…
ソルジャーズのブルー 人類が作ったブルーのクローン(タイプブルー)
ジョミー 本当はジョミーのクローンではない(タイプイエロー)
『君がいる幸せ』 限りある永遠(limitato etemita)編 二十六話
惑星メサイア・宇宙ステーション(シャングリラ)
事件から一か月。
シャングリラが惑星メサイアに戻ってもジョミーは目覚めなかった。
「ソルジャー・トォニィ」
トォニィに、シドがジョミーの容体を心配して話しかけた。
「ジョミーなら、いつもと変わりないよ」
「そうですか…」
「丁度良かった。シド。君にお願いがある」
「何ですか?」
「シャングリラのキャプテンに戻ってくれないか?」
「え…」
「無理強いはしない。だけど、このシャングリラを任せられるのは君だけだと思っている。ジョミーが君を手放さないなら、その時は僕が頼んでみる。ああ、でも、本当に無理にとは言わない。今は、僕がそう強く願っている事を伝えたい」
「トォニィ…」
「今、眠っているからという訳ではないけど、ジョミーではなく君が決めてくれないかな。僕は君の気持ちに従う」
それだけ言うとトォニィは仕事あるからと戻って行った。
シドは自分がいつかシャングリラのキャプテンに戻る日が来ると思っていた。でもそれは漠然としていて、このままずっとジョミーと一緒に旅をするのも悪くないと思い始めていた。
今回の事件でトォニィが本格的に政界に乗り出し、ミュウの母船であるこの船が今まで以上に必要になるのは目に見えている。
シャングリラのキャプテンに戻る。自分が望んできた事が現実になる。それは嬉しい。だけど、今のジョミーを置いて行っていいのだろうか?
それは不誠実で不義理な事なのではないか?
ジョミーは今、キースを失い。ソルジャーズも側に居ない。たった一人だ。僕まで居なくなっていいのだろうか?
『ジョミーではなく君が決めてくれないか?』
トォニィが言いたい事もわかる。
ジョミーなら、多分僕に戻るように言うだろう…。でも、それでは駄目で、僕の思いを尊重するって事だ。
僕が決めないといけない。だけどいっそ、命令してくれた方が楽だったのかもしれない…。
ずっとジョミーに必要とされたいと思ってきて、今がその時なのに、僕は…迷っている。
「どうすればいいのだろう」
「じゃあ、どうするって言うの?」
ふいに聞こえてきたのはソルジャーズのジョミーの声だった。シャングリラの停泊するデッキで話している。出て行ったトォニィと会ったのだろう。シドはとっさに影に隠れた。
「何もしない。僕たちは知りたいだけなんだ。何故あんなことをしたのかを」
「捕まえてしゃべらせるって、尋問をするって事だよね。簡単に話す訳がない」
「ジョミー。だけど、彼をこのままにはしておけない」
「僕は居所なんかしらない」
「君の為にも、人類の為にも。これは必要な事なんだ」
「だから、知らないんだ。あいつが人を憎んでいるなんて前からわかっていた事じゃないか?」
「僕たちはその意味を知らなければならないんだ」
「僕たちじゃなくて、自分の為じゃないの?」
「違う。僕は、ブルーも君も救いたいんだ」
「今まで知ろうともしなかったのに、何を今さら」
「じゃあ、君に聞く。何故君は今回は僕らに協力したんだ。ジョミーが頼んだからか?それだけじゃないだろう。君は人が死ぬのを嫌い自分を盾にしたよね?あの時と同じように自分を使って戦いを止めようとしたんだろ?」
「!」
ジョミーはトォニィを睨みつけた。
「そ…それは」
「だったら。君はブルーを助けたいんじゃないのか?」
「……」
「ジョミーの代わりにキースの軍と対峙したと聞いた。キースは怖かっただろう。味方なら良いが、あいつは僕でも敵に回したくない」
「…怖かった。怖かったけど…。シドが居た。一人じゃなかった。軍を少しでも僕に引きつけてニュクスから目を逸らすのは僕からやるって言ったんだ。だから」
「でも、それは、キースに罪を犯させないんじゃなくて、キースが罪を犯さなかったらブルーもって事だろ?ブルーも助けて欲しいって思いからじゃないのか?だったら同じだろう」
「助けたい…。助けたいよ。でも、僕にはその方法すらわからないんだ」
「僕も助けたいと思う。僕にも方法はわからない。この気持ちは同じなんだ。それは疑わないで欲しい。それに、ジョミーは拘束でもしない限り目が覚めたらすぐにでも動くだろう。僕はその前に知っておきたいんだ。また何もしないでこのままジョミーを見送るのはもうしたくない。それだけは嫌なんだ!」
「……」
「…トォニィ」
隠れて聞いていたシドは思った。
トォニィも同じ気持ちでいたのだと…。
ソルジャーは強くて、何でも出来て、何でも自分の思い通りになる。そんな存在だと思ってい時があった。「何も出来ないし、弱いよ。同じ人間だもの」とジョミーがよく言っていたのを、本心からは取り合っていなかった。
僕は傍に居て、三人のソルジャーの姿を見ていても、まだどこかで彼らは強いから別格なんだと思っていた。
彼らの苦悩も努力も全て見てきた筈なのに…。
『知っていて何もしなかったのか?』
僕は前にどうしてジョミーばかりそんな目に遭うのだとトォニィに怒りをぶつけた事がある。
あの時、自分の身を斬りながら生き、皆を守るのがソルジャーなんだと、トォニィも思っていたに違いない。
でもそれは間違っているとトォニィは気が付いたんだ。
「こんなんじゃダメだ」と言っているトォニィを見た事がある。
今、僕が二人のソルジャー為に、ジョミーやトォニィに出来る事は何なんだろう?
「だから、知っているのは、多分、キース・アニアンだけだと思う」
ソルジャーズのジョミーがぼそっと言った。
「彼も知らないと言っている」
「記憶を消されて…?」
「多分ね…」
「どうしたら…」
「ソルジャー・トォニィ。僕の所にジョミーが調べていたセドルの情報があります。セドルはキースと通じていました。そこから何かつかめるかもしれませんよ」
シドは二人の前に出て行った。
僕はジョミーを助ける為にトォニィの所へ行きます。
今は、自分が良いと思う方へ。自分の出来る限りの事をしていこうと思うシドだった。
続く
※短くてすみません><
キリが良い所がここしか無かったので、ごめんなさい。
次はバレンタインSPかな?
なかなかHな展開にならない…^^;でも、だからって不本意なのは…。
って事でSPで遊べたらと思っています。
本編はシドの話がもう少しきます。
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