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琉球弧の島々を飛ぶ (32) - 黒島・宮里海岸

2009-09-05 | 沖縄
“牛の島”として有名な黒島は、のんびりと時間が流れるハート形の島。
人口約220人に対して、牛の数は3000頭を越える。

島最大の行事である「豊年祭」は、島の西海岸に位置する、宮里海岸で行われる。

すべての穀物が収穫を済ませた旧暦の六月、今年の豊作を海の彼方「ニライカナイ」の神に感謝するとともに、来年世(やいねーゆー)すなわち翌年の豊穣を祈願するため、島を挙げて行われる。
ハーリー「爬竜船競漕」は、祭りのメインイベントであり、他の地域にはない独特のもの。

その昔、各島では琉球王府の命令により、農作物の増産督励を目的とする作付け面積を競う原勝負(ぱるすーぶ)が、年中行事として行われていた。
ある年のこと、黒島では、原勝負が引き分けとなったため、広場での綱引き、はては海上での船漕ぎ競争にまで持ち込まれ、ようやく勝敗を決したといわれる。
ところが、その年はかつてない程の豊年満作となり、それ以来、黒島の人々は、世果報世(ゆがふゆー)、弥勒世(みるくゆー)は、大渡(うぶどぅー)、海渡(いんどぅー)からもたらされるものであると固く信じ、世請い(ゆーくい)神事としての豊年祭を、海上における爬竜船漕ぎを中心に行うようになったという。

午前のハーリー終了後に奉納芸能が始まり、初めに“ミルク”の神様が来訪する。
八重山の豊年祭にはミルク様が現れるものが多いが、海辺でミルク様が舞う島は他になく、白砂のビーチと紺碧の海を背景に大変絵になる。

その他様々な芸能が、神に奉納され、島は、一日祭りでにぎわう。
観光客も他の島に比べて少なく八重山で一番自然の残っている島かもしれない。
また黒島の海は八重山でもトップクラスの美しさといわれ、産卵のためにウミガメが上陸してくる。

のんびりとした牛と海亀の島…



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