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梅雨の晴れ間に山陰海岸を飛ぶ (8) - 大山(だいせん)

2009-07-16 | 中国
梅雨空の晴れ間、白い雲の隙間に大山の印象的な稜線が見える。
大山は中国地方きっての名山であり、古くから修験の場でもあった。穏やかな準平原状の山が多い中国山地にあって、アルペン的な山容はひときわ異彩を放っている。
大山は通称『大山』という山頂は無く、縦走路西から弥山、剣ヶ峰、槍ヶ峰等のピークが続く。伯耆(ほうき)富士の名も持つが、富士山型の姿は西側から見るときだけで、東西方向に鋭くそぎ落とされた峻険な稜線を持つため、南北及び東面からは荒々しい姿となる。

志賀 直哉は、唯一の長篇小説『暗夜行路』で大山を描いている。
祖父と母との不義の子として生まれた宿命に苦悩する主人公時任謙作が,やがてある平安の境地に達するまでの内的発展の過程を描く。
心身の疲労の果てに迎えた「夜明けの大山」を目にし、謙作は苦悩から解脱し安らぎの境地に入る。


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