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Terra Australis Incognita “未知の南の土地”  を飛ぶ - (12)

2013-11-03 | 海外


先住民族問題を抱えるオーストラリアは、2000年のシドニー・オリンピックで、アボリジニのキャシー・フリーマンを聖火ランナーの最終走者に起用したことで、白豪主義(White Australian Policy)から「異なる民族の融合と共生」という多文化主義(Multicultural Policy)への転換姿勢を強く印象づけた。




2008年、ラッド首相は、過去の政権が先住民アボリジニに対して行った隔離政策について、「誇りある人々と文化が受けた侮辱を申し訳なく思う」などと公式に謝罪した。


しかし、現在でもアボリジニが抱える問題が存在することは事実であり、これから解決すべき課題とされている。





同じような先住民族問題は、米国、カナダ、ニュージーランドも抱えている。1995年には、英のエリザベス女王が、ニュージーランド先住民(マオリ)との土地紛争に関して謝罪。カナダ政府は2008年、先住民のイヌイットに対する同化隔離政策に関連して、先住民族を「深く傷つけてきた」ことを認め、公式に謝罪(米国政府は、先住民にも黒人にも、いまだに謝罪していない)。

もちろん、日本も差別問題に無縁ではない。アイヌ民族問題をはじめ、国内だけではなく、周辺諸国との関係においても、歴史的な問題を抱えている。


画像中央右側は、シドニー・ハイドパーク(Sydney Hyde Park) にあるジェームズ・クック銅像。画面上の建造物はオーストラリア博物館(Australian Museum)。