ヨーロッパ・アルプスにちなんで、初めて“日本アルプス”という言葉を使ったのは、イギリス人のウイリアム・ゴーランド(William Gowland, 1842-1922)である。
ゴーランドは、1872(明治5)年、明治新政府から招聘を受け大阪造幣局の冶金技師としてやってきた「お雇い外国人」であり、本務の傍ら、登山家として槍ヶ岳等の名山にも数多く登り、著書『日本案内(1881年)』で飛騨山脈のことを「日本アルプス」と呼んだ。
後にW・ウェストンが赤石山脈を「南アルプス」と呼び、更にその後、小島烏水が木曽山脈を「中央アルプス」と名づけたといわれている。
飛騨山脈は今では「北アルプス」と呼ばれ、中部山岳地帯に連なるこの三つの山脈を総称して「日本アルプス」と呼んでいる。