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クルンテープ、「天使の都」 - タイ・バンコク (8)

2012-01-25 | 海外

急激な都市化のため、バンコクの街の縦横にあった運河や水路が埋めたてられ道路にされた。
舗装面積の急増で雨水の浸透量が減少し、水路からあふれた水がなかなか引かなくなった。

また、工場の乱立によって工業用水用に過剰な地下水の汲み上げがもたらした地盤沈下も激しい。

こうして、大雨の都度、上流からの水は運河や水路などの流路をうしない、道路や街にふきだしあふれはじめたのだ。

さらに、タイではタクシン政権時代、灌漑の整備が打ち出されたが、2006年に軍のクーデターで政治的混乱に陥り、タクシン派と反タクシン派の政治抗争がつづき治水対策が放棄されてきたという(バンコク・スワンナプーム空港を占拠した「黄シャツ」と「赤シャツ」の対立は記憶に新しい)。



今回の洪水被害の最大の要因は、誰もが指摘するように五十年に一度という豪雨による降雨量であることは確かだが、それだけではない。やはり、天災というよりは“人災”、または“政災”の側面が大といえるのではないだろうか。