つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

秋日和 散歩日和の 津幡町。

2020年11月15日 14時59分50秒 | 自然
     
「日本には四季がある」--- と言われる。
その要因の一つは、列島を取り巻く気象条件だ。
冬はシベリア高気圧、夏は太平洋高気圧が天気の鍵を握る。
どちらも停滞して盛衰を繰り返すタイプで、
それぞれの季節中は、気候が安定しているとも言える。
但し日本海側 --- 特に北陸の冬は別。
冷たい高気圧に、海の湿気をたっぷり吸い上げた低気圧がぶつかるため、
とても不安定だ。

一方、春と秋の主役は「移動性高気圧」。
後ろに低気圧を従え西から東へ、大陸から訪れて太平洋へと抜け、
周期的に天気を変える。
俗に「秋に3日の晴れなし」とされる所以(ゆえん)だ。

大陸生まれの移動性高気圧は比較的乾燥していて、
空気中の水分が少なく、覆われるとすっきりと晴れる。
例えば今日がそれだ。



お隣・富山へと続く「津幡北バイパス」舟橋JCT側道。
青空には刷毛ですいたような薄雲。
実に気持ちのいい秋日和である。

山を切り拓いた雑木林には、チラホラと赤が混ざる。
今年は全国的に11月の平均気温は平年並み。
12月は平年並みか低い予想。
色づきの進み具合はスローペースになりそうだ。





コチラも秋の赤 --- アキアカネ。
朝早く気温が低いためか動きが鈍く、接写できた。
ピンと伸びた翅の脈が美しい。
近くには産卵に最適な、刈り取りの終わった田んぼがある。
子孫を残し終わったのだろうか?
それとも、これからパートナー探しだろうか?
いずれ、成虫になったトンボの寿命は3ケ月程度。
そろそろ命を全うしようとしている。



低温で動きが鈍い生き物をもう一つ --- アマガエル。
朝露が付いた葛の葉に貼り付き動かない。
アマガエルの寿命は5年以上。
割合大きな個体だから生まれて3年は経っているだろうか。
肉食で秋までは活発に動き回り、
やがて地中で眠りに就き、冬をやり過ごす。
春になったら、また会いたいものだ。
どうか、達者で。



ひとしきり辺りを観察した帰り道、街路樹から落ちたドングリを発見。
実りの秋である。
ドングリができるのはブナ科の樹木だ。
撮影した実の上には、常緑樹らしい立木が枝を伸ばす。



葉がやや大きく、縁(ふち)にギザギザがある。
枝の出方に一貫性がなく、幹に横に走る割れ目が多い。
いわゆる「ドングリの木」の代表選手で、
街路樹・庭木としてもポピュラーな「アラカシ」か?



最後に、わが散歩の連れ合い「りくすけ(犬)」のスナップ。
盛んに匂いを嗅ぎつつ足取り軽やか。
散歩日和で、コイツも嬉しそうだ。
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火の用心と熊用心。

2020年11月14日 14時45分05秒 | 日記
      
心を用(もち)いると書いて「用心」。
何かに心をくばる、気をつける、注意・警戒を怠らない事だ。
これから、特に2つの用心が肝要である。



まずは「火の用心」。
(画像:津幡町消防本部前)

俗にいう“江戸三大大火”。
明暦の大火、目黒行人坂の火災、丙寅の火災は、いずれも冬季に起こっている。
中でも明暦の大火は、江戸の町をほとんど焦土と化す大災害になった。
一件の火災としては、日本史上、焼損面積最大、死者数最高。
363年が経つ現在も、その記録は破られていない。

もちろん、当時と今では事情が違っているが、
消防庁が季節ごとの出火件数をまとめたデータによれば、
12~2月に年間の出火件数のうち3割近くが発生。
空気が乾燥する冬、湿度が低いとモノは燃えやすい。
寒くなるにつれ暖房器具を使う機会が増えて、火のあるところに煙が立つ。
分かりやすい道理だ。



明日(2020/11/15)までが「秋の全国火災予防運動」期間中。
街角の啓蒙ポスターでは「森七菜(もり・なな)」ちゃんが、注意を促している。
<その火事を 防ぐあなたに 金メダル>
標語は時世のアヤで空振りだが、可愛らしい微笑みに免じて良しとしたい。
防火への注意は、これからが本番である。



続いては「熊用心」。
(画像:津幡町役場内の見回り警告マグネットステッカー)

全国各地でクマの出没が増えている。
国の集計では2020年度上半期で1万3670件に上る。
2019年度は1万8314件。
2018年度が1万2809件。
最多記録更新中だ。
石川県は10月にクマに襲われた負傷者が10人。
商業施設に侵入したり、市役所がある中心街、学校の中にまで出没。
全国版ニュースにもなったから、ご覧になった方もいるのではないだろうか。
わが津幡町内でも目撃情報が出ている。

かつて、人家集落周辺の「里山」と呼ばれる山林は、
生活資材や製炭の薪をとるため定期的に伐採され、熊の生息地には向いていなかった。
しかし、昭和40年代後半を境に状況が変化。
燃料はガスや石油へ転換し、建築用の木材は海外から輸入されるように。
放置された里山には木が生い茂り、緩衝地帯ではなくなった。
熊は人と隣り合わせに暮らし、交わる不幸が増えてきているのだ。

お互いにコロナと合わせて、ご用心。
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天上天下唯我独尊。~ガロとカムイ伝。

2020年11月08日 11時50分09秒 | 手すさびにて候。
     
かつて個性的な編集方針を貫く月刊漫画誌があった。
名前を「ガロ」という。

由来は“我々の路”⇒“我路”⇒ガロ。
社是は、作家の独自性を最大限に活かすこと。
売れるマンガかどうかは問題にしなかった。
商業性を排除したため、発行部数はピークでも大手の50分の1。
漫画家に支払う原稿料も薄給。
だが「描きたいものを描ける!」と、多くの才能が集った。

「水木しげる」、「つげ義春」、「永島慎二」、「池上遼一」、「内田春菊」。
「蛭子能収」、「佐々木マキ」、「滝田ゆう」、「矢口高雄」、「小島剛夕」--- etc。
執筆陣を見渡すと、ビッグネームが並ぶ。
皆「ガロ」を足掛かりにデビューを飾り、漫画界を牽引して、
読む側、描く側のすそ野を広げた。
その白眉が「白土三平(しらと・さんぺい)」である事に異論はないだろう。

ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載、第百五十八弾は「カムイ伝」。



そもそも「ガロ」誕生のキッカケは、
「白土」の新作忍者時代劇構想 ---「カムイ伝」を実現するため。
貸本漫画(※描き下ろしレンタル漫画)単行本を出していた出版社「青林堂」が、
斜陽を迎えた貸本スタイルに変わり、月刊雑誌を創刊。
昭和39年(1964年)7月、書店へ送り出した。

「カムイ伝」の舞台は、江戸前期。
階級社会の最下層にすむ人々の視点から、当時の生活・風習、差別の歴史・迫害等を描いた。
群像入り乱れる骨太のストーリー。
主人公の1人「カムイ」の秘術を駆使した忍者アクション。
青春と歴史ロマン、時代活劇など、見どころ多彩で、読みごたえ満点。
--- やがて「カムイ伝」は、カルト的な人気を獲得してゆく。
「新左翼系の学生」や「左派系知識人」と呼ばれる人達が、
“反権力”、“反差別”だとして、絶大に支持したのだ。

掲載誌である「ガロ」も恩恵にあずかるが、
「カムイ伝」の連載終了と歩調を合わせ、次第に下降線を辿る。
1980年代には、発行3,000部台にまで落ち込んだ。
殆ど同人誌?!とも言えるほどのマイナーぶり。
それでも、ノーギャラでも、作品を提供し続ける作家たちがいた。
そして、根強いファンたちもいた。
お陰で「ガロ」は20世紀末まで生き延び、
日本のサブカルチャーの騎手として、漫画史に名前を刻んだ。

オルタナティヴで、アンダーグラウンドで、アナーキー。
「ガロ」が放つ存在感は、まるで、孤独に戦う抜け忍「カムイ」を見る思いがする。

(※ガロ、21世紀も継続したが、版元の内部分裂、編集方針変更もあって割愛。)
(※カムイ伝、他誌で発表・スピンオフが出ているが、ガロの第一部連載に限定。)
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津幡短信vol.80 ~ 令和弐年 立冬。

2020年11月07日 17時21分10秒 | 津幡短信。
      
一年を24に分割し、それぞれに季節を表す言葉をつけた「二十四節気」。
本日はその1つ「立冬」だ。
ただ、二十四節気本来のカレンダーは旧暦(太陰太陽暦)。
今、僕たちが使う太陽暦(グレゴリオ暦)とは違うため、
冬の気配がたち始める頃と言っても、ピンとこない。
確かに寒くはなってきたが、冬本番まではもう少し時を待たねばならないだろう。

しかし、季節は確実に進んでいる。
津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。
今回は、冬を感じる以下の3本。

【深海からやって来た、冬の使者。】



きのう(2020/11/6)日本海の冬の味覚・ズワイガニ漁が解禁され、
今朝から店頭に初物が上った。

太陽の光が全く届かない真っ暗な世界。
水温は年中0~3℃。
海底が軟らかい泥で覆われた、水深400メートルあたりから、
底引き網で引き揚げられたカニたち。
石川県では、オスが「加能(かのう)ガニ」。
メスは「香箱(こうばこ)ガニ」という。



今朝、通りかかったスーパーマーケット「どんたく 津幡シグナス通り店」では、
特設テントで茹でガニを販売するため、早くから準備に余念がない。

【チェンジ、タイヤ。】



雪に縁のない地域の方は馴染みが薄いだろうが、
コチラでは、そろそろタイヤの履き替えをいつやるか思案しなければならない。
早めに備えておけばいいのは分かっているが、それなりに手間がかかる。
あまりにギリギリで雪に間に合わなければ、元も子もない。
寒くなるとコレがなかなか悩ましい。

【冬の桜、咲く。】



あらかた葉が落ちた立木に、数輪の桜っぽい花が開いていた。
たぶん「十月桜」だ。
この種は、秋~冬にかけてと、春。
一年に2度咲く。
立冬に薄紅色の八重桜は、取り分け人目を惹くのだ。

<津幡短信 vol.80>
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A Pretty Woman。~ モンスリー(追記アリ)。

2020年11月06日 20時13分42秒 | 手すさびにて候。
           
ここ一ヶ月近く、拙ブログでアクセス上位をキープしているのが、
未来少年は過去だった。~ ラナとモンスリー。(LINK有)」だ。

--- 投稿当時、世間はまだ猛暑の真っ最中。
現時点(2020/10/31)からすると、3ヶ月前の古い記事。
にもかかわらず、最近になって閲覧が増えているのは、
やはり「未来少年コナン(再放送)」がクライマックスを迎えようとしているからだろうか。
管理画面の「アクセス元ページ」には、
「検索:モンスリー」や「検索:モンスリー 画像」などの表記が目立つ。
--- 彼女が魅力的なキャラクターである一端が窺える。
上記LINK投稿では「ジト目の子供モンスリー」を描いてみたが、
この機会に改めて筆を執った。

ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載、第百五十七弾は「正調:モンスリー」。



(物語中では)西暦2008年に勃発した戦争によって、五大陸が水没。
その大惨事を免れ、辛うじて生き残った産業都市「インダストリア」が、
「モンスリー」の居場所だ。
彼女はそこで「行政局次長」というポストに就く、28歳の女性。

有体に言って、美人である。
また、思わず胸元に目が行ってしまうプロポーションの持ち主。
更に、各種機器の操作に優れ、格闘技にも精通。
文字通り「才色兼備」なのだが、キツイのが玉に瑕(きず)。
ストーリー序盤では、主役陣と敵対する実に憎らしい役回りだった。

しかし「インダストリア」の考え方に疑問を抱き、
指導者「レプカ」に反旗を翻す中盤以降は、劇的に変貌を遂げる。
前述のとおり元々魅力的なキャラに、恥じらいや優しさ、慈愛が加わって、
どんどん可愛らしくなってゆくのだ。

回を重ねる毎に、外見・立ち居振る舞いもキュートさアップ。
髪型がショートボブから、セミロングへ。
少し瞳が大きくなり、眉間からシワが消え、口角が上がる。
口調も穏やかになり、口癖の「バカね!」が「バカねっ💙」に昇華。

やがて、視聴者は気付く。
銃を振りかざして武装した部下を指揮したのも。
ヒロインの少女「ラナ」を誘拐したのも。
「コナン」の保護者を死に至らしめてしまったのも。
すべて、優秀・真面目で職務に忠実なあまり。
「モンスリー」の本質は、残忍・冷酷なコワい姐さんではないと。
そして、いつの間にか、すっかり彼女のトリコに。
オリジナル放送当時、中学1年だった僕も、その1人だ。

再放送を久しぶりにご覧の方は、自身の追憶と共に。
再放送で作品を知った方は、ファン心理と共に。
「モンスリー」への思いを募らせているのではないだろうか?!

次回放送(2020/11/2未明 00:10~)が最終回。
タイトルは「大団円」である。

〈2020/11/06追記〉

NHKは「大阪都構想 開票速報」が長引き、録画失敗が多発した
「未来少年コナン リマスター版」最終話の再放送を決定。
僕もしくじった一人で残念に思っていたが、これで一安心。
サンクス!国営放送!
期日は、22日(日)午前2時35分(21日土曜深夜)から。
総合テレビでオンエアーだ。

コメント (2)
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