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つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

河北潟 葦原鳴らす 秋の風。

2021年10月23日 08時29分29秒 | 自然
                   
さほど遠くない過去のある日。
それまで空を覆っていた雲が途切れ、
晴れ間が広がってきた遅い午後のことである。
アクセルを緩め側道に停車した僕は、空へ向けシャッターを切った。



巻雲(けんうん)。
層積雲(そうせきうん)。
層雲(そううん)。
積雲(せきうん)。

高度10,000m~2,000m以下まで、
肉眼で視認できるだけでも4つある。
地上に比べ余程強いであろう風に吹かれ、姿を変えながら流れる「雲の宮」。
しばし、自然が描く豪放磊落(ごうほうらいらく)な空の景色を楽しんだ。

--- さて、車を走らせていたのは、かつて水底だったところ。
「河北潟(かほくがた)干拓地」内である。

拙ブログに度々登場している「河北潟」は、
かほく市~津幡町~内灘町~金沢市にまたがる水辺。
南北に長い石川県のほぼ中央に位置している。
昭和38年(1963年)に着工した国の干拓事業以前は、
現在の3倍、23平方キロの広大な汽水湖だった。

当時、周辺は多様な水域を有する水郷地帯。
漁業が盛んで、フナ、ナマズ、スズキ、ボラ、ライギョ、コイ、キスなどが捕れた。
舟を収容する小屋、家屋も「葦葺き(ヨシブキ)」の屋根が主流。
また、雪囲い、日除けなどの材料として、湖岸に生えるヨシは大切な生活資源。
人が手を入れて管理する葦場(ヨシバ)があったという。



上掲画像の撮影場所は「石川県津幡漕艇(そうてい)競技場」。
1,500mのコースを6つ確保できる。
今も競技会が行われるそこは、
地元・津幡高校ボート部や金沢大学漕艇部などの練習場所。
各種合宿も行われている。









しばらく湖面を眺めていたら、4人漕ぎの「シェル艇」を担いだ一団がやって来た。
水面に艇を下ろし、人が乗り込み、桟橋を離れる。
水音はまったく聞こえない。
葦の穂先が風に鳴っている。
西に傾き始めた陽に照らされ、艇は静かに滑り出した。
まるで、それ自体が生きているように。



明日(2021/10/24)午前9時から、河北潟自然再生まつり2021が開催される。
(※下線部、赤文字リンク有り)
興味があり、時間と都合が許すなら足を運んでみてはいかがだろうか。     
                

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