つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

期間限定の不安定な小宇宙。

2015年06月07日 08時34分53秒 | 自然
津幡川に「浮島」が漂っていた。
画像では、右から左へと動いている。



辞書によれば浮島の定義は以下のとおり。
「湖や沼などに浮かんでいる、島のようなもの。
 泥炭や植物の枯死体などの集まりで、
 植物が生えている場合もある。」

…なるほど。
撮影したそれは、典型的な例だと言えるだろう。

想像するに、最初は一本の枝だったのかもしれない。
上流の何処かで、誰かが手折って捨てたのか、
あるいは風雨で折れたのか、ともかく一本の枝が樹から水面に落ちた。
淀みに捕えられた枝の周囲に漂流物が集まり、
徐々に面積が広がってゆく。

やがて、風に乗って運ばれてきた草の種が島に落ち、芽を出した。
水面下では、プランクトンやエビ、ヤゴ、カワムシなどが暮らし始め、
それを目当てにフナやコイもやってくる。
事実、周囲では魚影も見え隠れしていた。
こうなれば、立派な「命の寄り辺」…「一つの世界」だ。

しかし、漂着物が一定の質量を超えたところで何らかの外的要因が働き、
流れに乗って動き出してしまった。

浮島の行き着く先は「崩壊」。
下流には「川尻水門」が待ち受けている。
門が閉じていたなら、
他のもっと多くの漂流物によって押しつぶされてしまうだろう。
門が開いていたなら、
圧倒的な水流に巻き込まれて砕かれてしまうだろう。

その時、浮島を頼りに生きる命はどうなってしまうのか…?
想像に難くない。

運命とは、残酷なものだ。

では、また。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 美の価値観。~初夏に晩春を... | トップ | 普段からの不断の努力。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿