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つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

もののあはれ。

2020年09月12日 15時26分41秒 | 日記
拙ブログのタイトル「つばた徒然@つれづれ津幡」は、
「吉田兼好(よしだ・けんこう)」が著した「徒然草(つれづれぐさ)」に着想を得ている。

筆者は、鎌倉末期~南北朝時代に生きた人物。
「徒然草」は、彼が気の向くまま思いつくままに、物事を綴った随筆集。
ちなみに「徒然」とは「差し迫った用事がなく、手持ちぶさたな様子」。
「草」は植物でなはなく「帳面(ノート)」とでも言えばいいだろうか。
--- その19段目は、こう書き出している。

<折節のうつりかはるこそ、ものごとにあはれなれ。>
(季節の移り変わりこそ、何事につけても味わい深いものだ。)

「もののあはれ」は、何かに気づく事によって心に生まれ出る様々な感情。
能動的ではなく、受動的に心を動かされること。
日々の散歩では、そんな「もののあはれ」に遭遇するのは珍しくない。
今回は、最近接した一端を紹介しようと思う。


津幡銀座中央商店街のワンコディスプレイ、今月は「祭り装束」。
初秋の獅子舞を意識したものだが、既報のとおり今年はコロナ禍により開催中止。
せめてもの慰めだ。
犬たちの背後のポスターには「祈り」が認め(したため)られている。

本来なら、一週間後が本番だった。


津幡小学校裏にある廃屋(と思われる)。
一階出入口付近は蔦(つた)が覆い、二階の窓からは破れたカーテンや廃材が見え隠れ。
人の手がかかららくなり年月が経った様子が見て取れた。
僕は、ここが「現役」だった頃を覚えている。

消えかかった「高級呉服」の文字が、哀愁を誘う。


「ファミリーマート本津幡駅前店」傍の配電盤。
同店開業当初、前チェーンブランドのお手製ガムテープ看板である。
アメリカ・アリゾナの夕景を表した「K」のロゴが、
町内~国内から消えて、もう3年近くが経つ。


このポスターも、あと数日で世の中から消えるだろう。
積み残された責任を果たしてくれるのは、誰なのだろうか?

折節の移り変わるこそ、ものごとに憐れなれ。
コメント
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