つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

あはれとも いふべき人は思ほえで 身のいたづらになりぬべきかな。~ロリータ。

2018年09月01日 05時56分02秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載・第九十一弾は「ドロレス・ヘイズ(ロリータ)」。

世の中には「若さ」に価値を見出す人達がいる。
セーラー服やランドセル、未発達な肢体と心に執着する人達がいる。
いわゆる「ロリコン」だ。

ロリータ・コンプレックスは、
亡命ロシア人作家「ウラジーミル・ナボコフ」が著した小説『ロリータ』が原典。
作中で少女に恋した、主人公の中年男性になぞらえ、
「ローティーン(以前)の女性に特別な感情を抱く」ことを意味する。
その粗筋は、概ね以下の通り。

大学教授の「ハンバート」は、死別した初恋の相手が忘れられずにいた。
一度は結婚するものの失敗に終わったある日、
幻影の少女に面影が似た12歳の少女「ドロレス・ヘイズ」(愛称:ロリータ)に出会い一目惚れ。
「ハンバート」は「ロリータ」の母親と再婚。
つまり、意中の相手に近づくため、義父となった。
その後、連れ合いが不慮の事故で亡くなると、2人は旅に出る。
およそ一年に亘って、アメリカ中をドライブするうち、2人は男と女になった。
しかし「ロリータ」は、恋人になることを拒否し続け、姿を消す。
「ハンバート」は、その消息を追って再び全米を放浪する。
3年後、ようやく探し当てた彼女は、若い男と結婚し子供を身ごもっていた。
絶望した「ハンバート」は、過剰に変貌。
男を射殺し、逮捕され獄中で病死。
「ロリータ」も、難産に耐え切れず息を引き取った。

小説「ロリータ」は、その性描写や残酷な結末ゆえ“ポルノ”、“問題作”のレッテルを貼られ、
作者独特の比喩表現や言葉遊びから“難解”とされてしまう。
だが、稀有な文学なのは、誰もが認めるところではないだろうか。

前述の「ロリータ・コンプレックス」以外にも、
小悪魔的な魅力を持つフランスの歌手や女優を指した「フレンチ・ロリータ」。
少女性を映し出した絵画、写真・映画などの芸術文化「ロリータ・アート」。
フリルやレースを多用したお人形の如き「ロリィタ・ファッション」。
・・・などの言葉と文化の潮流は、難解な問題作なしに生まれなかった。

僕に、ロリータ趣味はない。
しかし、少女に「特有の美」があることは認める。
そして、「ロリータ」が魅力的な少女だという事も否定しない。
コメント
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