六甲1号の出撃にっき

撮影ロケの出撃模様のほか、日々の雑感なんかも綴ったものです。

旅迷人のサロンカーあかつき撮影

2016-11-28 |  出撃 at 九州地方
 大阪-長崎間に特急〔あかつき〕が1往復限定で復活する!
 11月25日の夕方16時に大阪を出て、長崎には翌26日朝10時ごろ到着か・・・それを知った9月からこの日の出撃を待っていました。
 今週は24・25日が休みで26・27日は出勤日でしたが、早期に26日に年休を入れて休む体制満々。
 あとは気になるお天気だけ。最悪の雨天出撃取り止めに備えて山陽新幹線のおとなび切符は使わずに、直前でも買える阪九フェリーか夜行バスで往復することに。

 24~25日も丸一日休みで特に急がないので、23日の夜に神戸を出発し阪九フェリーで北九州入り、翌24から26日までの3日間は九州内を乗り降りするため、「旅名人の九州満喫きっぷ」で回り、3日目は切符を使わずレンタカーで回るかも知れないのですが、1日分余ったら、12月に青春18きっぷと絡めてまた九州へ来ればいいやと考えます。

 本番以外の前2日間はまだ撮影したことのない場所で適当に列車を撮影することとしました。

 .強い冬型の影響が
 寒気を伴った強い冬型の気圧配置で「東京でも11月に雪が積もり、転倒して多数の怪我人が・・・」とかいうお笑いニュースがやってたらしいのですが、西日本も強い北風が吹いて撮影にも影響を及ぼしております。
 24日の前半はEF81貨物の撮影へ、快速電車で鹿児島本線を南下し晴れている大牟田から更に南へ、結局熊本県に入りました。強い風で雲が次々と流れて来ますが、比較的安定した内陸の植木で下車。

 EF81 454牽引の1063レ、取り立てて何という特別な場所でもなく平凡な場所なのですが、午後の下りを順光で写す場所って以外と無いもんです。
 続いて何処へ行こうか?そのまま南へ南へと南下します。

 やって来たのが肥薩おれんじ鉄道の上田浦、青春18きっぷと違って旅名人の切符は私鉄も乗り放題なので、気軽に乗れます。
 上田浦に来たのは、まだJR鹿児島本線の時代に、475系の国鉄色を撮りに来て以来の12年ぶりの訪問となります。

 新たなアングルはないかと歩いて見つけた場所から狙いますが、風が強くてとにかく寒い。謳い文句の「穏やかな有明海」とは打って変わって白波が立ち、護岸に打ち寄せた波しぶきが垂直に跳ね上がって線路までかかるほど。

 2・3アングルほど撮影して、17時過ぎで日没により終了。日暮れが早いこれからの季節は嫌ですね。

 .まだ続く冬型の影響で迷う
 25日は
 ・翌26日の撮影の関係であまり南へ下りられないし、
 ・SL人吉は運行を終えているし、
 ・ななつ星は今日は電化区間しか走らないし、
行先に迷った挙句、佐賀・長崎県内で何処か撮る所は有るかと考えた結果、切符の利点を活かして松浦鉄道へ行くこととしました。
 ここは国鉄時代の松浦線を1981年に訪れて以来の実に35年ぶりの訪問となります。
 佐世保線で下って有田から松浦鉄道に乗り換えたのですが、全然天気が晴れて来ません。昨日の熊本の方が晴れていたのに。
 やはりこの辺りは日本海性の気候の種類に区分されるのでしょうか?

 伊万里市内のモスバで1時間ほど朝食がてらに待機した後、歩いて20分ほどの場所で鉄橋を渡る列車を撮りに来たのですが、10時を回って雲の隙間が見えたものの結局日が当たりませんでした。おまけに河川改修工事の最中で、橋脚部分に作業船の衝突防止用にオレンジ色の目立つ防護ガイドが目障りになります。
 来年以降ここでリベンジしたいと思います。と言って次いつ来ることやら。

 なかなか晴れないので松浦鉄道は乗り鉄をすることにします。

 伊万里で並ぶ有田行きと佐世保行きの列車。ここから佐世保まで2時間半かかりますが、ゆっくりと車窓を愉しむことにします。
 伊万里を11時台に出る列車とあって、車内は7~8人の乗客のみ、平日の昼前だとこんなものでしょう。

 車窓を愉しもうとしたものの、松浦鉄道って意外と海を入れた場所がなく、車窓からきれいに海が見える場所もごく限られています。撮影場所を探すも、今一つな場所ばかりか?

 途中の松浦から期末試験なのか早めに下校してきた高校生が一杯乗ってきて、車内が一気に賑やかになります。
 もうこれだけしかないという乗り鉄する唯一の楽しみになってしまっています。

 その学生達も駅ごとに降りていき、平戸口で最後の数人が降りると車内はついに3人だけになります。
 大きな荷物を持った婆さんと、グラサンの怪しいオッサン、それに私だけという、ほぼ空気輸送状態。

 ようやく天気が安定してきました。しかも車内は暖かいのでここからはお眠だったのと、数駅間の空気輸送のあと、佐世保に近付くにつれて車内が混んできたので写真も撮ることなく佐世保に到着、大村線の列車に乗り継ぎます。
 大村線に乗ってやって来たのが千綿駅。
 
 何ですか?この女子たちは。何かのドラマのロケ地にでもなったんでしょうか。「海沿いの誰も居ない小さな無人駅」の雰囲気や何処へ行ってしまったという有様で、完全に観光地化しています。中国語が飛び交っていなかった事だけが幸い。
 そんなことには目もくれず(いや、撮っとるやんかい!)、撮影予定の列車に間に合うように急いで駅を出て撮影地へ向かって歩きます。

 新たな撮影場所を見つけて撮ってみたのですが、ちょっと光線が厳しいですね。夏場だともう少し北側に回り込んでくれるのですが。なので、これ1本だけ撮って駅へ戻ります。

 駅へ戻って次の列車を待っていると時刻表に載っていない反対方向への通過列車が。
 あれ~、今日は或る列車がある日なのね。(ここで笑わないと、もう笑う所ありませんよ~)

 急いで新コンデジを取り出して海沿いを走るシーンを望遠で狙います。

 日も落ちはじめ、車で駅へ訪れていた人たちはそそくさと帰り、列車で来ていた2グループ計8人の女子たちが残ったのですが、何故か皆な関西弁でした。

 夕陽が沈む大村湾を見ながら諌早へ向かいます。これなら明日は晴れるでしょう。

 .いよいよ本番のサロンカー撮影
 週間予報では雨予報だったのと、列車のルートや時間が分からなかったので、3日目はレンタカーで機動力を活かして、万が一に備えようかとも思ったのですが、大村線も長与も経由しないのが分かり、時間的に追っかけも難しい(出来なくはないが、無理して追っかけてもロクな場所で撮れない事が多い)ので、3日目も鉄道+徒歩でサロンカーは1発狙いとしました。

 長崎本線の上り1番電車に乗り、小長井付近で夜明けになります。今日は晴れを確信します、光線が確実に順光な肥前大浦の漁港へ行くことにし、置きゲバで既に激パらしい白浜の俯瞰場所は側面が影るのでパス。

 肥前大浦で長崎側から来た鉄っちゃん達(自分も含めて)が大量に下車。白浜組と漁港組に分かれます。漁港の撮影地に7:20到着、15人程がいましたが、この写真を撮った8時には倍の30人近くに増えていました。

 特急〔かもめ〕などで大体の列車の長さを予測してアングルを調整します。
 キスマイの885系6両が通過、これに2両半分の長さになる感じでしょうか。

 漁船や港湾作業も居ないので静かな港でまったり佇む中、
 8:32 ポ~っと汽笛が鳴ってシャッター音の嵐に。
 いかにも長崎本線を走る感じの写真にしたいので、風景重視で撮ります。

 もう1台の三脚にセットしたコンデジ動画は真横に近い角度で撮り、無事順光でサロンカーあかつきをゲット。
 このために3日前に神戸港を出てきたのが報われた瞬間です。

 .予定外の副産物もゲット 
 撮影後は国道を歩いて駅まで戻ります、わナンバーが次々と脇を通って行きますが、もう追っかけは無理じゃないですかね?

 肥前大浦からは下り諫早方面の列車は5時間ほど来ないので、長崎から来た鉄っちゃんたちも一旦肥前鹿島まで普通に乗って、そこから特急で諫早まで折り返すとのこと。そのため、ほぼ全員が上り列車の到着を待ちます。その間に白いかもめが離合。

 途中肥前山口まで帰ってきた所で、1時間半待ちで下りの〔ななつ星〕が通り掛かるので撮影、上空少し雲が掛かってきました。駅に戻った12時半には完全に雲っていました。

 帰りも阪九フェリーなので、小倉に18時半までに着けばよく、その間どうしようかと思いながら鳥栖行きの電車に乗っていたら、沿線に撮影者が。
 何、返しの回送列車、昼間に走るんか!
 そう、引き上げの回送列車はてっきり間に合わない時間帯とかに走るものと思っていたのですが、沿線で何人もの撮影者がいるので、慌ててツイートなどで目撃情報を検索、既に諌早近くまで来ているようです。
 これは撮らなくてはならない。何処で撮るか?天気はどんどん雲ってきています。もう光線を気にせず場所を選べます。
 そこで駅から歩いて近い伊賀屋-佐賀間の田んぼでスタンバイ。この角度だと晴れるとド逆光ですが、雨が近づいてるようで、かなり暗くなってきました。
 佐賀駅で特急を待避したとのことで、通過時間の見込みもついて、特撮+動画2台+一眼の計4台で待ち構えます。

 14:42 無事に上りの回送列車が通過していきました。鉛色の雲の下、発色云々言えた環境じゃありません。
 予定外の回送列車まで撮れてこれで満足満足。回送列車が曇ったので完全勝利とは言えませんが、当初の週間予報が雨予報を出す中、迷った中でも九州へ遠征した甲斐がありました。鳥栖から快速に乗るとしばらくして雨が降ってきたので、天気予報も一応は当たったことにしてあげましょう。

 これで旅名人の切符を3日分とも使い切ってしまったので、12月に予定していた九州再訪問は白紙に、次の九州訪問は来春3月辺りになるかも知れません。

   お ま け  
 今回九州へは往復ともに阪九フェリー神戸便「やまと」を使いました。
 これは九州1日目の旅程に余裕があるため、小倉を8時回っての出発でもよければ、このルートが青春18きっぷを使う時よりも安くなる場合があります。今回はもちろん18きっぷ期間外なので、格安バスを除けば最安。
 往路は連絡バスでも六甲アイランドに乗船開始前に着けるので、乗船口に先頭に並んでおけば、自由席の窓際のコンセントがある場所を確保できるのですが、上りの新門司発の場合は、連絡バスがターミナルに乗船開始時刻の15分後に到着するため、窓際の確保はほぼ不可能と思われます。しかも翌27日は仕事なので、ぐっすり休もうという事で初めて個室を取ることにしました。

 2等指定B(右側の写真) というもので、値段も2等自由席に2,060円(事前割引価格)足すだけとリーズナブルなので、前日に2等の予約から変更しました。

 いよいよ個室に入ります。
 この個室は窓がなく、ベットと救命胴衣を入れた箱がついた机などのスペースがあるだけなので、閉所恐怖症の人にはとても恐い折檻部屋みたいなものです。しかも扉の下が数センチの隙間があって、音が漏れるのでいかがわしい行為もできません。なので完全プライベードではなく、90%プライベートって感じでしょうか。

 部屋の構造は廊下から入ると両側に個室が5室ずつ合わせて10室あり、それが全部で10区画、つまり100名分あり、本来ドライバー室として使っている部屋を20室分だけ一般旅客に供用しているものです。

 小雨降る北九州を後に神戸へ向けて出航。

 週末だし送迎バスが3台も出たことだから自由席も混んでるだろなと思って回ってみると、なんと、5区画開放された自由席のうち、1番奥の区画は誰も乗っていません。残りの区画も夫婦1組で貸切が1画、あとは家族連れで使用などガラガラ。金曜と日曜に挟まれた土曜なので、この状況でしょうか?ちなみに残りの区画は全て団体で埋まっていました。
 マジすか! これなら1人で貸切占領できたのに~。(結局朝までこの部屋は空気運んでおりました。)
 さて風呂にも入って長旅のヨゴレも落として、23時には爆睡していました。

 翌朝明石海峡付近で目覚めましたが、雨に煙って視界が悪く、神戸の街も霞んで見えません。

 定刻より10分ほど早く六甲アイランドに着岸し、今回の旅も終わります。

 往復12,000円+九州内10,800円+の遠征コスパやこれ如何に。 
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