リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

193. 16回目のドイツ旅行(5) ニュルンベルクからバンベルクへ  

2019年11月09日 | 旅行

 ▶今日もまたリーメンシュナイダー・ツァー



◆2019年7月20日(土) 特急列車で2つの都市を回りました。

 昨夜から、Wi-Fiが繋がらなくて気になっていたので、朝目が覚めたらすぐに試してみました。もちろんこのアパートのWi-Fiを設定すればメールのやり取りもできるのですが、出先で検索したり連絡を取ったりするために成田空港で借りてきたWi-Fiですから、いつでも使えないと意味がありません。昨日の昼間まではずっと順調に使えていたものが夜になって急に繋がらなくなったため、不安でした。朝になってもやはり繋がりませんでした。ここでやっとバッグの中に入っていた取扱説明書を見付けて読み、多分再起動すると大丈夫かもしれないとわかりました。パソコンでもスマホでもうまくいかないときは再起動をかけること。その原点をすっかり忘れていたのです。その通りでした。これで昨夜見られなかったメールも読めるようになって本当にホッとしました。

 今日は特急列車に乗って遠出の日です。ちょっと欲張ってまずはニュルンベルクへ、その後帰りがけにバンベルクにも寄ってこようというのです。京子さんの体調が気になっていたのですが、案外元気に毎日を過ごし、私よりも早くさっさと歩く方だったのに胸をなで下ろしての遠出でした。外は暑くて上衣要らず。

 ニュルンベルク中央駅に10:23に着くと、まっすぐゲルマン国立博物館に向かいました。2018年にはアダム・クラフトの特別展をしていましたが、今回はリーメンシュナイダーの作品があった部屋の改修に伴い、レストランの奥で特別展をしていたので戸惑いました。そこでは以前展示されていた作品が低目の台に置かれてオレンジ色の壁で取り囲まれていました。私には新鮮な感じもしましたが、ちょっと作品たちは落ち着かない気持ちがしているのではないかと思いました。京子さんは聖エリザベートを目の前でゆっくり見られたと大変感激していました。私は今まで何気なく見ていたファイト・シュトース作の「煮えたぎる油壺の中の聖ファイト」の横顔が案外落ち着いた顔をしているんだなとわかったこと、下の鏡のおかげで油壺の底までよく見えたこと、などが収穫でした。その後、常設展示をそれぞれ好きなように見て回りました。以前から三津夫と探していたペーター・デル(父)の作品がようやく見付かって、8月にもう一度ここへ来る楽しみが増えました。この日は一眼レフを宿に置いてきているので、次回は持ってくる予定だからです。レストランで京子さんと再会し、鶏肉のランチを頼んだらなんと大きな鶏肉だこと! しかも一人3切れもあるのです。食べきれない分は包んで持ち帰りました。

 せっかくなので聖ローレンツ教会にも回り、ファイト・シュトース作の「受胎告知」を見てから14:10の列車でバンベルクへ。

 大聖堂までの最後の急坂は元気な人でも結構きついのと大分歩き疲れていたのとで、大聖堂まではタクシーで行くことにしました。タクシーの運転手さんがどこから来たのかと聞いたので「東京から大聖堂のリーメンシュナイダー作品を見に来たのです」と答えると、「地元の人間もあまり行かない大聖堂に、はるばるリーメンシュナイダーの作品を見に来たなんて素晴らしい、ありがとうございます!」と感激してくれました。
 ところが、大聖堂ではせっかくのリーメンシュナイダー作「聖王ハインリッヒⅡ世と后クニグンデの石棺彫刻」が階段の上から見られなくなっていました。側面の彫刻はなんとか柵の間から見られますが、棺の蓋に彫られている素晴らしい聖王夫妻の彫刻が見られなくなったのはどうしてなのでしょう。綱が張ってあって階段がのぼれなくなっていたのでした。何かまずいことでもあったのでしょうか。せっかくここまで来た目的の半分が目隠しされてしまったようで残念でした。

 ここまで強行軍できて、帰りのタクシーを探しましたが1台もなく、列車に間に合うように駅まで戻るには町中を通って歩くしかありません。それがこの土曜日は大変な人出で京子さんの姿を見失いそうでした。彼女の歩きの早いこと早いこと! 私も普段はそんなに遅くはないのですが、この日は暑さ疲れと、来独前の草取りで傷めた腰が再びうずき出し、彼女を追いかけるのに必死でした。駅まで着いたときはうずくまりたいほどの疲労困憊。でも京子さんはドイツのグラスが気に入ったと、駅でお土産を買う余裕までありました。降参です。もちろん列車には間に合いましたけれど。

 この日はゲルマン国立博物館もバンベルクのドームも写真を公開することは許可していませんので、ここに載せられる写真がほとんどありませんでした。あまりにも少なくて自分でも愕然としましたが、行きはタクシー、帰りは時間に追われての早歩きだったのでカメラを構えるゆとりもなかったのですね。それで、宿までの帰り道で見かけた猫の写真とバンベルク駅の写真だけ載せておきます。私にとって、この日は体力的に一番しんどい一日となりました。




※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA

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