リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

284. 17回目のドイツ旅行(12) ギュストローで見るバルラハ彫刻

2023年01月26日 | 旅行

▶ギュストローのエルンスト・バルラハ作品を訪ねました。



エルンスト・バルラハ・アトリエハウスの入口で

▶今日はギュストローまでドライブ旅行

◆2022年9月13日(火曜日)5377歩

 ロストックからほぼ南に約40km下ったところにギュストローの町があります。今日はその町までエルンスト・バルラハの作品を見るためにドライブ旅行に行く予定です。比較的近い場所なので朝もゆっくりの出発となりました。

 ヨーラは以前から抹茶が大好きで、着物まで買ってドイツの友人たちにお茶を点てています。そんな彼女に啓子さんがお土産としてお抹茶を買ってきてくれた上、お茶碗までドイツに持って来てくれていました。啓子さんはシュトゥットガルトでもアンゲリカたちにお茶を点ててあげようと準備していたのですが、毎日忙しくてなかなかそのゆとりを持てずにロストックまで来てしまいました。
 この日の朝ようやくゆとりができたので、啓子さんが皆にお茶を振る舞ってくれたのです。9匹の猫のうちサニー・ボーイは一番人なつこく、ここでもお点前に参加しています。三津夫の前のお皿に山盛りになっている白いお菓子は、ヨーラ手作りのギモーヴというマシュマロのようなお菓子です。2人が2015年に我が家に来たときに、一緒に青梅・檜原村までドライブ旅行をしたのです。そのときに「あきる野 みつばちファームカフェ」に寄ってこのお菓子を初めて食べ、ヨーラがお店の担当者の方に頼み込んでレシピを教えてもらったのでした。ヨーラが自家製蜂蜜で作ったギモーヴは、今では私のお気に入りのお菓子の一つです。



ヨーラの家では食卓に蝋燭を灯します。啓子さんは持参のお茶碗で抹茶を点てているところです。



ヘルヴィックに抱かれたサニー・ボーイが啓子さんの手許を興味津々で見つめています。


▶ギュストローへ出発

 ヘルヴィックが運転して三津夫は助手席へ。私たちは後部座席に乗っていざ出発。最初に向かったのは ギュストロー、インゼル湖畔のエルンスト・バルラハ・アトリエハウス Ernst-Barlach-Atelierhaus am Inselsee Güstrow (美術館・博物館⑧)でした。9時15分に出発してほぼ10時に到着。ロストックを出た後は次第に木々の緑が深くなり、最後はほとんど森の中でした。

 ここを訪ねたのは三津夫は2回目、私は3回目で、2人ともアトリエハウスの外観を写し忘れ。今度の旅は相当気が緩んでいたなぁと反省しています。
 建物内には小振りながら木肌の美しい、秀逸な木彫作品がぎっしりとつまって置かれていました。見どころ満載です。バルラハの作品は第二次世界大戦で焼かれたり撤去されたりしたものが多かったそうですが、それだけ人間の本質を捉えた深い重みのある彫刻だと感じます。重いだけではなく、「笑う人」(トップ写真の右上のカタログ表紙)の彫刻は見ている私も笑顔になってしまう朗らかさを湛えています。

 次に作品が多く展示されているのは Ernst Barlach Museen Güstrow - Gertrudenkapelle (美術館・博物館⑨)でした。車に乗って少し移動したところにあります。以前より壁際や中央に置かれた作品は増えている気がしました。



ゲルトルンデンカペレ(美術館・博物館⑨) 回りを広々とした芝生で囲まれた教会建築ですが美術館としてカウントしました。

 

▶ギュストロー3軒目はギュストロー大聖堂でした。

 この大聖堂は町の中央に近いのですが、なかなか駐車スペースが見つかりません。ぐるぐる回ってようやく少し離れたところに車を置くことができました。この大聖堂の中で「漂う天使」を見ました。炎にくべられた作品ですが、ちゃんと型を保存してあったとどこかで読みました。この頭部だけはゲルトルンデンカペレで見たのでした。天使の下の柵には音楽を演奏している天使の彫刻がついていたのですが、暗い中で写した写真を家に帰ってからパソコンで見てみると手ぶれであまり撮れていませんでした。辛うじて何とか見られた2体の天使を入れておきます。天使像は誰の作だったか、記録はないようでした。




ギュストロー大聖堂(教会・修道院⑩) ようやくここで天使と再会することができました。

 

 
漂う天使の下で演奏する天使たち

▶今日も靴屋さんを何軒も回りました。

 ギュストローで3箇所の建物を回った後、ヘルヴィックはロストックを通り過ぎてヴァルデミュンデという観光地まで私たちを連れて行ってくれました。ここに美味しいレストランがあるそうです。大きな広々したチェコ料理店でした。素敵な船の中にいるような気分で、落ち着いて食事をすることができました。

 この日の朝、啓子さんが出発時に「試しに履いてみて」と運動靴を渡してくれました。足を入れてすぐに「なんて履きやすい靴だろう」と感激。彼女はサンダルで動けるから大丈夫と言ってくれるので、朝から履いて来ていました。それでも良い靴があればと、食事後もヴァルデミュンデで靴屋さんを何軒も訪ねて歩きました。やはりどうしてもピンとくる靴がなく、熱心に連れ歩いてくれたヨーラに頭を下げて「啓子さんの靴が一番フィットするので、靴を買うことはあきらめます」とお詫びしました。そして皆にアイスをご馳走したのでした。

 ヨーラの熱意で合計20箇所近い靴屋さんに入ったような気がします。皆の時間を無駄遣いさせてしまったのも旅の準備で油断した私のせいでした。この日までの反省は以下の通りです。全部当然のことなのですが…。

★1  足にフィットし、履き慣れた靴で旅に出ること
★2  念のために予備の履き物も持って出ること
★3  訪ねた場所は禁止されている場所を除き、必ず外観も撮影してくること

 もう一つ忘れていました。出がけにどうしても腕時計が見つからずに不便したことを。
★4  旅に必要なものは、前日の夜までにすべてきちんと揃えておくこと!

 

 夕食は帰宅後にヨーラが調理してくれた鮭のムニエルとご飯です。とても美味しくいただきました。そして彼らは48年前の9月13日に婚約したのだと、シャンペンを出してきたのです。まぁ、この日は何とめでたい日だったことでしょう。

 ヨーラ、ヘルヴィック、おめでとう! 乾杯 


ヨーラとヘルヴィック、48回目の婚約記念日、おめでとう!

 次回はシュレースヴィッヒまでのドライブ旅行について書きます。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2023  Midori FUKUDA

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