リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

317. 17回目のドイツ旅行(45) フライブルクからブライザッハ往復

2023年02月28日 | 旅行

▶今日はブライザッハまで往復します。



ブライザッハの聖シュテファン大聖堂(教会・修道院56)

 

▶ブライザッハは3回目の訪問です。

 今日はブライザッハのシュテファン大聖堂(教会・修道院56)にあるマイスターH.L. 作と書かれている祭壇の詳細をもう一度目に焼き付けたくて出かけました。ここは撮影禁止の教会なので雰囲気をおぼろげながら覚えていてもなかなか詳細は思い出せないからです。おそらくこれが最後の訪問になるでしょう。


◆2022年10月17日(月曜日)9720歩
 昨日チェックインしたときに、朝食をどうするか聞かれて体力が落ちていた私たちはここでは頼んでも良いかなと判断して申し込んでおきました。6時半に起床、45分頃に食堂に下りたらまだ空いていて、丁寧に「お一人17ユーロかかります、よろしいですね?」と確認され、サインを求められました。ブライザッハへの列車は9時2分発なのでゆっくり食べられます。品揃えも一通りあって悪くない内容ですが、でも2人で34ユーロと考えると高いですね。今のレートでも約5,000円ですから。いかに普段安上がりの朝食で節約しているのか再認識させられます。

 三津夫はこのブライザッハへの往復を楽しみにしていました。以前来たときは花が咲き乱れてとても気持ちの良い沿線の景色だったのを覚えていたからです。ところが今回は花も見当たらず、畑は刈り取られた後の土の色でしたのでガッカリしていました。調べてみたら初めて来たのが2012年の4月でしたので、その印象がずっと残っていたのでしょう。2回目に来たときは2016年の10月で、今回とほとんど変わらない季節でしたが、確かにここまで寂しい景色ではなかったような…。今夏の異様な暑さも関係していたのかもしれません。

 小高い丘の上のシュテファン大聖堂に着くと、大きな菩提樹が黄葉していました(写真下)。


 私たちが着いた時にはこの菩提樹の下で十数人のツアー客たちがガイドさんの説明を聞いていたので、先に周りの景色を見てから中に入りました。すると少し残っていた人がしきりに写真を写しています。入口には目に入るようにちゃんと「撮影禁止」という札が立っているにも拘わらずです。平気なのか、余程うっかりで気が付かなかったのか。どこの国にもこういう人たちがいるけれど、やはり嫌な気持ちになります。その一方、これだけの文化財を写してはいけないと言われるのもやはり残念なことだなと思います。

 マイスターH.L. の祭壇は印象に残っていたより大きく、近くでじっくり見て味わいました。ショーン・ガウアーが描いたフレスコ画はコロナ禍で修復でもしたのでしょうか、以前は全体像が見えにくかったのですが、この日は案外はっきり見えたように思えました。


 ブライザッハ駅への帰り道でもドラッグストアを探しましたが、歩いた範囲では見つかりませんでした。

 


フライブルク大聖堂(教会・修道院57)


▶今日もフライブルクの町を歩きました。

 フライブルクに戻り、買って来たお昼を部屋で食べ、仕切り直して再び町へ向かって歩き出すと、すぐにドラッグストアがあるのを見つけました。「のど飴はありませんか」と聞くと、下の写真ののど飴を「これは添加物は入っていません」と勧めてくれたので早速購入、一粒口に入れてみました。外で待っていた三津夫にも1つ。素直な味で効果がありそうです。しばらく咳がひどかったり喉が痛かったりしたときにはこののど飴が助けてくれると思って気分が楽になりました。


 今日はフライブルク大聖堂(教会・修道院57 写真・上)と大聖堂美術館で三津夫が見たい作品があるというのでどちらも訪ねることにしました。もしかしたら美術館は月曜日で休館しているかもしれませんが。

 最初に美術館を探してみました。ホテルのフロントで聞いた場所には見当たらず、関係しているらしい名前のホテルがあったので入ってみました。その受付の人が「Erzbischöfliches Diözesanmuseum という美術館はないのです。主な作品はいろいろな美術館に貸し出されているんです。でも一番多くの作品がアウグスティーナー博物館に展示されていますよ」と教えてくれました。「そうだったんですね」と腑に落ちました。

 そこであとはゆっくり見学しようと、大聖堂に入りました。主祭壇の近くまで入るには1人2ユーロ払わなければなりませんでしたが、ありました、ありました。祭壇の「マリアの戴冠」はハンス・バルドゥング・グリーンが描いたもので、彼の作品としては大変有名なものだそうです。彼が描いたにしては天使たちは皆、素直に演奏したり歌ったりしているようでした。昨日見たアウグスティーナー博物館の「Schmerzensmann von Maria und Engeln beweint」(マリアと天使たちが嘆き悲しむキリスト受難像 ← 私の勝手な意訳です)では、40体を超える天使たちがみんな嘆き悲しんでいるのです。中には傷ついたキリストの腕にしがみついて口をへの字に曲げながら泣いている天使もいます。本当に表情豊かです。このバルドゥング・グリーンの描写力には目を惹かれますが、当時の画家として彼の表現は相当異端扱いされたのではないかとも思えます。







フライブルク大聖堂(教会・修道院57) 主祭壇 ハンス・バルドゥング・グリーン 1512~1516年(写真:緑)

 また、堂内の壁に沿ってズラッと並ぶ礼拝堂の中にも同時代の彫刻家の祭壇がありました。この大聖堂で良い作品をじっくり見ることができたので、大満足の1日となりました。


フライブルク大聖堂、ロヘラー礼拝堂「庇護マントの祭壇」
 シクスト・フォン・シュタウフェン 1521/25(写真:三津夫)

 

▶帰国に当たっての難題


 部屋に戻って一息ついたところで JAL からのメールに気が付きました。「帰国する人は全員答えてください」という厚労省からの質問票です。明日はトーマスとルースにも会うし、コロナでないことを書かねばならないだろうしと考えて、もう一度3回目の抗原検査をしました。私たちが発熱してから4~5日目ですが、今回も陰性だったのでまず大丈夫だろうと安心して取りかかりました。この後のドタバタについては、以下のブログに書いておきましたのでご覧になってみてください。

  273. 17回目のドイツ旅行(1) まずはご報告から


 ホッとしたところで夕食は結局パンを買ってきて食べました。
 
 明日は最終宿泊地フランクフルトに向かいます。帯状疱疹で苦しんだトーマスに会えるのは嬉しいけれど、ちゃんと歩けるのかどうかと気がかりでもあります。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015-2023  Midori FUKUDA

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