リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

228. 16回目のドイツ旅行(31)帰国の日に「天使の谷」を訪れました。

2020年08月15日 | 旅行

▶ルースとトーマスが連れて行ってくれた天使の谷修道院

 



天使の谷修道院の入口に咲いていた薔薇

◆2019年8月13日(火)今日は帰国の日です。

 7月に旅立ってから今日で28日目。夜の便で帰国します。大体最終日には夕方までルース、トーマス夫妻と過ごし、空港まで送っていただくのが流れになっています。重たいトランクを持っての列車の移動がなく、大変ありがたいことです。

 朝食もいつもよりゆっくりと味わうことができました。Roggenというライ麦パンにカボチャの種がついていてとても美味しく、これからはカボチャの種をとっておいて乾燥させたらこうやってパンに載せて食べられるのではないかしらと思ったことでした。今朝もゆで卵と美味しいハムをいただきました。彼らはベジタリアンなので私や三津夫のためにこうしたものを用意してくれているのです。できるだけ残さず、美味しくいただくよう努めました。今朝はアプリコットジャムもいただきました。いつもいつも本当にありがとう。

 朝食後にトーマスが1998年8月3日(初めて会った日)に写した写真を見せてくれたのでびっくりしました。私が送った手紙も一緒に。この手紙で私たちの交流は始まったのです。当時は元気だった犬のミリーと若かりし奈々子と私も写っています。懐かしい…。おつきあいは22年目にはいったところなのですね。2009年にはトーマスが右膝の手術をし、松葉杖で空港まで迎えに来てくれていたこと、2010年の夏にはやはりトーマスが多発神経障害を患い、痛みで辛い日々を送ったことも思いだしました。

 食後、二人が「近くの修道院に連れて行くよ」と言い、荷物を大体トランクに納めてから10:45に出発しました。こうした最終日の予定は大体お二人にお任せなのです。



◆天使が一杯の「天使の谷」へ

 今日はルースも一緒に行くと言って、4人で車に乗りました。ルースが一緒の時はなぜかルースが運転し、トーマスは助手席でゆっくり新聞を読んだり手紙を見たり、秘書付きの社長さんのようにくつろいでいます。
 最初に連れて行ってくれたのは、ボニファティウスのルートにある天使の谷修道院でした。昨日訪ねた聖ボニファティウス教会も同じボニファティウスの名前がついています。今まで多くの教会を訪ねてきましたが、こうした名前は見たことがありませんでした。それで、ボニファティウスという聖人はどんな人だったのかと興味を持ち、ウェブで検索してみました。するとウィキペディアにも日本語でも詳しく彼の経歴が載っていました。簡単に紹介された部分だけコピーしてみます。

聖ボニファティウスドイツ語: Bonifatius672年ウェセックス王国クレディントン英語版 - 754年6月5日フリースラント)は、8世紀フランク王国キリスト教を伝えた宣教師殉教者である。カトリック教会正教会ルーテル教会聖公会で崇敬される聖人であり、「ドイツ人の使徒」 (ドイツ語: Apostel der Deutschen) とも呼ばれるドイツ守護聖人である。マインツ大司教(在位:745年 - 754年)。ラテン語ではボニファチウスまたはボニファキウス (Bonifacius) 、フランス語英語ではボニファス (Boniface、英語ではボニフェイスとも発音) と呼ばれる。

 このシトー派修道院「天使の谷」は1268年に設立されたと書かれています。その名のとおり、たくさんの天使が彫刻されていて、躍動的な彫刻も多くみられましたが、三脚を持っていかなかったのでしっかり写せていませんでした。庭には大きな木があり、草花も静かに咲いていました。雰囲気を感じていただくために、その一部をここに載せておきます。

 






「天使の谷」修道院内の彫刻 最後の1枚は三津夫撮影 
 一体ここだけで何人の天使がいるのでしょう?



「天使の谷」の庭にて ルースとトーマス

 

◆いつものお買い物

 天使の谷修道院からもう一つ近くの修道院を回ったのですが、名前をメモし忘れました。

 その後BIO農場のレストランへ。結構混んでいたのですが、この日は日本食のメニューがあるというのでルースが予約をしてくれたのです。行ってみると、メニューは「日本風パンケーキ」(写真・下)となっていたのですが、言わばお好み焼きでしょうか。トーマスはちょっと難しい顔で食べていました。私たちから見るとまぁまぁの感じでしたけれど。大盛りのサラダとビートと林檎の混じった真っ赤なジュースもいただき、お腹いっぱいになりました。ここだけはと粘って支払をさせてもらい、ようやく少し気持ちがおさまりました。彼らが日本に来ることがあれば喜んであちこち案内してご馳走するのですけれど、なかなかそういった機会もなく、いつも泊まらせていただいて、ご馳走になってばかりでしたから。

 このあとはお決まりのREWEでのショッピング。日本の友だちや家族にお土産を買い、びっちりトランクに詰め込んで機上の人となりました。

 ルースとトーマス、元気でね! またコロナ感染が鎮まって日本からの旅行ができるようになったら会いに行きます。
 次回はドイツ17回目の旅となる予定ですが、いつ行けるのでしょうか…。

 

 ここまで根気よくお読みいただいた方に感謝申しあげます。
    ちょうど旅から戻ってきて1年と1日。何とか去年の旅の記録を綴り終えてホッとしています。この間、4冊目の写真集『完・祈りの彫刻 リーメンシュナイダーを歩く』に取り組んできて、現在は再校校正ゲラのチェックをしているところです。何とか10月には出版できる予定ですので、落ち着いたらまた日記として出版までの様子をブログで書いていきたいと思います。

 なお、残念ながら、今年の開催を考えていた「第二回 祈りの彫刻 リーメンシュナイダー写真展」は、現在の状況では無理だと考え、来年以降に延期いたします。次回、またお目にかかれる日を楽しみにしています。

※このブログに掲載したすべての写真のコピーをお断りします。© 2015 Midori FUKUDA

コメント
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