梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

KARAを見て②社会学的?考察

2014-11-22 20:27:04 | 日記
  KARA最終日の終わり方・・・もうぐじゅぐじゅでしたね。ギュリが一人だけどこかに行ってしまったと思ったら自分の携帯に棒をつけて、客席を背景に自分撮りを始め・・・・ようと思ったら全然うまく生かす。居合わせたプロのカメラマンを引っ張り上げて三方向から撮影。SNSアップすると言っていましたが、今のところその気配なし。
一体、名だたる歌手のコンサートで、アンコール曲が終わった後でこんなだらだらした時間を付け加えるグループがどこにあったでしょうか。また、それをまた魅力と感じるファンも・・・。

   今売り出し中の若手社会学者、古市憲寿氏の著書を読んでいて、KARAのファンについて考えさせられました。そこで今日は少し違った方向から攻めてみることにしました。

   ソロ・コーナーで、新しくKARAに入ったばかりのヨンジが、松田聖子の「天使のウインク」を歌いました。若い人たちはこの歌を知らないはずです。大ベテランの松田聖子の初期の歌です。しかし、ヨンジがこの歌を歌い出すに当たって、「ホ・ヨンジ! ホ・ヨンジ!」と男の子たちの声を揃えての大声援が入りました。しかもその掛け声は前奏が終わり、ボーカルのパートに入る寸前にピタリと止まりました。この歌を知らないはずの世代があまりにもきっちりと決めたて見せたことに私は驚きました。

   しかし、考えてみたら、ツアー初日のプログラムがその日の内にネット上で全国に公開され、ヨンジが何を歌うかもファンの間には知れ渡っていたのでした。恐らくは熱心なファンたちは、元歌が松田聖子であることをすぐに突き止め、どう掛け声を掛けるべきかを検討し、これまた仲間同士で拡散させていったのだと思います。ネット世代の得意技という訳です。こうしてKARAファンたちは全国ネットで連帯を深めているのですね。

   「団扇隊」というものがあります。会場で販売される応援グッズの中に、ギュリならギュリの、スンヨンならスンヨンの写真入りの団扇があります。ファンたちはそれぞれ贔屓のメンバーの団扇を持って集合し、記念撮影をし、都合のつく者は前夜祭なり後夜祭的な親睦飲み会に参加することになります。

   以前、性格的に団扇隊に入り難くて寂しいという投稿を読んだ事がありますが、とにかくこの団扇隊というものは、ファン同士の連帯感を深め、KARAのメンバーたちのやる気を煽るという、極めて重要な役割を担っているようです。時には、KARAは理由づけで、集まることが目的なのではないかとさえ思わされることがあります。

   こうしたファンの加熱は、とてもとても・・・・・。たとえば横浜アリーナにおける二日連続の公演に際しては、まず17日に集合して前夜祭として飲み明かし、同じ人たちが18日の公演の後また飲み明かした上で19日の公演を鑑賞(彼らは参戦と呼びますが)した後、本当の後夜祭として三度目の飲み明かしをやり・・・・。中には地方公演から引き続きという猛者もいるはずです。

   あまりしっかりとした職業についている人物がこうした行為に加われるとは思えません。前夜祭・後夜祭にせよ、団扇隊にせよ、こうしたお祭り騒ぎの集団に加われるのは、割と休みが自由に取れる仕事についている若者たちだと思われます。きっちりとした企業の社員にはできそうにもない芸当です。

   しかし、こうした若者たちに、現在の日本人の一部を代表する現象を見て取ることができるように思います。さきに上げた古市憲寿氏によれば、最近は上昇志向もなく、苦労して高賃金を得るよりは、低賃金でもお気楽な生活が送れる方が良いと考え、実践している者が増えているのだそうです。かつ仲間は欲しいので、家賃が安上がりで済み、ドアを開ければ話し相手がすぐそこにいる、シェア・ハウスに人気が出ているといいます。

   Facebookを見ても、楽しかった楽しかったと、飲み会の写真をやたらにアップしている子がかなりいます。私の教え子たちですから、どの程度の収入があるかくらい見当がつきます。さしたる収入もないのに、定期的に集まって飲み会に励む・・・・恐らくそれで毎月の給料は使い果たしていることでしょう。将来のことはその時になったら考えることにして、今が楽しければそれでいいや・・・別に身を粉にしてまで働きたくないし・・・というのが本音だと思います。
   
   若者たちに夢と希望とプライドと向上心を与えない現代日本の社会も問題ですが、それにどっぷりとつかりきって、向上心を失った若者たちもまた問題です。ただでさえ高齢化社会を迎え、国としての活力が失われつつある現在、若者もまた活力を失いつつあるとしたら、我が国の未来はお先真っ暗ではありませんか。

   「がんばらない。」「楽しむ。」「つるむ。」 現代の若者たちの中にはびこる恐ろしい伝染病です。私は今回自分もKARAのコンサートに「参戦」して、過度に熱心なKARAファンたちは、実はこうした「気楽に生きたい」若者たちなのではないかと疑問を感じました。万一そうであれば、KARAのような韓流アイドルに限らず、AKB48にしても、日本社会にとってあまり有益な存在ではないということになります。

   本当はどうなのでしょう。私が感じた疑問が正解でないことを祈るばかりです。

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