Reiko's Travel 記事と現在の英国事情

在英51年、2020年7月未亡人になって以来、現在英国事情と過去の旅行の思い出を記載。

着物のリフォーム

2014-11-01 14:41:23 | ロンドン周辺

私は42年前英国へ来る前は京都で7年間働いていた。当時女性の晴れ着といえば着物と決まっていたから、京都に居る間毎年1-2枚の着物の生地を買って母に縫ってもらっていた。だから父母にも何枚かの着物生地を買ってプレゼントしたりもしていた。

英国へきて今までに着物を着た回数といえば10指に入るくらい着る機会がない。それに10年前に亡くなった母の着物をかたみに全部もらってきたからその数も相当なもの。

数年前からこれで私が死んだ後でこれらの着物はどうなる?と思うと何とかしなければと切実に思うようになった。日本でも若い女性では着物離れが多いと聞く。

絹の着物はミシンでは縫いにくくまた洗濯も大変。これらは避けて普段着のウール地の着物をほどいていろいろ作ってみた。

日本文化にあまり興味を示さない亭主も私がリフォームした洋服を見る度、亡くなった母さんが喜んでくれているよと言ってくれる。

 

数年前に初めて手掛けた母のウールの着物で作ったベストとスラックス。ベストは裏付、スラックスは幅広で最近の細身のファッションには合わないけれどこの年ではファッションの流行を追う気持ちもない。

2枚目も地味なウールの着物と厚地綿の矢絣の大判風呂敷で作った上着、季節の変わり目に重宝している。

この着物地は私が母にプレゼントしたもので、当時50代の母にとっては地味だったかもしれない。生地を見てあまり喜ばずじっと見つめていた姿を忘れられない。そして気を取り直してよく見るとこのがらは大柄なのだと分かったと言ってくれた。

英国では見られない面白い柄の生地でそれに赤矢絣の綿風呂敷で襟や袖、ポケットなどをアクセントにしたから大変気に入っている。裏地にはタイでスカートを作るつもりで買ったタイシルクを使っているから暖かく冬のポルトガルでちょうどよい具合だろう。

 

この着物は今年のトラファルガースクエアで行われた日本祭りで中古品を売っていた。柄が気に入ったから15ポンド(2500円)で買って切る前に一度だけ着物として着てコンサートに行った。友達が切るのは惜しいと言ったのだけど全部ほどいてみたらあちこち虫食いの穴があってほどいて洗い熱いアイロンをかけ、もし卵がついていたらと冷凍庫にも一晩入れてみた。

でも人間の精子や卵子でさえ冷凍保存できるくらいだから虫の卵が家庭冷蔵庫で死ぬのだろうか?と友達同士で不思議がったり。

とにかく今回はエプロンドレスに直して重宝している。

また来年ポルトガルから帰ってきたら着物箱を整理してリフォームしなければならない。

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