Reiko's Travel 記事と現在の英国事情

在英51年、2020年7月未亡人になって以来、現在英国事情と過去の旅行の思い出を記載。

オープンハウス ギルドホール・ギャラリー

2011-10-19 00:53:33 | ロンドンオープンハウス 2011



ギルドホールのスクエアーの一角にモダンなギルドホール・ギャラリーがあった。オープンハウスのこの日は入場無料で、館内で写真可だった。
ここに展示されている絵はすべて英国人によるものばかりで、それも私の好きな1850年から1950年ごろに活躍した画家の絵が多い。
各絵画の説明も行き届いて、これほど丁寧に解説されているギャラリーはあまり無い。

今日は気に入った8枚の絵の説明も書き込もう。




この上の絵はジェームス・ティソット(1830-1896)の 最後の宵 と言う題名。
恋人が明朝このセーリングボートで出航してゆく場面を描いて、悲しそうな女性と慰めている恋人、後ろのひげの年寄りは彼女の父親であろうと思われる。又後ろの少女は彼女の妹だろうとの説明。雰囲気が良く出ている。



上はフレデリック・ロード・レイトン(1830-1896)の1877年のミュージック・レッスン。
この絵はレイトン卿 が1873年にダマスカスへ旅行に行ったときのモチーフで楽器はトルコのサズと呼ばれる。モデルの若い方の少女はコニー・ギルクライスト(1865-1946)で当時の有名な子供の踊り子だった。




これはエドワード・ジョン・ポインター(1828-1882)の作品エジプトのユダヤ人。この絵はエジプトで奴隷のユダヤの民が石の町を建造しているところ。ポインターはこの絵の完成に3年かけたと言う。



英国には19世紀ウイリアム・モリスを中心とするプレ・ラファーエリテスと言う一派が活躍していた。彼らの多くの絵はテイトブリテンで見られる。ここギルドホール・ギャラリーですぐ目に付く作品がこれダンテ・ガブリエル・ロセッテ(1828-1882)の作品。
ロセッテはこの絵をオックスフォードシャーのケルムスコット・マーナーで作成した。
このマーナーはウイリアム・モリスとロセットが共同購入したものでここにはモリスの妻ジェーンも来ていたという。ロセットとジェーンは不倫関係にあり、この絵はジェーンとの愛や肉体関係を表していると言うから、絵の批評家と言うのは恐ろしい。
モデルはアレキシア・ウイルディングだが、ロセットの絵はどれも同じ顔の女性ばかりでこの顔以外描けないのではないかと疑ってしまう。



ジョン・エヴェレット・ミレイズ も プレ・ラファーエリテスの一派で彼は後にサーの称号をもらっている。彼は1863年に5才の我が娘エフィーをモデルに”教会の初めての説教”と言う題の絵を描いた。この絵がロイヤルアカデミーで大好評を博し、同じエフィーをモデルに1864年”私の二度目の説教”と題名のこの絵を描いた。この絵に対しカンタベリー大僧正があまり長い説教は眠気を誘うばかりと警告したと言うから可笑しい。



ジェームス・クラーク・フック(1819-1907)は小さな漁村の生活と生活している人々を多く描いていてこの絵もスコットランド北のシェトランド島の子供たちを描いている。
海辺の岩でかもめの卵を盗んでいる子供たち。



これはヴィクトリア女王の在位60年のお祝いセレモニーをアンドルー・ガリック・ゴウ(1848-1920)が描いたものでこの祝日は1897年6月22日セントポールで式典が行われた。式典は20分ほどで終わり画家は写真を元に2年をかけてこの巨大な絵を完成した。このような絵は芸術作品と言うよりも歴史を現していて興味深い。



もっと興味深い絵がジャン・グリファー(1738-1773この間に活躍)でこれは1739年から40年にかけて寒波でテームス河が凍ったのを描いている。絵はホワイトホール方面から北、西に拡大して見たテームズで右手のウエストミンスター橋は建設中である。18世紀のロンドンは今よりずっと寒かったことが良く判った。



これはマーガレット・サッチャー元首相の像。彼女は現在アルツハイマーで療養中とのこと。



このギャラリーの地下にもローマの遺跡が発見されて遺跡として展示されている。2000年昔ローマ人がロンドンを建築し、その跡地は広大な部分を占め、ギルドホールの後ろにはバービカンとの間に高い塀の遺跡が残っている。



ギャラリーの二階から見たギルドホールスクエアーで向かいに教会とモダンなギルドホールの建物が広がっている。



夢のような一時を過ごし現実に戻ってみれば、日曜日のロンドン市内は車もまばらで騎馬警察が市内を巡回していた。

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