Reiko's Travel 記事と現在の英国事情

在英51年、2020年7月未亡人になって以来、現在英国事情と過去の旅行の思い出を記載。

ポルトガルの旅 (7) アルコバサ(Alcobaca)

2010-11-15 10:00:28 | キャンパーヨーロッパ 2010年



アルコバサはアルコウ河とバサ河の交わった川辺の古い町でこの小さな町は世界遺産のサンタ・マリア修道院で世に知られる。
この修道院を訪れた日曜日の朝は、まだ人出もあまりなくて、二人で20ポンドはする入場料が日曜日は只。左下の写真で見るとわかるようにこの修道院の奥行きの長いこと。横幅もこれくらいあるから、これほど巨大な教会や修道院は今まで見たことがない。
日本語の案内書によればこの修道院は1153年、初代国王アフォンソ・エンリケスによって建設され、1222-1223年に白衣の僧たちが居住するようななったとの事。カソリックでも厳格なシトー派の戒律で,僧たちは付属教会と寝室の建設、土地の開墾と栽培、苦行と唱歌祈り、労働など、外部との一切の接触を断ち絶対静粛の集団生活を送っていた。

 

教会内部は質素、シンプルで時代に適応して内部も改築改修され、1834年に宗派解体によって修行僧たちが去るまで、最盛期には1000人もの僧たちが居住していたという。

 

祭壇の両脇に14世紀を代表する棺彫刻の傑作であるドン・ペドロ一世とイネス・デ・カストロのすばらしい石棺が置かれている。この二人の悲恋物語は有名だと、日本語の説明書も地球の歩き方も書いているが、内容を一切書いていないから判らなくて残念。

 

王たちの広間には壁に青のアズレージョが貼られ、上部には粘土細工の歴代の王の姿が飾られている。修道院の中庭を囲むドンディニスの回廊は、オレンジとレモンが豊作で緑の芝生に黄色の斑点を散らしていた。


 

千人もの僧たちを賄った厨房の中心の煙突には驚かされる。高さも20メータは在るだろう。この煙突の下で一体どんな大鋸まで食事を作っていたものだろうか?厨房の横には大広間の食堂が在るが家具一切が取り払われているので、案内書を見なければ食堂だとは判らない。食堂横の壁に作られた階段の上で、食事中も経典の朗読がなされた朗読壇はこの建築物中最も美しい建築箇所だそう。


 

回廊は二階建てになっており、二階の屋根から雨水を吐き出すガーゴイルは、ヨーロッパの中世の教会や宮殿でも普通に見られるが、ここのガーゴイルはいろいろな動物の姿で、豚のガーゴイルは初めて見た。

 


 


私たちが今現在見学できる場所は、この修道院のほんの一部だろうが、もう百年以上も人の住み着いていない居住地区は一体どうなっているのだろうとちょっと心配になる。でもここは世界遺産に指定されるだけの価値は十分に在ると心から思った。永久に後世に残して欲しいものだ。











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