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<リアル ボクシング ルポ>東洋・太平洋スーパー・ミドル級チャンピオン清田「拳王」祐三。世界戦へ!!

2013-05-09 17:51:25 | スポーツ

  どこからか、陽春の風に乗って、噂が、私の耳に届いた。

  東洋・太平洋(OPBF)スーパー・ミドル級チャンピオンである、”拳王”清田祐三(写真・下)と、ロンドン・オリンピック ボクシング ミドル級 金メダリスト 村田諒太が、年内の試合成立目指して、目下、関係者が、水面下で交渉中であるという。

Dscf5175 ボクシングファンなら、それが正式決定したなら、どんな”激闘”になるか、容易に想像がつくはずだ。

 なにしろ、村田諒太(りょうた)といえば、ボクシングを知らない人でも、その名前を1度は耳にしたことがあるはず。

 そう、確信をもって書けるほどの有名人であり、知名度は群を抜いている。

 1度は、プロへは行かないと断言したものの、のちにそれを撤回。東洋大学職員として定年まで勤めたと仮定して、もらう退職金(推定 3500万円)を上回る「契約金」をフジテレビから提示され、一躍有名になった妻と、悩んだ末に受領。

 そして、練習と試合に専念出来る環境を整えてもらった。その上で、プロボクサーとしての所属は「三迫ジム」に置く。

 今後、村田の全試合を独占放送するフジテレビとの交渉や、マッチメイク。そしてアメリカのネバダ州ラスベガスでの、将来的な世界戦略と、練習環境や試合は、「帝拳ジム」が担当するという、ちょいと複雑な背景のなかで、プロボクサー・村田諒太は誕生。

 村田は、近日中に、そのラスベガスへ向けて、短期視察に出発する。

 「プロ」としてやっていけるか? の、実力は、「公開プロテスト」という異例の形で、この4月16日、後楽園ホールから、異例のテレビ中継をされた。

 相手は、前・日本ミドル級チャンピオンの、佐々木左之介。ヘッドギアを装着し、佐々木相手に、「アマチュア」から「プロ」への変貌と、プロでも十分やっていける実力を見せつけ、一足飛びに「A級ライセンス」を手にした。

 通常なら、考えられない超!厚遇。

 実は、このスパーリング。相手の佐々木に打診があったのは、テストのわずか3日前。それも、現・チャンピオンの胡朋宏(えびす・ともひろ)に断られて、急きょ佐々木に打診という、あわただしい泥縄式流れ。

 そんな背景が潜んでいても、テスト後の評価は、うなぎのぼり。元・世界チャンピオンたちを、大挙して列席させて、フジテレビの「意図」に沿って、彼らも手放しで大絶賛!

ところが、意外に世間・一般の関心は低く、ゴールデン・タイムで中継放送したにも関わらず、なんと視聴率は、たったの1ケタ、6・9%。

 井上尚弥という”怪物”との、2枚看板を取り揃えたにも関わらず、この数字では、惨敗という他ない。

 その一方で、かくいう私の評価は低く、村田は首の皮どころか、薄皮1枚やっと残って、金メダルを獲ったに過ぎない”薄氷”メダリストと、思っている。

 Dscf5731

 録画を、観直しても、そう思う(写真上・左)。

 かつて、スケートの荒川静香が、金と銀の候補が共にスケートリンクで滑ってこけて、本来は銅に過ぎなかった彼女に金が、運よく転がり込んだ状況に、似ている。

 まあ「銅」だけれど、ばらせば「金」と「同」だしね。

 村田の、その強さの「真価」と、「進化」が、問われるのは、まさにこれからだと思っている。

 さて、だから、さまざまな選手や、トレーナー、付和雷同的な発言をしないと思われる方たちにも、村田諒太の実力を聴きまくってみた。

 ほぼ全員が、やっていける。それも、かなり上まで行けるだろうね、とのこと。

 「ただし」 ん!? ただし?

 「清田祐三には、今の実力なら、到底勝てないだろうねえ。下手すると、ダウンさせられて、KO負けになる可能性が大きいよ」

 「判定で、フルラウンド闘って、村田が持ったら、面白いことになるだろうけどね」

 水を向けたり、例えばと、名前を出したわけでも無いのに、清田の名前が、ほぼ全員から、クチをついて出てきた。

 Dscf5216 清田(写真左)と言えば、この3月21日の試合が、直前になって中止。

 私の駄文で、いち早く速報の如く「中止」を、記事化。また、KOが見られるかも? と、メインの清田の試合を楽しみに、後楽園ホールで残り少ない当日券を並んで買おうとしていたファンには、役に立ったようだ。

 彼が所属する「フラッシュ赤羽ジム」のホーム・ページにも、日本ボクシング・コミッションの「試合日程」にも、何ら中止の告知が無かったこともあり、先日、清田自身と、笑顔を絶やさず、人柄が良さそうな古里トレーナーには、感謝された。

 こちらも、軽くお詫びを。読んだ方は、ご気付きだろうが、末尾の数行・・・。

 「余計なことを、書いたかもしれませんが・・・」

 清田は、ニャッと笑顔を浮かべ、こう軽妙にひとこと。

 「ボクの、数少ない女性ファンを、悲しませないで下さいよ」

 で、どうして中止を?

  「実は、今回、減量の失敗と、それに伴う体調不良が、重なっちゃつて・・・」

 もう、試合は無理! と、最終判断し、やむなく「試合中止」を決めたのは、前日計量の直前だったという。

 今は、体調も見事に復活! かつて”ゴリラ”と、本人にとっては、有り難くない愛称で呼ばれた身体から繰り出す剛腕は、連日、うなりをあげて、ミットや、サンドバックや、スパーリングの相手、 そしてパンチングボールにまで突き刺さっている(写真上)

 ボクシングファンは、すでにご存じだろうが、清田のKO率は、おっそろしく高い!

 通算戦績、27戦して、23勝3敗、1引き分け。で、23勝のうち、21勝が、目にも鮮やかなノックダウン勝ちや、圧勝してのレフェリーストップ!

 10年半前の、プロデビュー戦からして、3ラウンド、レフェリーストップ勝ち。

 しかし、2010年10月11日、後楽園ホールで行われた、東洋・太平洋(OPBF)ライト・ヘビー級王座決定戦では、わずか1ラウンドでノックダウン!

 結果、清田がレフェリー・ストップ負け。

 この日、客席は超満員だった。やむなく、2階のバルコニーに行き、客と客のすき間から見た。

 3キロ上の、1階級上にあたるクラスに挑戦するかたちでの、王座決定戦ではあったものの、当時の清田のチカラを持ってすれば、悪くても、倒し倒されの末の、判定勝ちだろうと予測していただけに、信じられぬ光景を見た思いで、一杯だった。

 試合後の控え室。いつもの清田とは、まるで違う彼の姿が、そこにあった。

 がっくり、太いクビを落とし、一言もしゃべらず。他の記者も、もう問いを発することも出来ず、双方、押し黙ったままで、終わった。

 しかし、その後は、本来の強さを発揮。昨年の10月6日、29歳の誕生日にあたる試合でも、圧勝し、6ラウンドに相手方セコンドからタオルが投入されたと同時に、レフェリーストップの裁定。

 ここまで、冒頭に描いたように、東洋・太平洋(OPBF)スーパー・ミドル級チャンピオンとして、すでに6度の防衛を果たしている。あと1度、防衛すると、回数では内山高志と並ぶこととなる。

 試合は、録画中継で、深夜枠で放送されることが多い。地上波はそうだが、CSだと生中継される。しかし、清田の生まれ故郷である、北海道釧路市では、契約者が少ないうえ、地上波でもめったに放送されない。

 そんな背景もあってか、地元の北海道新聞では、毎試合、記者とカメラマンが綿密に取材。全国紙では、わずか数行で終えてしまう記事を、詳しく、且つ、大きくスペースをさいて掲載。時には、カラーで紹介もしている。

  それというのも、数いる重量級のチャンピオンの中で、最も世界のベルトを狙えるのではないか?との評判が、背景にあるからだ。

 だからこそ、ミドル級で金メダルを獲った村田が、通過せざるを得ない相手と、目されている。

 村田にとって、活躍する場の選択肢としては、スーパー・ウエルター、そしてメダルを獲り、公開テストでもリングに上がったミドル級。並びに、清田がいるスーパー・ミドル級。その3クラスが、ある。

 さまざまなことを勘案した末、「公開テスト」で拳を合わせることを断った胡朋宏が君臨するミドル級でも良いが、ファンどころか、今回聞き廻ったボクシングに直接仕事として関わっている方々も、見たいのは、対 清田祐三戦だ。

 すぐには、さまざまな事情でキツイかと、思われていたのだが・・・・・・

 中止のあと、清田の今月予定されていた試合は、まだ決定されていない。

 清田に近い、ある人は、こっそりと小声で言う。

 「そう遠くない時期に、正式に、良いお話しが出来ると思います」

 「今? 今は、まだちょっと・・・・・」

 ここは、芸能界ではない。「結婚」とか、「婚約」とか、その類いでないことは、もちろんだ。例え、ノンタイトル戦でも、みんなが注目する。

 清田に勝たなければ、少なくとも、日本重量級最強として、世界を目指します!と高らかに宣言したところで、絵空事にしか聞こえないと、業界とファンは受け止める。

 キチンと、日本、東洋・太平洋のベルトをと、段階を踏んで世界挑戦へと行かなければならないのが、本筋。しかし、また一方で、何でも有りなのも、また目の前の現実。

 ホップ、ステップ、ジャンプを無視し、「公開テスト」で、まさに「1発」A級合格のお墨付きを与えたのも、1例だ。

 幸い に、というべきか、実は長年にわたって、試合ごとの放映契約ではあるものの、清田祐三戦の中継を、独占的に流してきたのは、フジテレビ!

 その点においても、水面下でのハナシは、スムーズに運んでいると聞く。

 この試合が、もし正式決定したなら、間違いなく、日本のボクシング界は、がぜん活性化する。これが、実現しても、さほど数字(視聴率)が取れなかったら、未来は暗いとまで考えて良い。

 まさに、「試金石」。

 そして、これが話題を呼んだなら、清田祐三の名前も、「知る人ぞ知る人」から、ホップ、ステップ、ジャンプ! 一躍「知られる人」になる。

 勝って、這わしてこそ、まさに「拳王」。

 初めて清田と話したのは数年前。それも選手控え室ではなく、後楽園ホールの客席であった。

 その時、最後に、彼が少し考えたあと、ボソッと、こう言ったのを今も、ハッキリと記憶している。

 「・・・・そうですねえ。有名にならなければ、いけませんねえ」

 人に好まれる性格を持ち、且つ、安定感があって、強いボクサーは、もっともっと世間に知られるべき。そう、思う。

 さあ、あとは、正式発表を待ちたい!

 

 

 

 


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