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<リアル ラグビー ルポ> これで? こんなんで勝てる? 6月10日 対最強トンガ戦に

2012-06-10 09:38:00 | スポーツ

Dscf5901 日本代表の練習を見た。正直にいう。これで、今大会の「パシフィツク・ネーションズ・カップ」最強のパワーと、スピードがあるトンガ・チームに、勝てるのだろうか? そんな疑問が、頭をもたげた。

 まだ夏とはいえない6月8日、試合会場となる秩父宮ラグビー場に降り注ぐ陽射しは熱く、座席に置いたデジタル・カメラは、ものの5分くらいで、触りにくくなるほど。

 選手も、熱く燃えてる! と思いたい。そうでなければ、とても昨日この眼で見た、躍動するトンガには、立ち向かえない。

 しかし、バックス陣の繰り出すパスは、極めてノーマル。眼の醒めるような、意表を突いたパスは、なかなか見ることが出来ない。

 そんななかで、5日のフィジー戦に続いて出場するニコラス・ライアンの動きは目を惹いた。パスを巧みにキャッチ。上手いバック・パスを繰り出す。で、瞬時に人ひとり通れるかどうかの、狭く細い、わずかなスペースを見つけ、判断良く、サクッ! と、斬りこんでゆく。

 さすが、キャリアは、伊達じゃない。 お見事! 鮮やか!座布団3枚! と、叫びたくなるほどだ。 他は、並。

 フォワード陣は、ひたすら、スクラム・マシン相手に、組むチカラや、高低を色々変えて一気に押す! ガチャ~ン!! 100メートルほど離れていても、その音は、ハッキリと聞こえる。そのパワーたるや、スゴイ。

 以前、女子15人制の日本代表が何度挑んでも、ピクッ!とも動かなかったというのに・・・・・。さすが、屈強の男たち! これが、フツ―の世界レベルだ。

 タックルは、2人がかりの「ダブル・タックル」を、色々と高低を変えて試している。(写真左上)。

 取材陣は20人ほど。これが、サッカー日本代表の試合前の合宿だと200人くらい、詰め掛ける。しかし、90%は、その他大勢のゴミ。携帯電話かけて話してたり、ひたすら雑談してたり、メールしてたり、外へタバコ吸いに出て居たり

 見ないでいて、よく平気な顔して、質問出来るなあと、いつもアキレている。それでイッチョ前な顔して報道している事実を、サッカーファンは、頭の隅に入れて置いて下さい

 さて、10日(日)の出場メンバーが、発表された。これで、キャップ(国際試合出場)36となる、ライアン・ニコラスを始め、極端な変動は無い。

 フィジー戦の反省と分析からきた起用理由が、エディー・ジョーンズ(ヘッド・コーチ)の口から、次から次へと出てくる。

 「フィジー戦では、スペースを見つけようと探し回る事が多かった。ボールの動きが悪かった。しかし、ニコラス・ライアンは、自分で判断して出来る」

 「対フィジーでは、フォワードで、1人当たり6キロ少ない。バックスでは7キロ少ない。その差で、どうやって勝つことができるか!? 」

 「フィジーの戦いから学び取ることが、出来なかった。ダブル・タックルの中で、どんなポジションが良いのか? もっとプレッシャーをかける事が必要だ」

 「トンガという、パワーある相手に対して、タックルをかける高さや低さが、その人に合っているか、どうか? 思い出すこと」

 「菊谷崇(たかし)は、頑張っている。その方向性は間違っていない」

 アシスタント・コーチの、薫田真広も、ニコラス・ライアンに言及する。

 「バックスが、”スペース”の認識が、出来ていない。また、キック・ターンの処理が、しきれていない。その点を、ニコラス・ライアン(33歳)の経験に期待したい」

 「10番(スタンド・オフ 小野晃征・25歳)や12番(立川理道・たてかわ はるみち・22歳)に若手を起用しているのは、(ライアンが)彼ら若手のサポートをして、色々教えることが必要になってくると考えているから」

 「フィジーよりもトンガは、もっとフィジカルなチームだ。スクラムを組んだときの2番、3番の重さも有り、できるだけセット・プレーでプレッシャーをかけたい。どれだけダメージ・ファイト、まあ格闘するか、やれるかがテーマです」

 記者発表の後、気になる  ブレイクダウンの対策について、薫田アシスタント・コーチに聞いてみた。

 すこし、うなずき「ブレイクダウンで、どれだけ出来るか? 二人目が、キーポイントになるでしょうね」

 今日は軽めの練習で終えたのは、昨日選手がクタクタになるまでやったので、という。どんな対策を講じたかは、試合でのお楽しみとしたい。

 はからずも、「楽しみ」という日本語を口にしたのは、ニコラス・ライアン。

 ポジションが、変わるのは「2年ぶりかな。久しぶりで、、楽しみです」

 流ちょうな、日本語。イングリッシュ? オー、ノーのこちらとしては、大助かり。

 以前、ジョン・カーワン(前ヘッド・コーチ)が一人暮らしだと小耳にはさみ、確認の質問をしたことがある。

 「ユー・アー・単身赴任??」

 彼は、??と、首を傾げながら、バスに乗り込んでいった。

 で、ニコラス、いつもニコニコ、いつも明るく、前向き。

 「今は、新しいチーム、新しいコーチだしね。去年の(ワールド・カップでトンガに負けた)リベンジしたい。成長しないと。もちろん、勝ちたい! 毎試合、勝ちたいね」

 トンガのヘッド・コーチ、あなたと何度も戦ったトウタイ・ケフですが?

「面白いね。楽しみだね」 そお言って、ニカッ。

 「フィジーより、スピード有りそうだし。ブレイク・ダウン、大切ね。1対1、細かいこと、大切ね」

 ホントに前向き。メンバーの中で、1番、前向きなのが、面白い。

 一番、トンガにリベンジしたい、と熱く語ってくれると期待してた、前主将の菊谷崇は「リベンジ? 僕自身は、そんなに気にしてない。意識してない」

 ありゃあ・・・

 「それよりも、しっかり自分のプレイをしたい。自分達のスピードに対し、向こうが恐怖に感じるくらいのスピードで崩していけたらと思っています」

キッカーの五郎丸歩は「キックの成功度は、ベストの状態」だという。「ちょいちょい、個人練習、やってますから」

 最後に、現・主将の廣瀬俊朗(としあき)は、いう。

「勝つというのは当然だけれど、そんなに大きな問題とは思っていない。良いゲームをして、その上で、結果がついてくればいい」

 「今はPNC(この大会)も含めて、ひとつづつの積み上げだと思っている。2015年(のワールド・カップ)を見据えて」

 「ボールを相手スペースに、もっと運ばないといけない。タックル・スピードは、すごかったですね。でも、楽しかった」

 トンガは、もっと速いですよ

 「もっと!?・・・・・・・」

「ともかく、良いゲームがしたい。それで、勝たないといけないけど」

 トンガ戦を落とすと、今大会の優勝は完全消滅する。

 スポーツマンは、例え「結果」は負けであっても、良い試合、納得できる試合をすると、心からの笑顔を浮かべる。満足する。その内容が、高度な技術で、せめぎ合えばなおのこと。

今年の2月28日、東京・後楽園ホールで、OPBF東洋・太平洋ライト級のタイトルマッチがあった。チャンピオンは、童顔の荒川仁人(にひと・八王子中屋ジム)。挑戦者は、むくつけき、ごっつい顔の三垣龍次(M・Tジム)。

 両者、力は5分5分とみられていた。試合は、素晴らしい内容だった。シロート目にも分かりやすい激しい打ち合いも見せ、かと思えば一転、三垣がスィッチして意表を突く戦法に出たりと、技術と本能とパワーと駆け引きを見せまくった。

リングサイドの、目の肥えたクロートにも大受け。結果は、3-0の判定で荒川が防衛を果たしたものの、リング上では三垣が満足しきった笑顔をみせた。

ベテランのレフェリーは、勝者の荒川の腕を上げた後、思わず感極まって2人の腕を左右に立たせて上げてしまった。

 異例のことだったが、誰一人としてブーイングの声を上げるどころか、両者を大歓声と拍手で包み込んだ。

 控え室での、三垣の満足しきった笑顔。顔は、お岩さんのように腫れ上がっていたが、一方の荒川も三垣を讃え、大満足の笑顔を浮かべていた。

 今年の、ベスト試合はこれで決まり!と思った。

・・・・・・・・しかし、それは1対1の戦い。国の威信と看板を背負った試合となれば、心情は痛いほど分かるが、ちょいと事情は違ってくる。

 名古屋での観客数、約6000人。片や、サッカー日本代表戦、埼玉スタジアムで、毎試合約60000人。共に、平日の夜。

 ゼロがひとつ違う。10分の1。テレビをチラリと見つつ、悔しさが込み上げてくる。

このくだりで笑うヒトが、いるやもしれぬ。

 しかし、あと7年後、日本で行われるラグビー ワールドカップ日本大会では、あの6万人を1試合で集めなければ、ならないのだ。赤字興行は、絶対に避けたい。

 数年前、当時GMだった太田治に、このことについて問い質したことがある。

 彼は、あっさり、こともなげに言ってのけた。

 「~に、勝てば、勝ち進めば、ヒトは来ますよ

 10日、そして17日のサモア戦は、その言葉を信じたい。

 

 

 


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