DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

「蜂とゼウス」(Bees and Zeus)(234)『イソップ寓話集』岩波文庫:人を殺したら自分の死で償うのが「天」(「神」)の法だ!

2018-04-14 20:18:26 | 日記
人間たちが蜜を盗むので、蜂たちが怒った。Bees got angry because human beings stole honey of bees.
蜂たちは、人間たちを殺すため、針が与えられるよう、ゼウスに頼んだ。Bees asked Zeus that bees were given needles in order to kill human beings.
しかしゼウスは、蜂たちが、人間たちを殺そうと意図した事が不愉快だった。However, Zeus became irritated when he heard that bees intended to kill human beings.
そこで、ゼウスは、一方で蜂たちに針を与えたが、他方で彼らが人間たちを刺した時、彼らが死ぬようにした。Therefore, he gave bees needles on the one hand, and let them die when they stuck human beings on the other hand.
教訓:君が誰かを殺す気なら、君は死ぬ覚悟をしなければならない。Lesson: If you want to kill someone, you have to be prepared for being killed.

《感想》
人の命を狙うときは、自分の命を懸けねばならない。
「公平」・「公正」の原理だ。
人を殺したら、自分の死で償う。
これは「天」(「神」)が命じる法だ。
Cf. かくて「死刑」は、国家が、「天」(「神」)に代わる資格を持つ場合のみ、許される。
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中原中也(1907-1937)「昏睡」(1934年):人畜無害な《死んだ生体》が君だ!

2018-04-14 00:28:53 | 日記
 昏睡(コンスイ)

亡びてしまつたのは
僕の心であつたらうか
亡びてしまつたのは
僕の夢であつたらうか

《感想1》
心も亡び、夢も亡び、この詩人は、寂しい限りだ。彼は生きたまま死んでいる。(ただしゾンビと異なり、身体は生体だ。)人畜無害な《死んだ生体》が彼だ。

記憶といふものが
もうまるでない
往来を歩きながら
めまひがするやう

《感想2》
詩人は、心も夢も亡び、茫然として、記憶がない。《過去》を失った彼は、自己の正体を掴めない。(ただし世界の中心に、感覚する面倒な身体があることは《現在》に属し、その身体は自己と呼ばれ続ける。)自己の正体を掴めない者は、何者でもなく、彼はまるで気体であり、揺れめまいがする。

何ももう要求がないといふことは
もう生きてゐては悪いといふことのやうな気もする
それかと云つて生きてゐたくはある
それかと云つて却に死にたくなんぞはない

《感想3》
詩人は、「何ももう要求がない」。つまり詩人は欲望=自発性がない。生命とは欲望=自発性だ。それがないから彼は生きていない。生きていないのだから「もう生きてゐては悪いといふことのやうな気もする」こととなる。死者(《死んだ生体》)が、「生きてゐる」と呼ばれてはいけないのだ。
《感想3-2》
詩人の最後の欲望=自発性は、《死んだ生体》から、ただの《死体》になることだけは拒否することだ。彼は、(ア)希望がまだあるか(「夢」が完全に滅びていないと思い直したか)、(イ)《死体》になることを恐怖するか、いずれかだ。(なお君の場合は、(ウ)わざわざ死ぬのが面倒くさいから、《死体》になることを拒否する。)

あゝそれにしても、
諸君は何とか云つてたものだ
僕はボンヤリ思ひ出す
諸君は実に何かかか云つてゐたつけ

《感想4》
詩人は、「心」や「夢」をめぐり、諸君が「何とか云つてた」ことを突然、「ボンヤリ思ひ出す」。ただし「云つてた」ことは思い出すが、内容は思い出さない。かくて彼は、《死んだ生体》のままだ。

《注》
詩の区分けは、原詩のままである。
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