※沖田瑞穂(1977-)『すごい神話』(2022)第三章 女神と女性の神話(31~41)
(1)ギリシア神話の「最初の人間の女」であるパンドラは「災いの女」だ!
ギリシア神話のパンドラは「最初の人間の女」だ。そして「災いの女」だ。神々が、自分たちに逆らって人間の味方をしたプロメテウスを罰するために創り出した女だ。
《参考1》ゼウスが「人間と神を区別する」と考えた際、プロメテウスは「その役割を自分に任せて欲しい」と頼み了承を得た。プロメテウスは牛を殺し二つに分け、一方は「《食べられない皮》で包んだ肉と内臓」、もう一方は「《美味しそうな脂身》を巻きつけた骨」とした。そしてゼウスに、どちらかを神々の取り分として選ぶよう求めた。ゼウスは「《美味しそうな脂身》に巻かれた骨」を選び、人間の取り分は美味しい「肉や内臓」になった。(これはプロメテウスの計画だった。)ゼウスは騙されて怒り人類から「火」を取り上げた。(またこの時から人間は「肉や内臓」のように「死ねば腐ってなくなる運命」を持つようになった。)
《参考1-2》プロメテウスは、「火」を取り上げられた人類を哀れみ、人類に「火」を渡した。人類は「火」で恩恵を受けたが、同時にゼウスの予言通り人類は「火」を使って武器を作り戦争を始めた。
《参考1-3》これに怒ったゼウスは、プロメテウスを山頂に磔にし、生きながらにして毎日肝臓を巨大な鷲についばまれる責め苦を強いた。プロメテウスは不死であるため、肝臓は夜中に再生し、のちに3万年後ヘラクレスに解放されるまで拷問が行われた。
《参考2》怒ったゼウスは、さらに人類に災いをもたらすため「女性」を作るよう鍛冶の神ヘパイストスに命令した。ヘパイストスは泥から女性をつくり、神々は彼女に贈り物(パンドラ)を与えた。(この女性自身、パンドラと呼ばれる。)(ア)アテナは「織機や女のすべき仕事の能力」を、(イ)アプロディテは「男を苦悩させる魅力」を、(ウ)ヘルメスは「犬のように恥知らずで狡猾な心」をこの女性(パンドラ)に与えた。そして(ウ)神々は最後に「決して開けてはいけない」と言い含めパンドラにピトス(「甕」;後に「箱」とされた)を持たせ、プロメテウスの弟であるエピメテウスの元へ送り込んだ。
《参考2-2》美しいパンドラを見たエピメテウスは、兄プロメテウスの「ゼウスからの贈り物は受け取るな」という忠告を忘れ、パンドラと結婚した。そしてある日パンドラは好奇心に負け甕(箱)を開いてしまう。すると様々な災い(疫病、悲嘆、欠乏、犯罪など)が飛び出した。「最初の人間の女」であるパンドラが人類に災厄をもたらした。しかし「希望」(エルピス)のみは甕(箱)の底に残った。
《参考3》ギリシアにも洪水神話がある。①最高神ゼウスは「邪悪な人類」を滅ぼすことにした。②しかしピュラ(エピメテウスとパンドラの間にできた娘)とデウカリオン(プロメテウスの息子;ピュラの夫)とは正しい人間だったので、プロメテウスから教えられて造った箱舟に乗った。③最高神ゼウスは大雨を降らせて地上に大洪水を起こした。④箱舟に乗って助かったデウカリオンとピュラの二人が、洪水が引いたあとで、神託の教えに従って石を拾って肩越しに投げると、デウカリオンの投げた石は「男」に、ピュラの投げた石は「女」になった。
(1)ギリシア神話の「最初の人間の女」であるパンドラは「災いの女」だ!
ギリシア神話のパンドラは「最初の人間の女」だ。そして「災いの女」だ。神々が、自分たちに逆らって人間の味方をしたプロメテウスを罰するために創り出した女だ。
《参考1》ゼウスが「人間と神を区別する」と考えた際、プロメテウスは「その役割を自分に任せて欲しい」と頼み了承を得た。プロメテウスは牛を殺し二つに分け、一方は「《食べられない皮》で包んだ肉と内臓」、もう一方は「《美味しそうな脂身》を巻きつけた骨」とした。そしてゼウスに、どちらかを神々の取り分として選ぶよう求めた。ゼウスは「《美味しそうな脂身》に巻かれた骨」を選び、人間の取り分は美味しい「肉や内臓」になった。(これはプロメテウスの計画だった。)ゼウスは騙されて怒り人類から「火」を取り上げた。(またこの時から人間は「肉や内臓」のように「死ねば腐ってなくなる運命」を持つようになった。)
《参考1-2》プロメテウスは、「火」を取り上げられた人類を哀れみ、人類に「火」を渡した。人類は「火」で恩恵を受けたが、同時にゼウスの予言通り人類は「火」を使って武器を作り戦争を始めた。
《参考1-3》これに怒ったゼウスは、プロメテウスを山頂に磔にし、生きながらにして毎日肝臓を巨大な鷲についばまれる責め苦を強いた。プロメテウスは不死であるため、肝臓は夜中に再生し、のちに3万年後ヘラクレスに解放されるまで拷問が行われた。
《参考2》怒ったゼウスは、さらに人類に災いをもたらすため「女性」を作るよう鍛冶の神ヘパイストスに命令した。ヘパイストスは泥から女性をつくり、神々は彼女に贈り物(パンドラ)を与えた。(この女性自身、パンドラと呼ばれる。)(ア)アテナは「織機や女のすべき仕事の能力」を、(イ)アプロディテは「男を苦悩させる魅力」を、(ウ)ヘルメスは「犬のように恥知らずで狡猾な心」をこの女性(パンドラ)に与えた。そして(ウ)神々は最後に「決して開けてはいけない」と言い含めパンドラにピトス(「甕」;後に「箱」とされた)を持たせ、プロメテウスの弟であるエピメテウスの元へ送り込んだ。
《参考2-2》美しいパンドラを見たエピメテウスは、兄プロメテウスの「ゼウスからの贈り物は受け取るな」という忠告を忘れ、パンドラと結婚した。そしてある日パンドラは好奇心に負け甕(箱)を開いてしまう。すると様々な災い(疫病、悲嘆、欠乏、犯罪など)が飛び出した。「最初の人間の女」であるパンドラが人類に災厄をもたらした。しかし「希望」(エルピス)のみは甕(箱)の底に残った。
《参考3》ギリシアにも洪水神話がある。①最高神ゼウスは「邪悪な人類」を滅ぼすことにした。②しかしピュラ(エピメテウスとパンドラの間にできた娘)とデウカリオン(プロメテウスの息子;ピュラの夫)とは正しい人間だったので、プロメテウスから教えられて造った箱舟に乗った。③最高神ゼウスは大雨を降らせて地上に大洪水を起こした。④箱舟に乗って助かったデウカリオンとピュラの二人が、洪水が引いたあとで、神託の教えに従って石を拾って肩越しに投げると、デウカリオンの投げた石は「男」に、ピュラの投げた石は「女」になった。