DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

三好達治(1900-1964)「木兎(ミミヅク)」『一点鐘(イッテンショウ)』(1944年):詩人はかつての自分の出発点に帰る!

2018-04-27 21:38:21 | 日記
 木兎(ミミヅク) An Owl

木兎が鳴いてゐる An owl is hooting.
ああまた木兎が鳴いてゐる Ah, an owl hoots again.
古い歌 An old song.
聴きなれた昔の歌 My familiar old song.
お前の歌を聴くために In order to hear your song,
私は都にかへってきたのか・・・・・・ have I got back to the capital?
さうだ Yes, caertainly.
私はいま私の心にさう答える Now I reply so to my heart.

十年の月日がたつた Ten years have passed.
その間に 私は何をしてきたか During such years, what have I done?
私のしてきたことといへば As for what I have done,
さて何だろう・・・・・・ by the way, what is it?
ひとつひとつ 私は希望をうしなった One by one, I lost my hopes.
ただそれだけ That's all.

木兎が鳴いてゐる An owl is hooting.
ああまた木兎が鳴いてゐる Ah, an owl hoots again.
昔の声で In such an old voice,
昔の歌を歌つてゐる it sings an old song.

それでは私も お前の真似をするとしよう Then, I try to do the same as you.
すこしばかり歳をとつた この木兎もさ I have become old a little. So have done this owl too.

《感想1》
詩人は帰ってきた。十年ぶりだ。木兎が鳴く。聞き慣れた昔の歌を、木兎が歌う。昔のままの歌。
《感想2》
昔のままの歌を聞くために、結局、詩人は帰ってきた。この十年、希望は一つ一つ失われていった。
《感想3》
木兎が今、昔の声で昔の歌を歌っている。詩人も、昔の歌に帰るのだ。かつての自分の出発点に帰る。私も木兎も年をとったが、それは致し方ない。
《感想4》
挫折からの再出発だ。木兎は知恵者だ。知恵者は自暴自棄にならず、賢く自分の感情をコントロールする。
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(1)連想・比喩を原理とし融通無碍な言葉が、宇宙(物世界)の秩序(規則性)に服従する! (2) 物理法則は言うまでもなく、論理(数学)も、宇宙(物世界)の秩序(規則性)の、言葉への反射だ!

2018-04-27 01:06:10 | 日記
(1)
宇宙(物世界)に秩序(規則性)があるとは、不思議だ。
言葉が、物世界に服従する。
言葉は、連想・比喩を原理とし、融通無碍なのに、物世界に縛られる。
(2)
論理(数学)は、宇宙(物世界)の秩序(規則性)の言葉への反射だ。
物理法則が、この宇宙秩序の言葉への反射であることは、言うまでもない。
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