DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

映画『Swallowスワロウ』(2019年、米仏合作):私は多くの事を見てきた、さまよってきた、力を蓄えた、多くの人を失った!でも歌い続ける、私は強くなった、諦めない、世界を手に入れる!

2022-06-26 17:08:30 | 日記
「Swallow」は「飲み込む」の意。映画は、食べ物以外の物体を飲み込み続ける「異食症」となった新婚の妊婦を描く。
(1)
ニューヨーク。ブルーカラーの家出身のハンター(ヘイリー・ベネット)は、大企業の御曹司リッチーと結婚し誰もがうらやむような暮らしを手に入れた。しかし、仕事に忙しくまともに話を聞いてくれない夫。また彼女を蔑ろにする義父母(マイケルとキャサリン)など、彼女の日常は孤独で息苦しい。
※生きた羊が殺され、リッチーとハンターの結婚発表の食卓に出される。不吉な血塗られた予感。
※義母は「自己啓発」本をハンターに渡す。ハンターを気に入らない。
※義母は「髪をロングにしたら」とハンターに言う。「リッチーの好みはロングよ。」
(2)
ある日、ガラス玉を飲み込みたいという衝動にかられたハンターは、ガラス玉を飲み込む。さらに画鋲を飲み込む。ハンターは痛みとともに、充足感と快楽を感じる。異物を飲み込むことに多幸感を抱く。その後、ハンターはバッテリー、ねじ回しなど次々と飲み込む(Swallow)。
※ハンターは、最初は「氷」の硬さに惹かれた。「異食症」の予兆。
※「自己啓発」本に「新しいことを試みよ」と書いてあった。ハンターはガラス玉を「初めて」飲み込んだ。
※「絹のネクタイにアイロンをかけるな」と、リッチーがハンターに対して怒る。
※ハンターが義母と会う。「あなたは本当に幸せ」と義母がハンターに「謎かけ」する。
(3)
やがてハンターの妊娠が判明。夫と義父母は待望の第一子に歓喜の声をあげるが、ハンターの孤独はさらに深まる。リッチーがハンターを産婦人科へと連れて行く。腹部に異物が発見され、緊急手術によって飲み込んできた異物が取り出された。医者はハンターが「異食症」であると診断する。リッチーの両親はハンターに精神科の治療を受けさせる。
※掃除機に引っかかった鋭いピンをハンターは飲み込む。自傷行為。舌に刺さり出血する。ハンターは、一度吐き出すが、ついに飲み込む。ひどい痛み、しかし幸福感。
※ハンターが下血する。リッチーが様子を見に来るが、ハンターは隠す。
※ハンターは電池を呑みこむ。
※ハンターは「自己啓発」本を読みながら、頁を破り取って食べる。
※多くの異物がハンターの胃から見つかる。
※「異食症」と知ってリッチーが激怒する。
※精神科医が尋ねる。「異物を飲む快感」をハンターが述べる。
(4)
両親の命令もあり、リッチーは看護師ルエイ(男性、シリア内戦の経験者)にハンターの昼間の行動を監視させる。ハンターは息苦しさを感じ、ルエイへの敵意を剥き出しにする。ルエイが「異食症になったのは贅沢な暮らしが原因だ」と考えていたこともハンターの癇に障った。ハンターは隠れて異食を続ける。
※ルエイはハンターが部屋にもどる前に、身体検査する。だがハンターは部屋に隠しておいた金属ねじを呑みこむ。
(5)
ある日の精神科の治療で、ハンターは医者に告白した。「母親は酒場で見知らぬ男性にレイプされたと聞いている。私はそのときにできた子供だ。犯人は刑期を終え出所した。その男ウィリアム・アーウィンが、私の実の父親だ」。精神科医が「お母様は中絶を考えなかったのか」と尋ねると、ハンターは「母は敬虔なキリスト教徒(熱狂右派)なので、どんな理由があっても中絶はしない」と答えた。
※「継父は優しかった。母に疎まれることもなかった。」とハンター。
(6)
ほどなくして、ハンターはリッチーが自分の病気を友人らに漏らしていたことを知り、精神的なバランスを一段と崩す。リッチーと彼の両親はハンターを強引に施設に入院させることにした。ところが、入院の当日になってハンターは彼女に同情したルエイの協力によって脱走する。
※「知られたくなかった」とハンター。「みんな心配してくれてるんだ」とリッチーは気を悪くした。
※ハンターとリッチーは和解の努力もする。「変わり者でごめんね」とハンター。「理解する努力をする」とリッチー。
※精神科医が、母親のレイプの件をリッチーに電話で伝える。その電話をハンターは聞いてしまう。秘密を知られたハンターは精神的なバランスを崩す。ルエイが心配する。(ルエイはシリアの戦争帰りで優しい。)
※ハンターは、看護師ルエイの隙をみてドライバーを飲み込む。ルエイからのリッチーへの連絡で、ハンターは病院へ運ばれ、手術を受けた。
※両親はハンターを強引に施設に入院させようとする。「施設に行かないなら離婚だ」と父親が言う。子供が生まれるまで「7カ月間、施設に入る」とハンターは署名。ハンターの「結婚指輪」を義母が預かる。
※看護師ルエイの協力で、ハンターが脱走する。
※ハンターは、通りかかった車に乗せてもらい、モーテルに泊る。
(7)
その夜、電話でリッチーに別れを告げたハンターは、リッチーから口汚く罵られ、リッチーへの想いを断ち切った。
※電話で「とにかく帰って来てくれ」とリッチー。「あなたのために無理してた。でももう帰れない」とハンターが言う。「恩知らずのクソ女め。僕の子供を返せ」とリッチー。
※ハンターは不安になり「土」を食べる。
(8)
その後、ハンターは実の父親を訪ねた。彼は結婚し、幼い娘とともに幸せに暮らしていた。父親と2人きりになった時、ハンターは父親に詰め寄った。父親は「過去の自分の行動を恥じている」と言った。そして「ハンターは自分のような恥ずべき存在ではない」と言った。
※ハンターは、母親のもとに帰ろうと電話する。だが「部屋がない」と母親から、拒否された。
※そこで、ハンターは実の父親を訪ねた。パーティーの最中だった。アーウィン(父親)の誕生日だった。
※ハンターは、自分が「ジル・マッコイの娘」、つまり「アーウィンの娘」だと正体を明かした。驚くアーウィン。ハンターは、母親をレイプしたアーウィンを責める。アーウィンが「私は当時、自分を神だと思っていた。特別な大物だと思い込んでいた。だが刑務所に入って、自分が神でなく、ひどい男だとわかった」と言う。そしてアーウィンが「恥ずかしいことだった」と謝る。「君は何も悪くない」とアーウィンがハンターに言った。
(9)
ハンターは、自分の気持ちに整理をつけた。ハンターは1人でクリニックを訪れ、中絶薬を処方してもらう。ハンターは、フードコートで昼食をとりながら薬を飲み、公衆トイレで中絶する。(胎児を流す。)
(10)
映画のメッセージ:私は多くの事を見てきた。さまよってきた。力を蓄えた。成長した。多くの人を失った。でも歌い続ける。私は強くなった。諦めない。健康でいる。そして愛する人と過ごす。何度も繰り返し挑戦して、世界を手に入れる。

《感想》身分、階層、生活様式、教育等に「格差」のある結婚は、困難が多い。

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太宰治(1909-1948)『貨幣』(1946、37歳):「お前ら軍人は『悪い』。あたしたちは勝ってもらいたくてこらえているんだ。それをお前たちはなんだい。」とお酌の女のひとが言った!

2022-06-25 14:30:44 | 日記
※太宰治『貨幣』(1946、37歳):『女生徒』角川文庫(1954)所収

(1)私は「百円紙幣」で最初、1939年、東京で大銀行の窓口で大工さんに渡された!
私は「百円紙幣」。今は、すでに古くしわくちゃになってしまった。私は最初、何年も前に東京のある大銀行の窓口で若い大工さんに渡された。お金(私)はおかみさんに渡され、おかみさんは、質屋に私を渡し、預けてあった着物十枚を受け取った。(※1939年)(204-206頁)
(2)私は5年間、四国・九州と渡り歩き、6年ぶりで東京に戻った!
医学生が顕微鏡を質屋に預け、私(百円紙幣)を受け取った。その医学生は瀬戸内海の小さい旅館に宿泊するため、その旅館に私を渡した。だがその医学生は海に身を投じ死んだ。それから私は5年間、四国・九州と渡り歩き、6年ぶりで東京に戻った。(※1945年)(206頁)
(3)日本は1945年、「やぶれかぶれになっていた時期」だった!
日本は「やぶれかぶれになっていた時期」で、東京もすっかり変わってしまい、私(百円紙幣)は闇のブローカーの手から手へと次々と目まぐるしく渡り歩いた。私は皺くちゃになり、いろいろなものの臭気が体についた。そして東京には毎日「ドカンドカン、シュウシュウ」(空襲)があった。(206-207頁)
(4)この時期(1945年)、人間は「地獄の亡者がつかみ合いの喧嘩をしている」ようだった!
この時期、人間は「けだもの」みたいだった。自分or自分の家の安楽を得るため、隣人を罵り、あざむき、押し倒し、「地獄の亡者がつかみ合いの喧嘩をしている」ようだった。こんな「滑稽で悲惨な図」ばかり私(百円紙幣)は見せられていた。だが「楽しい思い出」もいくつかあった。その一つは東京から汽車で3、4時間で行けるある小都会に闇屋の婆さんに連れていかれた時のことだ。(207頁)
(5)闇屋の婆さん!葡萄酒の闇屋!軍人専用の煙草「ほまれ」を闇に流す陸軍大尉!
婆さんはその小都会に葡萄酒を買い出しに来て、私(百円紙幣)1枚で葡萄酒4升を手に入れた。(婆さんはこれを水で薄めて売る。)葡萄酒の闇屋は、私を陸軍大尉に手渡し、「ほまれ」という軍人専用の煙草100本と交換した。(後で数えると「実際には86本だった」と葡萄酒の闇屋は怒った。)(208-209頁)
(6)陸軍大尉は、薄汚い小料理屋で大酒を飲み、その上、酒癖が悪くお酌の女をずいぶんしつこく罵った!
新たに百円紙幣(私)を手に入れた陸軍大尉は、薄汚い小料理屋の二階で大酒を飲んだ。その上、大尉は酒癖が悪く、お酌の女をずいぶんしつこく罵った。「お前の顔は狐だ。お前はケツネ(狐)の屁で臭い。」階下で赤子の泣き声がすると、大尉が言った。「うるさい餓鬼だ、興がさめる。あれはお前の子か。お前はけしからん。子供を抱えてこんな商売をするとは、身のほど知らずだ。そんなさもしい女ばかりいるから日本は苦戦するのだ。」「日本は勝てるもんかい。だから、おれは毎晩こうして、酒を飲んで女を買うのだ。悪いか。」(209-211頁)
(7)お酌の女のひとが言った:お前ら軍人は「悪い」!あたしたちは勝ってもらいたくてこらえているんだ!それをお前たちはなんだい!
「悪い。」とお酌の女のひとが、顔を蒼くして言った。①狐(ケツネ)がどうしたっていうんだい。嫌なら来なければいい。②いまの日本でこうして酒を飲んで女にふざけているのは(軍の物資をくすねて闇に流している)お前たち軍人だけだ。③お前ら軍人の給料は、あたしたちの稼ぎからおかみに差し上げたものだ。お上はその金をお前たちにやって、こうして料理屋で飲ませている。馬鹿にするな。④女だから、子供だってできる。お前に文句を言われる理由はない。⑤いま゙乳飲呑子をかかえている女がどんなにつらい思いをしてるか、お前らにはわかるまい。乳房から乳も出ない。空(カラ)の乳房を子供はぴちゃぴちゃ吸う。この頃は吸う力もない。皺だらけの顔で一日中ヒイヒイ泣いている。⑥あたしたちは我慢しているんだ。勝ってもらいたくてこらえているんだ。⑦それをお前たちはなんだい。(211頁)
(8)突然、例の「ドカンドカン、シュウシュウ」(空襲)が始まった!
その時、爆音が聞こえ、突然、例の「ドカンドカン、シュウシュウ」(空襲)が始まり、小料理屋の障子が真っ赤に染まった。「とうとう来やがった」と大尉は叫んで立ち上がるが、泥酔してよろよろだ。お酌の人は階下に駆け降り、赤ちゃんをおんぶして、なんと再び二階に上がって来た。「さあ逃げましょう、早く。できそこないでもお国のためには大事な兵隊さんのはしくれだ。」お酌の女のひとは、ほとんど骨がないみたいに、ぐにゃぐにゃしている大尉をうしろから抱き上げるようにして歩かせ、階下へおろし、靴をはかせ、大尉の手を取って近くの神社の境内まで逃げた。(211-212頁)
(9)兵隊さん、向うのほうへ逃げましょう、ここで犬死にしてはつまらない!
大尉は神社で大の字に仰向けに寝転がってしまい、空の爆音にさかんに何やら悪口を言う。だがそこにもパラパラ火の雨が降って来て神社も燃え始めた。お酌の女の人が言った。「たのむわ、兵隊さん。もう少し向うのほうへ逃げましょうよ。ここで犬死にしてはつまらない。逃げられるだけは逃げましょうよ。」(212頁)
(10)お酌の女は、ただもう眼前の酔いどれの客を救おうとした!
私(百円紙幣)はこのとき思った。「人間の職業の中で、最も下等な商売をしていると言われているこの蒼黒く痩せこけた婦人が、私の暗い一生涯において一ばん尊く輝かしく見えた。」お酌の女は何の欲もなく、また見栄もなく、ただもう眼前の酔いどれの客を救おうとして、渾身の力で大尉を引き起こし、わきにかかえてよろめきながら、田圃の方に避難した。その直後、神社はもう火の海だった。(212-213頁)
(10)-2 日本は「欲望」と「虚栄」ために敗れた!
私(百円紙幣)(=太宰治)は思う。「ああ、欲望よ、去れ。虚栄よ、去れ。日本はこの二つのために敗れたのだ。」(212頁)
(10)-3 大尉はすでにぐうぐう高鼾だ!
麦を刈り取ったばかりの畑に、酔いどれの大尉を引きずり込み、小高い土手の陰に寝かせ、お酌の女自身もその傍(ソバ)にくたりと坐り込んで荒い息を吐いていた。大尉はすでにぐうぐう高鼾だ。(213頁)
(11)夜明け近く、大尉は眼を覚まし、傍らで居眠りしているお酌の女の人に気づいた!
1945年のその夜、その小都会の隅から隅まで焼けた。夜明け近く、大尉は眼を覚まし、起き上がり、なお燃え続けている大火事をぼんやり眺めた。そしてふと自分の傍らでこくりこくり居眠りしているお酌の女の人に気づいた。大尉は、なぜだかひどく狼狽し、逃げるように5、6歩歩きかけた。(※彼は泥酔した自分が、お酌の女に助けられたことを知った。)(213頁)
(11)-2  私(百円紙幣)が自身に幸福を感じたのは、この時だった!
だが大尉は引き返し、ズボンのポケットから私(百円紙幣)を引き出し、上衣の内ポケットからも私の仲間の百円紙幣を取りだし、6枚重ねて二つに折り、それを赤ちゃんの一番下の肌着のその下の地肌の背中に押し込んで、荒々しく走って逃げて行った。私(百円紙幣)が自身に幸福を感じたのは、この時だった。「貨幣」がこのような役目ばかりに使われるんだったら、どんなに私たちは幸福だろうと思った。(213頁)
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「リリー・マルレーン」Lili Marleen(マレーネ・ディートリヒMarlene Dietrich )兵舎の前、大きな門の前の街灯のところで、再び会いたい!昔みたいに、リリー・マルレーン!

2022-06-25 12:20:07 | 日記
Vor (Bei) der Kaserne, vor dem grossen Tor,
Steht eine Laterne,
Und steht sie noch davor.
Da wollen wir uns wiedersehn,
Bei der Laterne wolln wir stehn,
Wie einst, Lili Marleen.
Wie einst, Lili Marleen.
兵舎の前(そば)、大きな門の前に
街灯がある、
街灯は今もそこにある。
その場所でともに再び会いたい、
街灯のところで会いたい。
昔みたいに、リリー・マルレーン。
昔みたいに、リリー・マルレーン。

Unsre beiden Schatten, sahn wie einer aus.
Dass wir lieb uns hatten,
Das sah man gleich daraus.
Und alle Leute solln es sehn,
Wenn wir bei der Laterne stehn,
Wie einst, Lili Marleen.
Wie einst, Lili Marleen.
俺たち二人の影は一つに見えた。
俺たちがお互いを愛したことは
一目見ればわかるほどだった。
そして誰もが見るはずだ、
街灯のそばに俺たちが立てば。
昔みたいに、リリー・マルレーン。
昔みたいに、リリー・マルレーン。

《※3番の歌詞は省略されることがある》

Deine Schritte kennt sie,
Deinen schoenen gang.
Alle Abend brennt sie,
Doch mich vergass sie lang:
Und sollte mir ein Leid geschehn,
Wer wird bei der Laterne stehn,
Mit dir, Lili Marleen?
Mit dir, Lili Marleen?
君の靴音を街灯は知っている、
君の美しい歩く姿も。
毎晩、街灯は点る、
だけど俺のことを街灯は長く忘れてしまった。
そして俺を不運(戦死)がおそったら、
誰が街灯のそばに立つのだろう、
君、リリー・マルレーンとともに?
君、リリー・マルレーンとともに?

Aus dem stellaren (tiefen) Raume, aus der Erde Grund,
Hebt sich wie im Traume,
Dein verliebter Mund.
Wenn sich die spaetern Nebel drehn,
Wer wird bei der Laterne stehn,
Mit dir, Lili Marleen?
Mit dir, Lili Marleen?
恒星の(深い)宇宙から、大地の底から、
夢のように浮かびあがる、
君の愛すべき唇。
夜霧が渦巻く時、
誰が、街灯のそばに立つのだろうか、
君、リリー・マルレーンとともに?
君、リリー・マルレーンとともに?

《※3番の歌詞》
Schon rief der Posten: Sie bliesen Zapfenstreich;
Es kann drei Tage kosten.
Kam'rad, ich komm ja gleich.
Da sagten wir auf Wiedersehn.
Wie gerne würd' ich mit dir gehn.
Mit dir, Lili Marleen.
Mit dir, Lili Marleen.
もう歩哨が叫んだ。帰営のラッパが鳴った。
「遅れたら営倉3日だ。」
「わかりました、すぐ行きます。」
だから俺たちはお別れを言った。
君とともにいられたらよかったのに。
君、リリー・マルレーンとともに。
君、リリー・マルレーンとともに。

【詞:HANS LEIP】
【曲:SCHULTZE NORBERT】
【歌:MARLENE DIETRICH 1901-1992】
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『美川憲一コンサート2022~こころに花を~』中野サンプラザホール(2022.06.20):「お金をちょうだい」は、健気な歌!柳瀬商店街(岐阜)はシャッター商店街になっていて残念だった!

2022-06-24 12:24:26 | 日記
『美川憲一コンサート2022~こころに花を~』で、美川憲一は昭和の「さそり座の女」「柳瀬ブルース」、平成の「火の鳥」「おだまり」、令和の「こころに花を」など全21曲を披露した。トークが楽しかった。
(1)「お金をちょうだい」は、健気な歌。男と別れる女が、別れた後、アパートを借りるお金がないから「お金をちょうだい」と言っている。「カネの亡者」の歌ではない。
(2)美川憲一がトークで言った。「柳瀬ブルース」を歌いに柳瀬商店街(岐阜)に行ったけれど、今はシャッター商店街になっていて、残念だった。だけど人がどんどん湧いてくるように集まって、びっくりした。
(3)この年齢になると歌詞を覚えるのが大変。新曲(「別れてあげる」)を歌うのに「間違えたらどうしよう」と思いながら歌ったとのこと。コンサートの最後に、「一曲も間違えなかったわ」とほっとしていた。
(4)美川憲一は1946年生まれ、73歳なのに、よく声が出ていた。しっかり歌のトレーニングをしているように思えた。
(5)「おだまり」は男の口説きに対する女の反論。「お金じゃないと彼は言う。おだまり、おだまり。あんたその手で 何人くどいた。」「夢みる女はかわいくて、悪魔のえじきに なりやすい。何が悪魔ヨ。あんたがよっぽど悪魔!」
(6)「さそり座の女」が言う。「あなたはあそびのつもりでも、地獄のはてまでついて行く。思いこんだら、いのち、いのち、いのちがけよ。」これは実は、男性が望む女性観だ。女性はもっと賢く合理的に計算するのが普通。
(7)「火の鳥」は男への女の未練を歌う。「あたしから切り出して御破算にしたのに、あの女(ヒト)と別れたと噂を聞いてまた燃える。火の鳥みたいなあなた、炎の翼を広げ思い出から今甦る。」ただし逆に、女への男の未練もある。(Cf. ストーカー!)
(8)「柳瀬ブルース」は次のように歌う。①雨の降る夜は心もぬれる。まして一人じゃなお淋し。憎い仕打とうらんでみても、戻っちゃこないあの人は。ああ、柳ヶ瀬の夜に泣いている。(※降る雨で心もぬれる。「心に雨が降る」という想像上の比喩。)②二度と逢えない人なのに、なぜか心が又いたむ。忘れたいのにあの夢を想い出させる、この酒が。ああ、柳ヶ瀬の夜に泣いている。(※酒は「理性」を弱める。非合理な感情が優勢となる。)③青い灯影につぐ酒は、ほろり落したエメラルド。もだえ身を焼く火の鳥が、雨に打たれて夜に泣く。ああ、柳ヶ瀬の夜に泣いている。(※美川憲一さんが涙を「エメラルド」に例えるのはお洒落だと言っていた。)
(9)「こころに花を」はとてもまじめな歌。「あなたと咲かせた花ひとつ。優しさぬくもりこの身に受けて、見慣れた町並み景色にさえも、生きる喜び感じています。」(※人は、人ともにのみ生きる。これが人の世の法則=真理だ。)

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『堀内誠一 絵の世界展』ベルナール・ビュフェ美術館:堀内誠一氏は、生涯で60冊を超える絵本を手がけた!Ex. 「ぐるんぱのようちえん」(1966年)!

2022-06-19 15:16:22 | 日記
(1)堀内誠一(1932-1987)氏略歴!
堀内誠一(1932-1987)氏の「絵の世界」に注目した展覧会。堀内氏は雑誌のアートディレクターを務め、雑誌のロゴデザインや本の装丁、ポスターのデザインなど多彩な仕事を展開した。1958年には絵本「くろうまブランキー」の絵を担当、生涯で60冊を超える絵本を手がけた。1968-1969年、澁澤龍彦とともに季刊誌『血と薔薇』を編集。1974年、フランス・パリ郊外アントニーに移住。パリ在住日本人向けミニコミ誌『イリフネ・デフネ』(現『OVNI』)創刊に参画。1981年まで定住。1987年、死去。堀内氏がデザインした雑誌『an an』『POPEYE』『BRUTUS』『Olive』は現在もそのロゴを使用する。
(2)本展の内容!
本展は、堀内さんが10代の頃に描いた油絵作品(初公開)をはじめ、数々の絵本の原画、デザインにおける作画、雑誌のためのカットなど、堀内さんの創作の原点ともいえる「描くこと」に着目。54年の短い生涯で残した多彩な作品から、堀内さんの絵の世界をひもとく。
(3)堀内誠一氏が絵を担当した本(例)!
「くろうまブランキー」(1958)、「ぐるんぱのようちえん」(1966)、「たろうのおでかけ」(1966)、「おやゆびちーちゃん」(1967)、「ふらいぱんじいさん」(1969)、「ちのはなし」(1972)、「銀のほのおの国」(1972)、「ぴよ ぴよ」「かっきくけっこ」「あっはっは」(1972、谷川俊太郎と共作「ことばのえほん」シリーズ)、「マザー・グースのうた」(1975)、「めのはなし」(1977)、「お父さんのラッパばなし」(1977)、「こすずめのぼうけん」(1977)、「秘密の花園」(1979)、「てんのくぎをうちにいった はりっこ」(1985)

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