金魚のお墓
暗い、さみしい、土のなか、
金魚はなにをみつめてる。
夏のお池の藻の花と、
揺れる光のまぼろしを。
靜かな、靜かな、土のなか、
金魚はなにをきいている。
そっと落葉の上をゆく、
夜のしぐれのあしおとを。
冷たい、冷たい、土のなか、
金魚はなにをおもってる。
金魚屋の荷のなかにいた、
むかしの、むかしの、友だちを。
《感想1》
①死の世界のイメージは、詩人にとって、どのようなものか?
①-2 それは「暗い」、「さみしい」、「静か」、「冷たい」。そして「土の中」!しかも晩秋を示す「落葉」、「夜」、「しぐれ」!
②死んだ金魚が「見つめてる」のは、《過去》、つまり生きていた時のこと。では、生きることのイメージは、どのようなものか?
②-2 それは「夏」、「花」、「光」。
②-3 そして死の世界から見る時、生の世界は「揺れる」「まぼろし」である。
《感想2》
③死んだ金魚が「きいている」のは、《現在》のこと。だから、それは、死の世界にふさわしい音である。
③-2 すなわち「落葉」、「夜」、「しぐれ」をめぐる音。
③-3 死の世界から聞く、生の世界に属す音は、姿を持たない。だから、それは、「あしおと」。
《感想3》
④死んだ金魚が「おもってる」のは、《過去》、つまり生きていた時のこと。
④-2 自分が生きていた時の「むかしの、むかしの、友だち」ばかりを、金魚は思う。
④-3 つまり、生の世界で最も大切なのは、「友だち」だと、詩人は言う。
THE GRAVE OF A GOLDFISH
In the dark, lonely soil,
What does a goldfish stare at?
At a flower of water grass in a pond in summer,
And a shaking phantom of light.
In the quiet, so quiet soil,
What does a goldfish listen to?
To footsteps of light rain at night,
Proceeding softly on fallen leaves.
In the cold, so cold soil,
What does a goldfish think about?
About old, so old friends
Together in a burden of a goldfish shop.
暗い、さみしい、土のなか、
金魚はなにをみつめてる。
夏のお池の藻の花と、
揺れる光のまぼろしを。
靜かな、靜かな、土のなか、
金魚はなにをきいている。
そっと落葉の上をゆく、
夜のしぐれのあしおとを。
冷たい、冷たい、土のなか、
金魚はなにをおもってる。
金魚屋の荷のなかにいた、
むかしの、むかしの、友だちを。
《感想1》
①死の世界のイメージは、詩人にとって、どのようなものか?
①-2 それは「暗い」、「さみしい」、「静か」、「冷たい」。そして「土の中」!しかも晩秋を示す「落葉」、「夜」、「しぐれ」!
②死んだ金魚が「見つめてる」のは、《過去》、つまり生きていた時のこと。では、生きることのイメージは、どのようなものか?
②-2 それは「夏」、「花」、「光」。
②-3 そして死の世界から見る時、生の世界は「揺れる」「まぼろし」である。
《感想2》
③死んだ金魚が「きいている」のは、《現在》のこと。だから、それは、死の世界にふさわしい音である。
③-2 すなわち「落葉」、「夜」、「しぐれ」をめぐる音。
③-3 死の世界から聞く、生の世界に属す音は、姿を持たない。だから、それは、「あしおと」。
《感想3》
④死んだ金魚が「おもってる」のは、《過去》、つまり生きていた時のこと。
④-2 自分が生きていた時の「むかしの、むかしの、友だち」ばかりを、金魚は思う。
④-3 つまり、生の世界で最も大切なのは、「友だち」だと、詩人は言う。
THE GRAVE OF A GOLDFISH
In the dark, lonely soil,
What does a goldfish stare at?
At a flower of water grass in a pond in summer,
And a shaking phantom of light.
In the quiet, so quiet soil,
What does a goldfish listen to?
To footsteps of light rain at night,
Proceeding softly on fallen leaves.
In the cold, so cold soil,
What does a goldfish think about?
About old, so old friends
Together in a burden of a goldfish shop.