DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

銀色夏生(1960-)「顔」『詩集 すみわたる夜空のような』(2005年)所収:(a)美男子の「顔」に惹かれ、「男運が悪い」女性、あるいは(b)蓼(タデ)食う虫も好き好き」で「縁は異なもの」!

2018-04-11 20:02:25 | 日記
 「顔」    A face

知らない人から好かれるのはいやだけど
顔を見て考え直した
好きな顔だったから

I don't like to be favored by an unknown man.
However, I reconsidered this thought because he had a face that I favored.

顔って何だろう
顔の力ってあるなあ
強いと思っていた意志も
ついふらふらと
ぐらりとゆれる

What does a face mean?
What a remarkable power a face has!
I think that I have had a strong will.
However, the will is abruptly tempted and strongly shaken.

こんなことから人生って
狂っていくのかな

Does a life begin to lose its ordinary way from such a kind of thing?

《感想1》
美人の女性は、昔から男性に好まれる。不思議だ。これは、人間の男性の本質的な欲望だ。美・普通・醜の区別を人間の男性は、必ずする。そのように人間の男性は造られている。男性優位の社会で、今も女性の美人は商品として高価に売れる。労働力市場で、女性の美人は、就職が有利だ。

《感想2》
磐長姫(イワナガヒメ)は醜く嫌われ、美しい妹の木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)のように嫁げず、この世を恨んだ。
トロイアの王子パリスが、スパルタの絶世の美女ヘレネを奪い、それが、トロイア戦争の原因となった。
クレオパトラは、カエサルとオクタビアヌスを誘惑し、「ナイルの魔女」と呼ばれた。
楊貴妃は、傾城(ケイセイ)であり、国を傾けた。

《感想3》
人間の女性が、好きな男性を、「顔」で判断することがある。配偶者を、派手な羽や皮膚の色で選択する動物の雌もいるから、人間の女性が同様の行動をとるのは、当然だろう。

《感想4》
美人の女性の「顔」に惹かれ、男性の人生が狂うこともある。「女難」の典型的なケースだ。
これに対し、この詩人(女性)は、美男子の「顔」に惹かれ、「男運が悪い」かもしれない。

《感想5》
女性が、美男子でない男性の「顔」に惹かれることもある。「蓼(タデ)食う虫も好き好き」、あるいは「割れ鍋に綴蓋(トジブタ)」で、「縁は異なもの」だ。

《感想6》
「顔」は確かに、不思議なもので、その人の人格を示す。リンカ―ンは「人生40歳を越えたら自分の顔に責任を持たねばならない」と言った。
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