スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

白隠の健康法

2013年12月14日 | 雑感
『駿河には 過ぎたるものが 二つあり 富士の白嶺と 白隠禅師』 といわれる。

臨済宗中興の祖・江戸中期の禅僧白隠(1685~1768)。  

著書『夜船閉話』(やせんかんな)は有名。 達磨の絵でもしられ、1万点にも及ぶ書画を残す。


         

          

白隠が厳しい修業で悟ったと思いこみ、天狗になっていばりくさった若い頃。
その思いを、正受老人に木端微塵に打ち砕かれる。
その後命がけの修業をしたが、心身の病に倒れる。 禅病である。
いまでいうノイローゼか。 肺病も煩い、命を落とさんばかりに至る。
これを見事に克服したのが、白幽仙人に伝授された【内観の秘宝】という健康法。

(白隠の説く呼吸法は、天台智ぎ著『摩訶止観』とそれをコンパクトにまとめた『天台小止観』がもとという)

こんな方法だそうです。

  まず、床の上に天井をむいて静かに横たわる。 枕の高さ硬さは各自。
  目は軽く閉じ、両手両足をも適当に開き力をぬく。
  首・肩・背骨・腰・脚の筋肉なども力をすっかりぬいてしまう。
  蒲団にすべてを打ちまかせる。
  力を腰から下に入れ静かにかるく呼吸をし、多少気が落ち着き始めたら、こんどはやや深くゆっくり息をし、
  息をすいこんでしまってから、かすかに息を止め、静かに吐き出す。
  吐き出す要領は、吸い込んだ息を下腹(丹田~へその下)へ落とし入れる感じで、細くゆっくりと吐き出す。
  抱いている心の思いをすべて投げ放ち、精神を統一して深く心を内観する。
  これを30分ほど続ける。


腹式(丹田)呼吸法は、インドのヨガ・道教の気功・仏教の座禅 、、、等々とどこか源は同じかなとも感じます。

無理に呼吸法を型にはめようとせず、楽な呼吸を自分なりに、静かに続けてみたいものです。

精神は交感神経を仲立ちとして内臓に連なっているので、心身の安静・調和は慢性の長い療養(神経症や難病等)には効果があるのかも知れません。

あの良寛さんも実践していたようです。

形式仏教を排斥し、紫の衣(高い位)をも拒否し、生涯無位(黒衣)の僧としての白隠の生き方、、、世の中には凄い人もいるものですね。

  白隠の言葉に、ん~と頷ける言葉ありました。 著書『座禅和讃』の一節より。

   『 無念の念を  念として  歌うも  舞うも  法(のり)の声 』

                     (法(のり・ほう)とは、ありのままの世界・宇宙、、、と勝手に解釈)


酒と温泉と旅の会(山岳会から改名)仲間に帯状疱疹で辛い思いをしている人がおります。
医学も発達し、現代人はそこに頼るしかないのですが、古(いにしえ)の智慧にも学ぶことも一考。

早く完治して、美味しい酒が呑めるように。 また皆さんも健康で過ごされんことを祈ります。