これは、10年前に書いたレポート。
依頼があり、あるところへ提出するのに書いたもの。
子ども同士のいざこざの対応
「3年生男子M君」と「2年生男子Y君」はいつも楽しそうに遊んでいた。
しかし、Y君がふざけてちょっかいを出す事が、M君には「いじめられている」と感じることがあるようであった(そのことを日記に書いてきていた。)
そのため、たえず気をつけて二人の様子を見ていたが、楽しんでいるという印象にしか見えなかった。
また、Y君に「Mと仲がいいなぁ、Mのこと好きか?」と聞くと「うん」という返事が返って来た。
そして、これらのことはM君の保護者には所見表で伝えていた。
M君の保護者から次のような返事があった。
「最近Mはドッジボールが苦手で、学校でそのことを友達に指摘され落ち込む事が多いのです。それで少し神経過敏なり、少林寺拳法でも友達
に何か言われると「いじめられている」と思ったのかもしれません。Y君も一緒に遊ぼうと言う表現でMにちょっとちょっかいをだしたのだ
と思います。しばらくは、親も神経質にならないで見守ろうと思います。」
しかし、先日の稽古終了後、M君がお母さんに伴われて長坂のところにきた。泣きながら「Y君にいじめられた。」と訴えてきた。
私のそばにY君とY君のお母さんもいた。
長坂は次の通り対応した。
①M君、Y君、長坂の三人で話をした。お母さん達には外で待っていてもらった。
②まず、いじめられたというM君から状況と事情を詳しく聞いた。
M君「Y君と他の二人に体育倉庫に閉じ込められた。1回目は自分で開けて出た。次
は出してもらえなかった。」
あとの二人は誰かを聞くがよく分からないという。Y君に確認すると正直に教えてくれた。
しかし、その二人はもう帰宅していた。他にあいまいな点を確認した。
③Y君に、「今のことは本当か? 違うところや言いたいことがあったら言ってごらん。」
とやさしく聞いた。Y君は、「本当・・」だと答えた。
④M君はY君に先に何かしたのかを聞いた。
「何もしていない」という。
⑤Y君に「ふざけてやったのか」「いじめたのか」を聞く。
「いじめた」という答え。これは意外だった。本人の中に悪い事をしたという認識が
あり、それが「いじめた」という返答になったと考えた。正直に答えたのはほめた。
⑥Y君にその理由を聞いた。
答えなかった。「ふざけすぎたんかな?」とフォロー。
⑦さらにY君に「やったことをどう思うか?」を聞いた。
Y君「悪いと思う。」
⑧M君に悪い部分はなかったのかを確認した。
M君は「あとで仕返しをした」と答えた。
⑨Y君は10個のうち、何個悪いと思う?
「9」
「残りの1は?」(回答はなかった。)
⑩M君は全く悪くはないと思う?
「仕返しをしたから5悪い」と答えた。
⑪次のように謝らせた。
「でも、先にやったほうが当然悪いね。だからY君は9の分ちゃんと謝ろう。きちん
と目を見て謝ろう。」
そのあと、M君も謝っていた。(指示はしていないが自主的に謝っていた。)
⑫最後に次のようにまとめた。
「たぶん、Y君はM君が好きだから、ついふざけてやってしまったんだよね。でもM
君にはそれはとてもいやだと感じたんだね。Y君が悪くないと思ってやっても、M君
がいやだと思えばそれはしてはいないね。(あだなを例に簡潔に話した。)Y君はこ
れから気をつけなさい。M君もこれで許してあげてください。では、二人で握手をし
てもうこの話しは終わりにしよう。男だから、終わったことはごちゃごちゃ言っては
いけない。先生もいいません。三人で約束しましょう。」
二人は納得して帰って行った。次の稽古の時も一緒に遊んでいた。
次の日記で、M君は次のように書いてきた。
「Y君と話しが出来てすっきりしました。これからは仲良くします。」
翌日、Y君のお母さんから、「昨日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。事情を詳しく聞きたかったです。子ども同士はすつきりして
も、親同士が気まずくなります。」とメールを頂いた。すぐに、直接電話して、
①昨日はばたばたしていてゆつくり説明できず申し訳なかった事を話した。
②今までの事も含めて事情、対応をきっちりと説明した。
③「先方には次に出会ったときに一言声をかけておけばどうですか。」と助言をした。
Y君のお母さんは納得してくれていた。
(対応後の感想)
①今回は一連の経緯から、けんかの類の対応をしたが、いじめの要素を感じた場合は、向山型で全員を巻き込んで対応しなくてはいけない。
②保護者への説明の必要性も感じた。直接話ししたのは正解。感情的な問題は手紙やメールではうまく伝わらない事もある。
依頼があり、あるところへ提出するのに書いたもの。
子ども同士のいざこざの対応
「3年生男子M君」と「2年生男子Y君」はいつも楽しそうに遊んでいた。
しかし、Y君がふざけてちょっかいを出す事が、M君には「いじめられている」と感じることがあるようであった(そのことを日記に書いてきていた。)
そのため、たえず気をつけて二人の様子を見ていたが、楽しんでいるという印象にしか見えなかった。
また、Y君に「Mと仲がいいなぁ、Mのこと好きか?」と聞くと「うん」という返事が返って来た。
そして、これらのことはM君の保護者には所見表で伝えていた。
M君の保護者から次のような返事があった。
「最近Mはドッジボールが苦手で、学校でそのことを友達に指摘され落ち込む事が多いのです。それで少し神経過敏なり、少林寺拳法でも友達
に何か言われると「いじめられている」と思ったのかもしれません。Y君も一緒に遊ぼうと言う表現でMにちょっとちょっかいをだしたのだ
と思います。しばらくは、親も神経質にならないで見守ろうと思います。」
しかし、先日の稽古終了後、M君がお母さんに伴われて長坂のところにきた。泣きながら「Y君にいじめられた。」と訴えてきた。
私のそばにY君とY君のお母さんもいた。
長坂は次の通り対応した。
①M君、Y君、長坂の三人で話をした。お母さん達には外で待っていてもらった。
②まず、いじめられたというM君から状況と事情を詳しく聞いた。
M君「Y君と他の二人に体育倉庫に閉じ込められた。1回目は自分で開けて出た。次
は出してもらえなかった。」
あとの二人は誰かを聞くがよく分からないという。Y君に確認すると正直に教えてくれた。
しかし、その二人はもう帰宅していた。他にあいまいな点を確認した。
③Y君に、「今のことは本当か? 違うところや言いたいことがあったら言ってごらん。」
とやさしく聞いた。Y君は、「本当・・」だと答えた。
④M君はY君に先に何かしたのかを聞いた。
「何もしていない」という。
⑤Y君に「ふざけてやったのか」「いじめたのか」を聞く。
「いじめた」という答え。これは意外だった。本人の中に悪い事をしたという認識が
あり、それが「いじめた」という返答になったと考えた。正直に答えたのはほめた。
⑥Y君にその理由を聞いた。
答えなかった。「ふざけすぎたんかな?」とフォロー。
⑦さらにY君に「やったことをどう思うか?」を聞いた。
Y君「悪いと思う。」
⑧M君に悪い部分はなかったのかを確認した。
M君は「あとで仕返しをした」と答えた。
⑨Y君は10個のうち、何個悪いと思う?
「9」
「残りの1は?」(回答はなかった。)
⑩M君は全く悪くはないと思う?
「仕返しをしたから5悪い」と答えた。
⑪次のように謝らせた。
「でも、先にやったほうが当然悪いね。だからY君は9の分ちゃんと謝ろう。きちん
と目を見て謝ろう。」
そのあと、M君も謝っていた。(指示はしていないが自主的に謝っていた。)
⑫最後に次のようにまとめた。
「たぶん、Y君はM君が好きだから、ついふざけてやってしまったんだよね。でもM
君にはそれはとてもいやだと感じたんだね。Y君が悪くないと思ってやっても、M君
がいやだと思えばそれはしてはいないね。(あだなを例に簡潔に話した。)Y君はこ
れから気をつけなさい。M君もこれで許してあげてください。では、二人で握手をし
てもうこの話しは終わりにしよう。男だから、終わったことはごちゃごちゃ言っては
いけない。先生もいいません。三人で約束しましょう。」
二人は納得して帰って行った。次の稽古の時も一緒に遊んでいた。
次の日記で、M君は次のように書いてきた。
「Y君と話しが出来てすっきりしました。これからは仲良くします。」
翌日、Y君のお母さんから、「昨日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。事情を詳しく聞きたかったです。子ども同士はすつきりして
も、親同士が気まずくなります。」とメールを頂いた。すぐに、直接電話して、
①昨日はばたばたしていてゆつくり説明できず申し訳なかった事を話した。
②今までの事も含めて事情、対応をきっちりと説明した。
③「先方には次に出会ったときに一言声をかけておけばどうですか。」と助言をした。
Y君のお母さんは納得してくれていた。
(対応後の感想)
①今回は一連の経緯から、けんかの類の対応をしたが、いじめの要素を感じた場合は、向山型で全員を巻き込んで対応しなくてはいけない。
②保護者への説明の必要性も感じた。直接話ししたのは正解。感情的な問題は手紙やメールではうまく伝わらない事もある。