習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ブラック・スワン』

2011-05-16 22:23:10 | 映画
 これはナタリー・ポートマンが、本年度アカデミー主演女優賞を受賞した作品である。彼女が入魂の演技を披露してくれる。監督は奇才ダーレン・アロノフスキー。いつもの彼とは少し違って、今回はちゃんとハリウッド大作映画、している。だが、どうしてもいつもの癖が出る。後半、B級ホラー映画のタッチで畳みかける。でも、そこがいい。結局は、気取らないのだ。  バレリーナが主人公。『白鳥の湖』で、初めて主役に抜擢され . . . 本文を読む
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売込隊ビーム『僕のカー・オブ・ザ・イヤー』

2011-05-15 20:20:57 | 演劇
 これから充電期間に入る売込隊ビームの、しばし「お別れ」公演。15年というのは集団にとってけっこう微妙な時間だろう。真面目に活動を続けてきたなら、どうしても、袋小路に陥る。その時思い切って休めなければ徐々に減速してしまうか、いきなりストップすることになる。思い切った英断は必要なのだ。期間を決めないというのも、凄い。それだけ切実であり、本気なのだ。もしかしたら解散になるかもしれないという緊張も孕んで . . . 本文を読む
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月曜劇団『世の中の率』

2011-05-15 20:07:53 | 演劇
今回の月曜劇団は、バランスが悪い。だから、素直におもしろかった、とは言い切れない。しかし、このバランスの悪さは、敢えて選んだもので、彼らはこの状況の中で綱渡りのような芝居を作るということに挑戦している、と受け止められないでもない。 まぁ、西川さやかさんのことだから、あまり考えずに自分の好きなように作ったなら、こんな事になってしまっただけなのだろう。だだ、それだけのことだ。たぶん。しかし、それ . . . 本文を読む
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ヒキタクニオ『跪き、道の声を聞け』

2011-05-10 22:55:48 | その他
 400ページに及ぶ大作だが、とてもおもしろいから、一気に読める。読みながら、徐々にページをめくるスピードが、なんだかどんどんヒートアップしてくるのだ。次はどうなるのか、という興味からスピードが上がってしまうからだ。とても読みやすいエンタメ小説である。  ヤクザ専門の私立探偵が、行方不明になった組長(会長)を捜すうちに、巨大な陰謀に巻き込まれていく、というストーリーは、まぁ、よくあるタイプの話だ . . . 本文を読む
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齋藤智裕『KAGEROU』

2011-05-10 22:41:20 | その他
 世事にうといから、この小説の作者である齋藤智裕って、だれやねん、と思い、でも、帯のあきれるような文言に心打たれて読む気になった。図書館のカウンターに持っていくと驚かれた。「広瀬先生、こんなのも読むのですか!」って感じで。で、「えっ?」って感じ。(何か問題でも?)と思ったが、後で、この小説が噂の水島ヒロが本名で書いたものと知る。僕はまぁそんなことどうでもいい。面白いか否か、それだけだ。  読後の . . . 本文を読む
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小川糸『つるかめ助産院』

2011-05-10 22:27:11 | その他
なんだかとても癒された。『食堂かたつむり』の時もそうだったけど、食べるということの幸福って、人間にとって一番大切のことなのかもしれない、と思わされる。今回も食事のシーンがたくさんある。その度に、なんだかとてもほっとさせられる。それだけでもこの小説は成功している。 生きていると、いろんなことがあるけど、それを乗り超えていくため必要なことのひとつは食べることだ。そんな身も蓋もないことを、思う。だ . . . 本文を読む
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『八日目の蝉』

2011-05-09 21:29:59 | 映画
 2部構成になっていた原作とは異なり、娘の視点から全体を再構築してある。これは映画としては賢明な判断だろう。話が2つの時間を行き来するのも、映画なら見やすい。ただ、その結果、全く未来が見えない恐怖が描かれる原作の前半部分の怖さは幾分薄まってしまった。そのことは残念だ。あのドキドキ感は、この物語の大きな魅力だったのだが。  誘拐した赤ちゃんと供に、行く当てもなく彷徨っていく明日の見えない時間。その . . . 本文を読む
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『これでいいのだ!!  映画★赤塚不二夫』

2011-05-09 20:59:42 | 映画
 最初から予想していたことだったのだが、ここまでバカに徹することができるって、凄い。とことん大真面目にバカの極地を行く。赤塚不二夫の伝記映画を作るのなら、このやり方しかなかったのだろう。  終盤でシリアスになるシーンもあるにはあるのだが、この映画にとって大切なことはそこにはない。「おバカになりなさい」と浅野忠信扮する赤塚不二夫が語り、いくら屋上で主人公の2人が「タリラリラーン」と叫んでも、そんな . . . 本文を読む
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大阪新撰組『純喫茶』

2011-05-07 19:51:50 | 演劇
 スタジオガリバーの小空間を横長に使うというパターンは今までも結構よくやっていることなのだが、今回は今までで一番上手く使えてある。普段の舞台側にもセットを組んでいる。そこにはちゃんとカウンターもある。とてもシンプルなのに、丁寧に作られた舞台美術との相乗効果だ。  実際のメーンのアクティングエリアは、横長の空間にあるテーブルと2脚の椅子の部分だけ。奥はほとんど使わない。マスター(南田吉信)が静かに . . . 本文を読む
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モンキーレンチ『ワスレガタミ』

2011-05-05 18:06:31 | 演劇
 ーレンチの中山治雄さんが役者である自分を自らプロデュースするために企画した。作、演出にevkkの外輪能隆さんを迎えて、もちろん自らが主演する。1日3ステージで3日(最終日は2回)計8ステージをこなす強行軍だ。中山さんは生き生きとこのドラマの主人公を演じている。よくあるゴーストものである。全くついていない男が主人公。仕事をクビになり恋人にも棄てられ、ようやく決まった再就職先はうさんくさいところで、 . . . 本文を読む
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森見登美彦『四畳半王国見聞記』

2011-05-05 17:22:48 | 映画
 森見の最新作は彼の第2作である『4畳半神話体系』の続編だ。今回も4畳半のアパートの1室の中で繰り広げられる変態的妄想の数々が際限なく続いていく。だが、前作のようには面白くはない。というか、今回彼小説を読んで初めて、違和感を感じた。こんなことはなかったことだ。今まで、彼の戯言の数々をすべて心地よく受け流せてきたのに、この作品だけは、受け入れ難く思えたのは何故ぜだろうか?  四畳半王国を巡る7つの . . . 本文を読む
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Zsystemプロデュース 『新世界 BALLAD』

2011-05-01 19:30:24 | 演劇
 劇団太陽族、岩崎正裕さんが演出を担当したZsystemプロデュース の新作である。作品自体は岩崎さんの前作『大阪マクベス』の続編のような作品になっている。近未来の大阪を舞台にした作品。  言語規制の敷かれた日本では標準語を喋ることが義務付けられた。だが、大阪ではそれに反対し今も大阪弁をしゃべる人々が後を絶たない。政府の言語警察による弾圧が続く中、レジスタンス活動をする団体と、政府との戦いが描か . . . 本文を読む
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