こういう映画も作るんだ。そう言えばこれまでも彼はノン・ジャンルでなんでもこい、だった。そんなこんなのマイケル・ウインターボトム監督の新作。コーエン兄弟なんかが、よくやるような犯罪映画なのだが、やはりこれはウインターボトムらしくない。
主人公の独白で展開していくというのも、この手の映画の常套だが、完全にジャンル映画の定石を踏まえた作品に見える。だから、彼らしくないと思うのだ。スマートで、こだわりがない。犯罪ものとはいえ、淡々としていてドキドキさせられない。なぜ、こんなことになるのか。彼の幼いころの母親との確執がトラウマとなり、こういう性癖を生んだのだろうが、そのへんをもう少し拘って見せて欲しい。あまりにあっさりし過ぎていて、これではよくわからない。暴力への衝動。ある瞬間にスイッチが入ってしまう。そのことが、よくわからないまま話が展開してしまうので、あまりに平然と殺してしまう彼の精神状態を理解できない。見ていてただ目が点になるばかりなのだ。感情移入したいのではない。でも、もう少しこの映画に近づきたい。なのに、映画はそんな観客の気持ちをまるで汲まない。
ラストだって、あんまりだ。最初に殺されたはずのジェシカ・アルバが生きていて、彼のもとにもう一度現れるのだが、それなのに、あんなにもあっさりと殺していいのか? いろんなことがそっけなさすぎた。
今回のウインターボトムのそっけなさは、ある意味異常だ。こんなにもあっさりと撮りたいのなら、なんでこの題材を選んだのか。あなたのこの作品へのこだわりは何なのか。それともこだわりなんかないのか。おもわずそんな質問をしてみたくなる。
主人公がジェシカを殺し、幼なじみも殺し、その罪を逃れるため次々いろんなことをしていくのだが、なんともやる気がなさそうで、少しずつ抜けていて、結局、ばれてしまう。でも、本人は別にどうということもなく、最後は家を燃やして、自分も死んで、えっ終わり、って感じ。なんとも不思議な映画だ。このやる気のなさ、ってそれはそれでなんだか凄いのだが。
主人公の独白で展開していくというのも、この手の映画の常套だが、完全にジャンル映画の定石を踏まえた作品に見える。だから、彼らしくないと思うのだ。スマートで、こだわりがない。犯罪ものとはいえ、淡々としていてドキドキさせられない。なぜ、こんなことになるのか。彼の幼いころの母親との確執がトラウマとなり、こういう性癖を生んだのだろうが、そのへんをもう少し拘って見せて欲しい。あまりにあっさりし過ぎていて、これではよくわからない。暴力への衝動。ある瞬間にスイッチが入ってしまう。そのことが、よくわからないまま話が展開してしまうので、あまりに平然と殺してしまう彼の精神状態を理解できない。見ていてただ目が点になるばかりなのだ。感情移入したいのではない。でも、もう少しこの映画に近づきたい。なのに、映画はそんな観客の気持ちをまるで汲まない。
ラストだって、あんまりだ。最初に殺されたはずのジェシカ・アルバが生きていて、彼のもとにもう一度現れるのだが、それなのに、あんなにもあっさりと殺していいのか? いろんなことがそっけなさすぎた。
今回のウインターボトムのそっけなさは、ある意味異常だ。こんなにもあっさりと撮りたいのなら、なんでこの題材を選んだのか。あなたのこの作品へのこだわりは何なのか。それともこだわりなんかないのか。おもわずそんな質問をしてみたくなる。
主人公がジェシカを殺し、幼なじみも殺し、その罪を逃れるため次々いろんなことをしていくのだが、なんともやる気がなさそうで、少しずつ抜けていて、結局、ばれてしまう。でも、本人は別にどうということもなく、最後は家を燃やして、自分も死んで、えっ終わり、って感じ。なんとも不思議な映画だ。このやる気のなさ、ってそれはそれでなんだか凄いのだが。