これはまるでおとぎ話のような小さなお話。ファンタジーなので、リアリティーなんてなくても構わない、とは思わないけど、リアリズムで考えたなら、こんなのはありえない、でおしまい。問題外の映画である。しかし、とても丁寧に可愛らしい物語として纏める努力だけはしてあるから、これはその次元からだけで見なくてはならない映画なんだ、と思うことにする。
8歳の頃から11年間眠り続ける女の子(加藤ローサ)と彼女の12歳になる妹(菅野莉央)のお話。夏休みのある日、突然姉が目を覚まして、過ごす三日間の夢のような(夢そのものかもしれない)時間が描かれる。
両親が旅行に行ってしまい(海外を旅する長女が、事故に遭って死んでしまったらしいという連絡が外務省からあり、2人は慌てて飛んでいったので、厳密には暢気な旅行と言う訳ではない)12歳の女の子だけが、家に残され、しかも、寝たきりの姉の世話をしながら、中学受験のために、塾通いもしなくてはならない。おまけに家事もあるし。もうこの辺の設定から、「ありえねぇ」状態に突入してしまう。(だいたい、ラストでは、長女の死が誤報だった、と言って両親が帰って来るのだ!あほらしくてやってられない。)
さて、話に戻ろう。両親がいなくなり、独りになった夜、姉は目を覚ます。11年間も眠り続けていたのに、すぐに立ち上がり、そのうちしっかり歩き出すし、目覚めたときにはもう、しっかり化粧してるし、、「そりゃ、ないやろ」状態なのだが、加藤ローサが可愛いので許す。
小学6年の妹と、19歳なのに、8歳の心しか持たない姉の生活が始まる。8歳どころか、4,5歳並の幼児的思考回路しか持たない姉は、見るもの聞くものが驚きの連続で妹を困惑させる。このへんの描写がもう少し、説得力があれば、面白いのだがおもいつきのレベルを出ない。妹の現実主義と夢の中を生きる姉との対比もそれだけでは映画としては弱い。
ラストの水を巡るドラマは美しいが、そこまでのお話にあまりにも力がないので、ここも、説得力がない描写になる。「この夏は一回限りなんだよ!」なんていう泣かせるセリフが生きないのも惜しい。
とても綺麗な映像で、丁寧な絵作りはなされているものの、映画自体のドラマ作りがユルユルなので、突っ込みどころ満載で、笑って見ているしかない。イクラファンタジーとはいえ、もう少ししっかりした《幻想の論理》が欲しい。それでなくては映画に乗り切れない。監督のウスイユウジはCMのディレクター出身らしい。「さもありなん」の映画だ。
8歳の頃から11年間眠り続ける女の子(加藤ローサ)と彼女の12歳になる妹(菅野莉央)のお話。夏休みのある日、突然姉が目を覚まして、過ごす三日間の夢のような(夢そのものかもしれない)時間が描かれる。
両親が旅行に行ってしまい(海外を旅する長女が、事故に遭って死んでしまったらしいという連絡が外務省からあり、2人は慌てて飛んでいったので、厳密には暢気な旅行と言う訳ではない)12歳の女の子だけが、家に残され、しかも、寝たきりの姉の世話をしながら、中学受験のために、塾通いもしなくてはならない。おまけに家事もあるし。もうこの辺の設定から、「ありえねぇ」状態に突入してしまう。(だいたい、ラストでは、長女の死が誤報だった、と言って両親が帰って来るのだ!あほらしくてやってられない。)
さて、話に戻ろう。両親がいなくなり、独りになった夜、姉は目を覚ます。11年間も眠り続けていたのに、すぐに立ち上がり、そのうちしっかり歩き出すし、目覚めたときにはもう、しっかり化粧してるし、、「そりゃ、ないやろ」状態なのだが、加藤ローサが可愛いので許す。
小学6年の妹と、19歳なのに、8歳の心しか持たない姉の生活が始まる。8歳どころか、4,5歳並の幼児的思考回路しか持たない姉は、見るもの聞くものが驚きの連続で妹を困惑させる。このへんの描写がもう少し、説得力があれば、面白いのだがおもいつきのレベルを出ない。妹の現実主義と夢の中を生きる姉との対比もそれだけでは映画としては弱い。
ラストの水を巡るドラマは美しいが、そこまでのお話にあまりにも力がないので、ここも、説得力がない描写になる。「この夏は一回限りなんだよ!」なんていう泣かせるセリフが生きないのも惜しい。
とても綺麗な映像で、丁寧な絵作りはなされているものの、映画自体のドラマ作りがユルユルなので、突っ込みどころ満載で、笑って見ているしかない。イクラファンタジーとはいえ、もう少ししっかりした《幻想の論理》が欲しい。それでなくては映画に乗り切れない。監督のウスイユウジはCMのディレクター出身らしい。「さもありなん」の映画だ。