これはこの夏、台湾に行った時に映画館で上映されていたアニメ映画だ。Amazonで配信がスタートしたばかり。日本ではGWに上映されていた作品で、僕が行った台北駅前のシネコンの入り口にはこの映画の大きな看板が建てられ絶賛公開中だった。これは台湾でも人気なのか、と思う。もちろんあの時は見る気はなかったけど。
ということで、今回なんだか懐かしくて(?)この夏の思い出として、せっかくの機会だからと見ることにした。
こんな話ってあり得ないけど、なかなか楽しい。絵は雑な低予算アニメで、最初はウンザリしたが、すごいテンポで話が進むからツッコミを入れるいとまもない。青い監獄に集められた300人のフォワード。(フォワードだけではサッカーは出来ません。キーパーとかどうなってるのかなぁ)たったひとりになるまでのサバイバル。ワールドカップに向けて史上最高のフォワードを育成する、とか。TVアニメのスピンオフみたいだ。
何事にも心を動かされない無気力男、凪が主人公。彼は天才だから何でも出来るけど、何もしたくない。毎日スマホゲームだけ。それでいい。そんな彼に付き纏い一緒にサッカーをしよう、と勧誘するクラスメイト。凪はサッカーなんてしたこともない。だけど、天才だから素人なのに初めての試合で全国大会レベルの高校と戦って簡単に勝ってしまう。(あり得ない!)お話はここから始まる。これはそんなふたりのお話。
荒唐無稽を楽しみながら、それがどこまで行くのかを極め楽しむという趣向。終盤、当然凪がサッカーに本気になるということはお決まりの流れだが、そこからの話があまりに急展開のダイジェストでつまらない。そこからがクライマックスのはずなのに、ドラマを動かすダイナミズムに欠く。尺の関係もあるのだろうが、あまりに駆け足で尻すぼみ。
たった91分のこの映画を台湾の子どもたちが見てどんな感想を抱いたのか。彼らもサッカー日本代表を目指す子どもたちに感情移入するのか。よくはわからない。悪くはないと思うけど、少しガッカリだった。