昨年20周年を迎えて、仕切り直しとなる今年、21年目のあみゅーずの新作は、今までの最高傑作になった。これまでのノウハウを踏襲しながら、無理なく、サラリとした手触りの作品を提示する。従来からあみゅーずは3話からなるオムニバスというスタイルが多かったが、今回パンフには7話と記載されている。しかし、見た印象では、流れるようなタッチで1本の作品を見せられた気分だ。アメリカ映画によくある群像劇のような印象だ。例えば『ラブ・アクチュアリー』のような。
全体の構成がとてもよく出来ている。しかも、独立した短編集としても楽しめる。各エピソードの完結性が高く、10分程度の短いお話なのに、そこに登場する2人の気持ちがとてもよく出ているのだ。
最初は2組の男女の話。バーで会話する彼らの姿を捉える。そして、それぞれにフォーカスして、彼らの今置かれている状況や相互の関係性が綴られる。少し年の差のあるふたりは、結婚相談所のパーティーで知り合ったようだ。この日、初めて二人きりで会う。少し年下の男と、少し彼より大人の女を水谷亮太と中村ゆりが演じる。もうひと組の男女は、付き合い出してからそれなりに長いカップル(演じるのは思い野美帆と西尾崇)か。そろそろ結婚に向けて、大きく進展するようだ。そんな2組のお話を軽く見せた後、この店の店員である2人の女性たちのお話を挟んで、本編とも言える後半に突入する。
条あけみと谷本誠のエピソード。笠嶋千恵美と中村大介のエピソードだ。あみゅーずの2人が対照的な2組の関係を見せる。条さんは不倫カップルの話。年下の既婚者の男との関係を、静かなタッチで見せる。笠嶋さんは離婚した、もと夫婦を演じる。久しぶりに会う。一見、さばさばした関係だが、お互いのことを今も思い合っている。
重いタッチでシリアスな条さんの部分と、軽やかなタッチの笠嶋さんの部分が共鳴して、女と男の切ない想いをとても気持ちよく見せてくれる。それ以上踏み込まないのがいい。ここに描かれる程度の淡いドラマで止めておく。そこが、大人のドラマね。ワン・エピソード10分程、という長さが心地よい。想像力をかきたてられるのがいい。
お酒を飲みながら綴る2人のなんでもない時間、ここに描かれるほんのちょっとしたそんな彼らの横顔から、いろんな背景を自由に思い描くことができるのだ。余白のたくさんある(余裕のある)芝居。そんなところが、とてもスマートで、おしゃれ。80分という上演時間を十二分に生かした作劇。とても気持ちのいい大人の作品だった。
全体の構成がとてもよく出来ている。しかも、独立した短編集としても楽しめる。各エピソードの完結性が高く、10分程度の短いお話なのに、そこに登場する2人の気持ちがとてもよく出ているのだ。
最初は2組の男女の話。バーで会話する彼らの姿を捉える。そして、それぞれにフォーカスして、彼らの今置かれている状況や相互の関係性が綴られる。少し年の差のあるふたりは、結婚相談所のパーティーで知り合ったようだ。この日、初めて二人きりで会う。少し年下の男と、少し彼より大人の女を水谷亮太と中村ゆりが演じる。もうひと組の男女は、付き合い出してからそれなりに長いカップル(演じるのは思い野美帆と西尾崇)か。そろそろ結婚に向けて、大きく進展するようだ。そんな2組のお話を軽く見せた後、この店の店員である2人の女性たちのお話を挟んで、本編とも言える後半に突入する。
条あけみと谷本誠のエピソード。笠嶋千恵美と中村大介のエピソードだ。あみゅーずの2人が対照的な2組の関係を見せる。条さんは不倫カップルの話。年下の既婚者の男との関係を、静かなタッチで見せる。笠嶋さんは離婚した、もと夫婦を演じる。久しぶりに会う。一見、さばさばした関係だが、お互いのことを今も思い合っている。
重いタッチでシリアスな条さんの部分と、軽やかなタッチの笠嶋さんの部分が共鳴して、女と男の切ない想いをとても気持ちよく見せてくれる。それ以上踏み込まないのがいい。ここに描かれる程度の淡いドラマで止めておく。そこが、大人のドラマね。ワン・エピソード10分程、という長さが心地よい。想像力をかきたてられるのがいい。
お酒を飲みながら綴る2人のなんでもない時間、ここに描かれるほんのちょっとしたそんな彼らの横顔から、いろんな背景を自由に思い描くことができるのだ。余白のたくさんある(余裕のある)芝居。そんなところが、とてもスマートで、おしゃれ。80分という上演時間を十二分に生かした作劇。とても気持ちのいい大人の作品だった。