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映画・演劇のレビュー

劇団ひまわり 『チルドレンズ 幸せな出逢い』

2016-09-08 18:33:38 | 演劇

 

劇場の入り口で劇団ひまわり大阪所長である木嶋さんが「小さいのがわちゃわちゃ出てきて、たいへんです」とおっしゃっていたけど、ほんとうに凄い数の子供たちが登場して、舞台を立ち上げる。演出の大塚さんも大変だったことだろう、と思わせる。でも、そんな子供たちから元気をもらった、というのは、確かな感想だろう。きっと、彼らから教えられるものも大きい。

 

2年前の『チルドレンズ』の続編。今回は前回の高校生ユニット、シェイシェイが高校を卒棄して解散した後がお話の舞台となる。4人の小学生による新ユニット、シェイシェイ・ニューを結成し、彼女たちが新メンバーを迎え活動していく姿を、彼女たちの普段の学校での生活も交えて描いていく。

 

主人公となるのは転校生のゆい(上村ルリ)とシェイシェイ・ニューのリーダーであるみすず(菊池心和)。このふたりの出逢いと別れまでを描く友情物語。単純なお話であるのは否めない。しかし、それでよい。2時間の作品でこれだけの歌やダンスシーンがあるのだ。充分である。それよりこんなふうにシンプルな物語にすることで、彼女たちの想いがストレートに伝わる事の方がメリットだ。これだけの大所帯で、群像劇なのに、大味にならないのはポイントを絞り込んだからだ。

 

さらには、るいの父親である大学教授(青木威が、ほとんど「嘘くさい」というレベルのさわやかさで演じる)による自らの学会での研究成果の発表部分がストーリーの根幹をなすのもいい。この説明部分(本来なら意味を成さない部分だ)を上手くお話の中に取り込んで、全体を構成したのがいい。ドーキンス博士による遺伝子(ジーン)と記憶(ミーム)についての解析なんていう、なんだか小難しいこと(!)をお話に組み込むことで、彼女たちのドラマに結果的に奥行きを与えたのは正解だ。先天的な遺伝子と後天的な行動による記憶(思い出)。それらが交錯し、人間の成長を促すという、当たり前のお話が、彼女たちのドラマを通して、ちゃんと伝わるのがいい。まさにシンプル・イズ・ベスト。

 

歌と踊りで見せるこの2時間のミュージカルは、小さな子供たちを主人公にして、彼らの素直な想いを大人たちが支え、伝える。とても気持ちのいい舞台だった。

 

 

 


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