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映画・演劇のレビュー

『アルゴ』

2013-04-09 21:11:58 | 映画
 本年度のアカデミー賞で作品賞を受賞した。とても地味な映画で日本では劇場公開時はまるで話題にならなかった作品なのに、アカデミー賞効果で、3月には劇場で再上映され、続いてDVD化もされた。確かに悪くはない。だが、これが数ある作品を押しのけ、最優秀作品賞を獲るほどの映画だとは思わない。まぁ、昨年の『アーティスト』も小粒過ぎて、これが最優秀作品賞なんか? と思ったけど、今回もなんだか物足りない。もちろん、話もおもしろいし、ハラハラドキドキする映画だ。見て損はない。

 だが、『ゼロ・ダーク・サーティ』なんかと比較すればよくわかるだろうが、あまりに軽すぎる。もちろん、ドキュメンタリー・タッチで、実話の映画化である。そこには多少の脚色はあっても嘘はないはずだ。でも、荒唐無稽な計画で、それをやり遂げるというストーリー展開であろうとも、これではなんか調子がよすぎる気がするのだ。よくできたほら話という印象は否めない。事実は小説より奇なり、をそのまま実現したような映画なのだが、現実はそんなものじゃない、気がする。現実の映画化を前にして、そのいいぐさはない。確かにそう思うけど、でも、僕はこんなにも上手い話に、なぜか乗れない。なんか、もったいない気もする。せっかくのエンタテインメント映画なのに、充分には楽しめなかった自分が恨めしい。

 だが、現実がこんなにも上手くいく、ということを素直には信じられないのだ。これは痛快娯楽大作ではないのだから、こんな風なカタルシスは似合わない。

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