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映画・演劇のレビュー

かしこしばい『河童ライダー』

2019-01-13 15:46:49 | 演劇

 

3人芝居、1時間15分というコンパクトなサイズ。舞台装置も中央に河童が出てくる井戸があるばかりのシンプルなもの。ただ、この井戸は、最初は机になっている。原稿用紙が

散乱している。主人公がここで小説を書く。劇中劇としてその小説が演じられる。まぁ、よくあるパターンなのだが。

 

軽快なメロディに乗って、(芝居が終わってもずっと主題歌がちゃんと頭に残っている!)爽やかに疾走する河童ライダー。そんな彼女に誘われて旅する男女。祖母の死をテーマにして、後悔から始まる(葬儀に参加できない弟と、彼に電話をかけて葬儀への参列を呼びかける姉という図式)ドラマは新しい旅立ちまでを描く。もっと、おばあちゃんのために何かが出来たのではないかと悩む弟。そんな彼を見守る姉。そんな彼らのもとに死んだ祖母が河童となってやってくる。

 

シンプルなストーリーラインなのだが、それが最初は故意に迷走して、これはいったい何なのか、と戸惑うように作られてある。前説をする男に絡んでくるひとりの観客、という芝居の始まる前の部分から、ドキドキさせられ、作品世界に一気に誘い込まれる。そこに有無を言わせず突然現れた河童ライダーが、彼らをバイクに乗せて走り出す。スタートラインからミスリードの連続で、でも、何が何だかよくはわからないけど、見入ってしまうことになる。この集団は、主人公の河童ライダーを演じる山本礼華と作、演出の古後七海の2人ユニットであるらしい。2人のコンビネーションがとてもいい。わかりやすいストーリーをこんなふうに韜晦して見せ、とんでもない場所へと連れて行ってくれる。

 

1年の最初の芝居がこれでよかった。なんだかとてもいいスタートが切れた気がする。今年もいい芝居に出逢えるといいな。

 

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