シリーズ第2弾。神田の古本屋を舞台にした短編連作。本と食事。ふたつをセットにして楽しむ。読むことと食べること。それは人生最大の楽しみではないか。ブックカフェって小路幸也の『東京バンドワゴン』にも通じる世界だ。
ただこちらは世界は狭い。いくらなんでもあんな壮大なユニバースを作るわけではない。こちらはお客さんの求める本を探し出して、手渡すだけ。そこに何故か料理が絡んでくる。
兄の死から古本屋を引き継いだ70代の珊瑚さんと親戚で20代の美希喜。ふたりがこの古本食堂を守る。ただここは食堂ではなく、本屋。一応今はカフェでもあれのだけど、お話には食が必ず絡む。
終盤にはなんと珊瑚さんの恋の話が前面に出てきた。70代の恋。結婚に向かうラストまで。お話は確実に第3作につながりそうだ。