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映画・演劇のレビュー

『 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』

2009-08-21 21:38:14 | 映画
 今回の仮面ライダーはなかなか豪華だ。平成ライダーシリーズ10周年記念作品らしい。とはいえ相変わらずの夏の定番枠で作られた作品なので、上映時間は1時間そこそこ。だが、話の展開に無理がなく、おもしろい。平成ライダーだけではなく、昭和ライダーも総出演で、しかもタイトルにあるようにショッカーが復活!これって、オールドファンのための映画にもなっている。

 TVのディケイドは見たことがないから、全然話は知らなかったのだが、今回の設定はきっとTV版でもやっていることなのだろう。時間を超越し、さまざまな世界を渉り歩く放浪のライダーが主人公だ。彼が自分の生きていた時代に戻ってくる。彼は記憶を失い、パラレルワールドを彷徨う旅人で、そこにはそれぞれの世界に別々の仮面ライダーが存在する。そんな彼らと主人公が関わることで、ドラマが展開していくようだ。

 この映画版は、先にも書いたように、ようやく彼がかって自分のいた世界に戻ってきたことから起こるドラマだ。なんらかの理由で世界を一つに束ねることで、世界全体を救うことが出来ることになり、そのためには世界に1人の仮面ライダーしか存在してはならないらしくて、しかたないからライダーバトルをして最強のライダーを決めることになる。だが、それは大ショッカーの陰謀で、しかも、大ショッカーの総統がなんとディケッドだったなんていう驚きの展開。だいたい仮面ライダー自身が本来ショッカーが作った改造人間だから、ライダーがショッカー側の人間だということは、意外でも何でもないはずなのだが、主人公が悪者だった、なんて話を子供向け映画でやるなんてなかなかだ。

 さらにはディケッドは妹に裏切られて総統の座を奪われる、とか。シャドー・ムーンが陰で糸を引いてる、とか。もう、すさまじい展開なのだ。本気で作ればこれはなかなかおもしろい話なので、凄い映画にもなれそうな企画なのだが、相変わらず安っぽい。雨宮慶太が監督をやっていた頃が懐かしい。

 ただし、クライマックスのライダーが全員並ぶシーンはすごい迫力だ。冒頭のいきなりバトルも悪くない。しかもアマゾンが1番手だなんて、なかなか渋い選択だ。ライダーマンがちょっといい役だったりして、もちろん1号、2号にも見せ場が用意されている。だいたいオールスター総出演は東映映画の定番だったのだ。そんなこんなでいろんなことがよく考えられてある。見ていて退屈はしない。

 同時上映の『侍戦隊シンケンジャー 銀幕版天下分け目の戦』は3D版もあり、なかなかこちらも豪華だ。20分ほどの短編だが、いきなりクライマックスで、なかなか笑える展開。『レッドクリフ』もかくやの大スペクタクルである。

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