習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』

2008-07-05 11:20:20 | 映画
 正直言ってこんな映画を見ている暇はないのだが、誘われたらついつい見てしまう。今週は芝居がたくさんあって、ほんとうは映画見てたら芝居見れなくなるのに、また見てしまった。ほんとは少し期待していたのだ。前作があまりに酷すぎて笑うに笑えなかったが、今回はあの反省に基づき、きちんと映画らしい映画を作るはずだと信じた。『てなもんや商社』(古いなぁ)の本木克英監督だから。なんてね。でもこの人『犬と私の10の約束』も微妙だったし。

 という訳で、怖いもの見たさで、試写会にGo!あきれました。もういい。終わり。まぁ、ここまであほとは思いもしなかった。

 スター隠し芸大会ではないのだから、コスプレで終わりにするのはあかんやろ。しかも、前作で散々それはしてるのだから、もう観客も騙されないぞ。なのに、CG使って鬼太郎ごっこ。最初に劇場で流れた予告編がなかなかよかったのだが、あれだけだった。怖い映画を目指す(せめて昔の『妖怪百物語』くらいのね)のか、と期待したのだ。それから鬼太郎史上初のラブストーリーなんていう売りにもだまされた。草葉の陰で水木しげる大先生も泣いておられることだろう。(まだ、先生はご存命ですが)

 あまり何も書きたくないし、書けばきりがないから、少しだけ要点を記す。

 話がまるでないのはあかんやろ。ストーリーに整合性もないし、だいたい話がちゃんと展開していかない。何が描きたいのかすら、これではわからない。緒方拳がぬらりひょんの役で出ておられるが、彼ほどの大スタ-を連れてきてあれはないだろ、と思う。鬼太郎のいる世界というものにまるでリアリティーがなく、ただ表面的に映像化すればいいとでも思ったのだろうか。ここには全然原作への愛がない。作者の見せたい世界観もない。これでよく映画を作れたものだ。

 ウエンツには慣れたが、それでもいくら考えても鬼太郎は小池徹平だろ、と思う。顔の長い鬼太郎なんて鬼太郎ではない。CGの目玉のおやじが大活躍するのはご愛嬌。

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