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映画・演劇のレビュー

でめきん『きんぎょ箱 でめと夏祭り』お面チーム

2023-07-10 11:23:42 | 演劇

今回は藤田サティ・作『あの子になりたいの』、足達菜野・作『まつりのあとのまつり』、田中健一郎・作『マイワールド・ナンバーワン』、最後は葉兜ハルカ・作『私のサンクチュアリ』の4作品。もちろん全作品の演出はこちらも葉兜ハルカ。

昨日見た『提灯チーム』が表面だとするとこちらは裏面、ダークサイド。暗い話が続くし、ラストではなんと殺人に及ぶ。夏祭りをテーマに据えた甘い記憶を巡る短編集だと思っていたから、その意外な展開に驚いた。たまたまだったが、この順番で見てよかった。こちらが先なら、『提灯チーム』は見なかったかもしれない、というくらいに『お面チーム』はインパクトが強い作品が並ぶ。重くて暗い。しかも、救いがない。
 
こちらもそこには短編には必須のわかりやすい結末はない。昨日の『提灯』はそれが残念だと書いた(ような気がするが、)こちらを見ると明らかにそれをあえて狙っているという気がしてきた。この後味の悪さ、それが尾を引くための施作としての作る方なのか。これはたった20分の悪夢。だけどそこにしっかりと嫌なもの(褒めている)が残る。
 
今回の8作品を4本ずつの2本の演劇作品としてまとめたのは正解だった。それを2日に分けて見たのもよかった。旦煙草吸とは違う葉兜ハルカの魅力が詰まった作品集で、見てよかったと思う。

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