習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『エイプリルフールズ』

2015-04-02 21:00:24 | 映画
実はちょっと期待もした。(でなければ見ないし。)もっと毒のある映画ではないか、と。

一見安易な企画に見えて、でも、これはうまく作るとかなり面白いものになるのではないか、と思ったからだ。どこまでだますのか。それがこの作品の勝負どころだろう。これだけの役者を集めて、彼らの競演というだけでも、商売になる。

作品としては『THE 有頂天ホテル』に代表される三谷幸喜映画のようなスタイルだが、もう少し軽い。(あれもかなり軽いはずなのだが)TVドラマ『リーガルハイ』の脚本、演出コンビ(脚本:古沢良太 監督:石川淳一)による作品だから、それほどリアルにはならないし、フジテレビ製作のスター顔見せ映画でしかないのかもしれないという危惧もあった。

で、映画は、やはりダメだった。説得力ないわ。こんなの、ありえん、と思わせる安易なエピソード満載で、これでは乗れない。もっと気持よく騙されたい。観客は最初からだまされるために劇場に来ているのだ。ここに感動を期待なんかしていない。だからこそ、ちゃんと期待に応えなくては意味がないではないか。バカバカしさはいいのだが、それだけでは飽きる。最低限の醒めない程度のリアリティーは欲しい。これでは、「あほらし」と思うばかりだ。

今の時代、メジャーの日本映画はもうみんなTV局が製作することになっているけど、もっと劇場にかけても恥ずかしくないような映画を作るべきではないか。それが出来ないのなら、入場料をタダにして、(と、それは無理だろうが、せめて安くして、)すぐにTVで見せますから、と観客に媚びてはどうか。自分たちの作るものに誇りを持てないのなら、コマーシャルでもつけて、劇場公開しろ!




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