宮崎駿監督が『風立ちぬ』以来10年ぶりに手掛けた、たぶんこれは最期の長編劇映画。まるで事前情報は流れてこないし、全く宣伝もしないまま公開される。これはそんな空前絶後の映画なのである。これくらいに期待が集まる作品なのに、すべてがトップ・シークレットのまま、公開日を迎えるなんて世界初ではないか。
事前情報はこの地味なポスター1枚だけ。タイトルだって秘密。一応は吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』から借りたものだが、内容はあの本とは関係ないらしい。明日公開されるので、朝一番で見てこようと思うけど、正直言うとなんだか不安。宮崎駿は『パンダコバンダ』の頃からすべての映画をリアルタイムで劇場公開時に見ている。TVの『アルプスの少女ハイジ』もそうだ。毎週楽しみにしていた。(まぁ、あれは高畑勲作品だけど)
最初の長編劇映画は、今では誰もが知る『カリオストロの城』。ロードショー時はあまり客は入らなかった。『風の谷のナウシカ』は公開時は『名探偵ホームズ』と2本立上映だった。そんな昔話をここに書いても仕方ないだろう。
誰もが知る宮崎アニメ。『となりのトトロ』はうちの孫のリンは軽く10回は見ている。娘の(リンの母親ね)リオは初公開時の今は亡き梅田劇場で見ている。もちろん僕も劇場で3回は見ている。(DVDで5回は見たはず)映画史上最高レベルの傑作である。
黒澤や小津と並んで称賛されていい世界の宮崎の最期の映画は明日から上映される。